味の見聞録
味噌ラーメン
いまだから食べたい深化を遂げる東京味噌ラーメン

食べ終わると気持ちが安らかになる優しい味わい

駅から遠い不便な場所のカウンターのみの小さき店を、女主人一人で切り盛りする。「味噌ラーメン」六百七十円の魅力は優しさ。微笑んでしまうような甘い香りが、ふわりと立つスープ。長崎の麦味噌や信州白味噌など五種類の味噌をブレンドしたというスープを一口すすれば、味噌味も旨味も突出しない丸い味わいが、舌を包み込む。その味わいは食べ進むにしたがって深く、濃密になっていく。濃密で温かみを感じさせる味噌のポタージュ。そこに一週間熟成させたという中太縮れ麺のコシが、スープを力強く受け止め、一気呵成に食べさせてしまう。クルトンのアクセントもお見事。具は、チャーシュー、メンマに海苔とシンプル。旨味はしっかりしていながら、味わいが優しいので、食べ終わると気持ちが安らかになる。そんな味噌ラーメンだ。味噌に酒粕や豆乳を加え、甘みのある味わいに仕上げ、焼ネギや水菜を具にした「囲炉裏麺」九百八十円も人気。

一福
渋谷区本町6-6-4 森田マンション1F
tel.=03-5388-9333
営業時間=11:30〜13:30、18:00〜20:30
(日11:00〜14:00、売り切れ仕舞)
定休日=月曜日


濃厚といえど油っこさは感じさせない骨太の旨味が光るスープ

東京では珍しい味噌ラーメン専門店。静かにBGMが流れるカウンター七席の店にご主人一人。「みそ」六百円は、中華鍋で野菜(もやし、玉葱、ニラ)を炒め、豚骨を主体としたスープを注ぎ入れ、信州白味噌ほかのブレンドによる味噌ダレを合わせる。そのスープはどろりとして濃厚。コラーゲンのぬめりを感じさせるスープは、濃厚といえど野菜の甘みがにじみ出ていて、油っこさは感じさせず、骨太の旨味が光る。よれた平打ち太麺との相性もよし。野菜の炒め具合もよし。上に辛味油を少量垂らした白髪ネギがのる。途中で卓上の豆板醤と一味を加えて変化をつけて食べてもよい。味玉百円。真っ赤な辛いつけダレにつけて食べる「辛味つけそば」六百円もおすすめ。

麺処 くるり
新宿区市谷田町3-2
tel.=03-3269-0801
営業時間=11:30〜15:00(売り切れ仕舞)
定休日=日曜祭日


東京味噌ラーメンの進化系最先端の店
しばらく経つと再び食べたくなる後味

東京味噌ラーメンの進化系、その最先端。「博多一風堂」のセカンドブランドで飲めるラーメン屋。「焦がし味噌」八百四十円のスープはコクが強く、油分も濃いが、味と香りのバランスがとれているため、いやらしくない。焦がした味噌の香ばしさと濃厚なスープの旨味を、滑らかでサクサクとしたコシを持つ中細麺が受け止め、すんなりと胃袋に収めさせる。時折口を賑わす挽き肉や玉葱、とろりと崩れるチャーシューもよし。食後に残る香りの記憶が、しばらく経つと再び食べたくさせる。そんな後味を引き込む味噌ラーメン。

五行
港区西麻布1-4-36 ロジマ西麻布1F
tel.=03-5775-5566
営業時間=11:30〜14:30、17:00〜翌2:30(日・祭〜23:30)
年中無休


基本に忠実に優しくふくよかな味わいが人気

札幌の人気店が、昨年十二月に新横浜ラーメン博物館に登場。濃厚化、旨味過多化していく札幌の味噌ラーメンブームの中にあって、基本に忠実に、優しくふくよかな味わいの味噌ラーメンを作り出して人気を得た。
注文が入ると、挽き肉を炒め、野菜類を炒め、スープを注ぎ、寝かした味噌ダレを溶き、丼に張る。上には、具のキャベツ、ニンジンの細切り、キクラゲ、白髪ネギがふわりと置かれ、見ためも美しい。一口目は、あっさりとした味わいだが、食べ進むにしたがって旨味がつもっていく。野菜、殊にキャベツの甘みと豚挽き肉の旨味がきいていて、気がつけば最後の一滴まで飲んでしまうは必至。麺は、小麦の香りがほのかに漂う口当たり滑らかな中太麺。九百円。


