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とんき 後味軽やか廉価で楽しめる庶民派の店 銀座にて、長年休むことなく、廉価にて提供し続ける庶民派とんかつ屋。人気のかつ丼は、一見すると普通のかつ丼だが、まことにバランスのとれた逸品。 とんき 坂本屋 創業七十年になる町の定食屋さん。白と黄のグラデーションを見せながら、ふわりとかつを包み込む溶き卵、上にちょこんと飾られたグリンピース。昔風の定番かつ丼の姿である。食べれば、揚げたてならではの衣のサクサク感に歯が当たり、肉の旨味がにじみ出て、ご飯が猛烈に恋しくなる。卵の閉じ具合も適妙。また卵に汁が染みすぎずに、卵自体の甘みが伝わる。やや甘みの利いたダシも肉の甘みと合い、ご飯を生かすダシの量もいい。かつの厚さもよく、主役ながら威張りすぎずに、ご飯や卵と手を取り合って一緒に生きていこうという姿勢が出ている。昭和の良心が伝わるかつ丼だ。七百五十円。 坂本屋 鈴新 ご夫婦で切り盛る小体なとんかつ屋。古い店が比較的多い荒木町にあっては新参ものだが、昼夜ともに盛況。かつ丼は、三種類。「かけかつ丼」九百四十円は、揚げたてかつをご飯にのせ、濃いめのダシ汁に玉ねぎを加え卵で閉じたものを上からかけた丼。衣のサクサク感とふわりとした卵の食感の両者が味わえる。「そうすかつ重」八百四十円は、ご飯の上にキャベツをのせ、自家製ソースをかけたとんかつ、小川町の金胡麻、大根おろしをのせたもの。胡麻の風味やおろし、キャベツとの調和が楽しい。「煮かつ丼」九百四十円は、コクと甘みがある新潟の延喜醤油を使った煮汁で、揚げたてかつをさっと煮てごはんにのせる。 鈴新 勝漫 肉汁に富む逸品「ロースかつ定食」千五百七十五円や、口いっぱいに海老の甘みが広がる「海老団子揚げ」千五百七十五円、ホワイトソースに貝の滋味が溶けた「貝柱コロッケ」千五百七十五円など、優れた揚げ物を供す名店。「大かつ丼」は千六百八十円。その名の通り、直径三十センチほどある大ぶりな丼に、迫力十分の分厚いかつがのったかつ丼。汁の量、甘辛さ程よく、二個使った卵の閉じ具合も黄身がとろけて、白身がふわりと固まっている理想の火の通し。ボリュームはあるが、揚げきりのよさと旨味に富む肉のせいで腹にもたれない。 勝漫 小春軒 明治四十五年創業の老舗洋食屋。ふたつき錦手の丼で登場する「かつ丼」は千二百円。ご飯の上にビーフシチューと割下を合わせた汁で煮た揚げたての一口大ロースかつをのせ、目玉焼きをのせ、角切りのピーマン、人参、玉ねぎ、じゃがいもの炒めをかけた変わり丼。かつを目玉焼きの黄身にからめて食べ、合間に野菜の甘みを味わってと食べ始めれば、一気呵成。変化に富む味を楽しむかつ丼である。 小春軒 和楽惣 カルビ肉じゃが、きんきの煮物、白海老のフライ、馬刺しなど豊富な品書きをそろえる人気の居酒屋。 和楽惣 喝鈍 細長いカウンターによる店内は、常時満席の人気店。「かつどん」は五百五十円。薄めのロースかつをカラッとサラダ油で揚げ、小さい銅鍋にかつ、玉ねぎ、ねぎとダシを入れて卵で閉じ、鍋ごと出す。煮かつをおかずにして、白く艶やかに輝くおいしいご飯で食べてもよし、ご飯の上にかけて掻き込んでもよし。筆者の好みは卵を二個使った「卵ダブル」。 喝鈍 かつ家 「とんかつ丼」六百円に始まり、ヘレかつ丼、おろしかつ丼、ソースかつ丼、ぴりからかつ丼、と多彩なかつ丼をそろえる店。変わりかつ丼でおすすめが「キムチかつ丼」七百円。揚げたかつの上にはたっぷりのキムチがのっている。一見相性が悪そうにも思えるが、煮汁に唐辛子と豆板醤を利かせているので、キムチの辛み、酸味と合い、妙に癖になる味わいとなっている。 千疋屋 西陣の住宅街にさりげなくたたずむ洋食屋。名物「欧風ビーフかつ丼」は千三百円。丼に入れたサフランライスの上に、ベーコン入りスクランブルエッグ、プロセスチーズを挟んで揚げた和牛ロースのビーフかつがのり、上からはマッシュルームと玉ねぎ入りのたっぷりのドミグラスソース、少量のサワークリームがかけられ、粒マスタードが添えられる。これでもかといわんばかりの組み合わせだが、やさしい味わいのドミグラスとかつの相性、サフランライスの香り、卵の甘みが見事に調和し、しつこさなど微塵もない。 千疋屋
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