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チャーハンという料理の精緻と優しさを知る逸品 チャーハンとはなにか? その答えが、繁華街からはずれた場所でひっそりと営む、この小体な店にある。 Chef's 胡弓の演奏が流れる中、優雅に食事ができる 六本木「中国飯店」経営による高級志向の中国料理店。昼夜胡弓の演奏が流れる中、優雅に食事をとることができる。チャーハンの品書きは十種類。定番の「什錦炒飯」も上等な出来だが、この店ならではのおすすめの一つが、「富麗華式中国醤油チャーハン」千二百円。中国醤油で味をつけた真っ黒なチャーハンで、醤油の甘い風味に米の粒がまみれたほっこりとした旨味に、頬が緩む。醤油によってしっとりしながらも、パラリとなった軽い食感も見事。具は、米と同寸大のハム、ネギ、蟹。さらには牛挽肉とタマネギ、卵黄、松の実を使って味わい深くした「松の実入り中国醤油チャーハン」千八百円も秀逸。一方「卵白と干し貝柱入りチャーハン」千八百円の色合いは白。ご飯は炒めずに鍋でじっくりと焼き、油で揚げた卵白と干し貝柱の戻し汁で仕上げたもので、ふんわりとした卵白の食感と淡い色合いとは相反する、貝柱の深い地味に虜になるは必至。咸魚の練れた塩気とみずみずしいレタスによる「塩漬け魚入りチャーハン」千八百円もおすすめ。 富麗華 米の甘み、油の香り、具の食感、スープの旨味が渾然一体 赤坂璃宮のチャーハンは美しい。サラサラと米が離れ、一粒一粒に油の香りがからんだチャーハンは、皿の上で艶やかに輝いている。そのおいしさを素直に表しているのは、「揚州風五目入り炒飯」千五百円だが、ほかにも牡蠣油風味の「あさり炒飯」千五百円や、咸魚の強い塩気が生きた「中国塩漬け魚入り炒飯」千五百円など、八種類のチャーハンが楽しめる。中でもおすすめは「極上スープかけ炒飯」千八百円。アスパラの香りと干し貝柱の旨味を利かしたチャーハンに、たっぷりの上湯(老鶏、赤身肉などによる上等なスープ)を添えた料理だ。この滋味豊かなスープをチャーハンにかけてサラサラと掻き込めば、米の甘み、油の香り、具の食感、スープの旨味が渾然一体となった、幸せな気分がやってくる。 赤坂璃宮 才あふれる若き女性シェフによる独創的料理が人気 才あふれる若き女性シェフ、五十嵐美幸さんのしなやかな発想と大胆な着想による独創的料理が人気を呼ぶ店。通常のチャーハンも申し分のない出来だが、この店ならではのおすすめが、「あわび汁入りリゾット風炒飯」(昼千円、夜千七百円)。旨味が凝縮した干しあわびの戻し汁を、もち米にじっとりと吸い込ませてサラサラに仕上げたチャーハンで、甘みも塩気も感じず、純粋で濃密な旨味だけが米一粒一粒と合体している。香りもやさしく、噛み締めれば噛み締めるほど旨味がにじみ出て、豊かな気分が体中に満ちてくる。 広味坊 西洋高級食材を駆使した洗練の中国料理に廉価で出会える 「フカヒレの澄まし汁」などの高級乾貨から「キノコの生湯葉包みトリュフソース」など、西洋高級食材を駆使した、洗練の中国料理に廉価で出会える店。数あるチャーハンの中でのおすすめは、「干し貝柱の卵白身炒飯」千二百円。滑らかな口当たりで、プリッとした食感の白身と一粒一粒がこの上なく軽く炒められた米が出会い、なんとも穏やかな気分になる。ふわりとした旨味を底支え、ご飯に染み込んだ干し貝柱の味わいと香りが、気品を漂わせる。 金臨門粤菜酒家 大地の香りと力強さを痛感させる郷土料理は東京唯一 四川省の南、香り豊かな雲南料理の店。大地の香りと力強さを痛感させる郷土料理は東京唯一。「雲南炒飯」千五百円。パイナップルを縦半分に切ってくり抜いた器に入れられる。金色に光り輝くチャーハンから立ちのぼるはカレー香。パラパラと軽く炒められた米にカレーの香りがからみついていて、スプーン持つ手が加速する。細かく刻まれて入るのは、腸詰、ピーマン、イカにほのかな甘みを演出するパイナップルの果肉。巧みに配した食感や甘み、旨味の隠し味に笑みがこぼれる。また品書きにはないが、名物雲南ハムや腸詰め、チンゲン菜、干しシイタケを刻み入れた「雲南ハムの炒飯」もおすすめ。 御膳房 トマトソースをかけて食べる甘み穏やかなやさしい味わい 国際都市上海ならではの柔軟性を示した味わい「錦江炒飯」千二百円は、卵、タマネギ、ザーサイ入りのチャーハンにトマトソースをかけて食べるチャーハン。小丼に入った甘酸っぱいトマトソースには芝エビとグリンピース。チャーハンはオーソドックスな味だがトマトソースをかければ、パラリと炒められた米一粒一粒にからみながら底まで染み込んでいく。食べれば、甘み穏やかな、やさしいケチャップライス風でにんまり。半分だけにかけシンプルなチャーハンと交互に食べるも楽しい。裏メニューだが、特別に薄焼卵を追加注文してご飯にかけてもらえば、ふふ、中国版オムライスへと変身。 上海錦江飯店 キムチの酸味と辛み、豚肉の旨味、 スープ類やチヂミが抜群にすぐれた韓国料理の店。「キムチポックッパ」千五百円は韓国風チャーハン。キムチ、豚肉、しめじをタテギやとうがらし、ケチャップとともに甘辛く炒め、シンプルなチャーハンにかけた後、目玉焼きをのせたもの。キムチの発酵した酸味、タテギやキムチの辛み、豚肉の旨味、しめじの食感、目玉焼きの甘み、チャーハンの塩気、米の甘みなどが渾然一体となって押し寄せる迫力チャーハン。よくよく混ぜ込んで食べるべし。 シモン 東京の老舗格中華料理店ならでは シンプルな「五目炒飯」九百円。ご飯一粒一粒が離れて、油のよい香りに包まれている。卵がふわりとして、小さく千切れ、米とほぼ同寸に切られた具が、均等に混ざっている。さらには米肌が艶やかで、うっすらと黄色がかっている。チャーハンの基本を忠実に守り抜いた逸品。しかも昼の混雑時でもぶれはない。値段とともに東京の老舗格中華料理店ならではの、うれしい良心である。 華都飯店
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