横浜市港北区新横浜2-14-21 
tel.=045-471-0503
営業時間=11:00〜22:00(土・日・祭10:30〜)
年中無休(年末年始除く)


昔の誠実さが宿った郷愁を呼ぶ、懐かしくなるラーメン

戦後闇市の匂いを残す東小路にある中華料理店。庶民派中華全般を用意する、いわばどこにでもある町の中華だが、「味噌ラーメン」六百八十円が自慢。深化というより郷愁を呼ぶラーメン。旨味が過剰でなく、味噌の風味が穏やかに出ている。モチモチと弾む自家製の多加水麺もそんなスープと相性よく、シャキッと火を通したもやしや玉葱、チャーシュー、木茸、帆立のヒモ、豚バラ肉、挽き肉といった具も申し分なし。昔の誠実さが宿った、懐かしくなるラーメン。「京都白味噌ラーメン」七百八十円はおもしろい味。

味香美飯店
品川区東大井町5-4-13 
tel.=03-5460-1139
営業時間=11:00〜23:00
定休日=日曜日


上質な味噌汁を飲んでいるかのようなほっこりとした旨さと香り

厨房内も含めて実に清潔感が漂う店を、ご夫婦で切り盛りする。その佇まい同様、穏やかで誠実さを感じさせるラーメン。「みそらーめん」七百円は、信州白味噌のほっこりとした旨さと香りが素直に出たスープで、塩が舌に当たらず、上質な味噌汁を飲んでいるかのよう。魚介系と鶏ガラ、豚骨を使っているとのことだが、あまり各要素を感じさせず、底支えとしてのダシの使い方がうまい。麺は中太のしなやかなコシを持つ。具は、超半熟のゆで卵、白髪ネギ、蒸したもやし、ゆでキヌサヤ、メンマ。細縮れ麺による醤油、極太麺を使ったつけ麺もおすすめ。

らーめん麺好
中野区弥生町2-52-8 城西ビル1F 
tel.=03-3382-3132
営業時間=11:30〜16:00(売り切れ仕舞)
定休日=木曜日


居酒屋ながら、ラーメンが充実
山出汁麺と海出汁麺の二種類あり

中目黒を中心に展開する炙り焼店が昨年出店した居酒屋。串焼やおでん、刺身類に豊富な焼酎、日本酒を揃えるが、ラーメンも充実。ダシが丸鶏、メイシャントンなどによる白濁した山出汁麺と、鯛頭、昆布、鰹節、鯖節、秋刀魚、貝、甲殻類による澄んだ海出汁麺の二種類あり、それぞれに工夫を凝らした、塩、醤油、味噌が頼める。味噌でのおすすめは、「海苔味噌」七百円。甲殻類の甘い香りと海草のミネラル香が、まろやかに味噌香に溶け込んでいる。白っぽく縮れた熟成中細麺もモッチリとした食感で、スープとよく合う。具のトッピングは、チャーシューや海苔、味玉といったオーソドックスなものから、山芋バター、鶏のつくねと実に二十七種類。辛味をきかせたスープを石鍋に入れた「石焼辛味噌麺」もぜひ。ラーメンだけの注文も可。

框堂
目黒区上目黒3-1-8
tel.=03-5773-5567
営業時間=17:00〜翌2:00(日・祭〜22:00)
年中無休


札幌で人気のラーメン店の東京店
ラードの膜で、スープは最後まで熱々

弟の経営する「すみれ」とともに札幌で人気を二分するラーメン店の東京店。「味噌ラーメン」八百円の特徴は、豚骨、豚足、鰺、昆布、野菜による、甘く濃厚でやや塩分が強く、スパイシーなスープ。ラードの膜がフタをし、スープは最後まで熱々で、札幌の厳寒を思い起こさせる。そこに絡むのは中太のコシが強い麺。具は、メンマ、ネギ、細かく切ったチャーシュー。ちょいと下品な「特製ラード炒めチャーハン」七百円もぜひ。

純連
新宿区高田馬場3-12-8
tel.=03-5338-8533
営業時間=11:00〜15:30、17:00〜22:00
定休日=火曜日



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