味の見聞録
築地
新鮮! 豪快! しかも、お値打ち
魚介の宝庫・築地市場を食べ尽くす

築地市場 場内外と周辺のおいしい店をご紹介。

すし屋 
狙いは、雨の日の八時頃
長蛇の列を作る「大和寿司」「寿司大」 
 

築地のすし屋は五系統。行列の絶えない場内六号棟組と、やや値段は張るが、しっとりとしたすし屋の雰囲気がある一号棟組。場外は激戦区で個人経営店、チェーン店、回転ずしの三系統。
場内六号棟組で長蛇の列を作るは、「大和寿司」と「寿司大」。両者とも安定しており、おまかせ三千五百円はお値打ち感あり。接客も良い。両者とも煮切りをひいて出されるが、後者のほうがやや甘め。前者のほうがやや切り身が大きい。また後者は、トロを二カン頼むと、蛇腹と霜降りをにぎり分けてくれたりする。狙いは、雨の日の八時頃。六号棟で穴場は、「おかめ」。歴史が浅いためか行列はないが、にぎりが小ぶりで形良い。話し上手なご主人との気さくな会話も楽しい。
一号棟組では、「龍寿司」。おきまりは二千円と三千円とあるが、お好みでいただくことをお奨めしたい。姿が良く、切り身と酢飯とのバランスがとれていて、すっと口の中に収まる。マグロは深い赤が艶やかに光る天然本マグロ。予算六千円〜。丼を目指すなら、名物「貝づくしにぎり」三千三百円で有名な、隣の「岩佐寿司」がいい。マグロ、カツオ、イナダ、カレイ、貝類など十一種の種が盛られた「ちらし丼」二千百円、「ウニ丼」千六百円、「イクラ丼」千四百円などを、一気呵成に掻き込みたい。
場外は、レベルが落ちる。あえて挙げるなら、雰囲気はないが、程良い質の種が廉価でいただける「浜茂鮨」、安さでは群を抜く「築地寿司清」。回転ずしでは、多店舗展開の「廻るすしざんまい」が安定している。
周辺では、「 楽鮨」と「さが美」。前者は、カレイやハタなど八種類の白身魚のにぎりを盛り合わせた「白身づくし」三千百五十円がお奨め。後者では、三十種近い豊富な種が楽しめる。いずれも飲んで食べて一万三千円〜。

大和寿司(Daiwazushi)
中央区築地5-2-1 築地市場内6号棟
tel.=03-3547-6807
営業時間=5:30〜13:30
定休日=日曜・祝日・休市日


天ぷら 
香ばしい殻とほの甘い身
「天房」の「芝エビ天丼」 

場内六号棟「天房」で食べるべきは、「芝エビ天丼」千三百円。殻ごと四尾を一緒につまみ揚げした天ぷらが三つ乗ったボリュームのあるもので、香ばしい殻とほの甘い身がいい。
場外にある「黒川」で食べるべきは、野菜の天ぷら。レタス、里芋、オレンジブーケ、蕪、赤ジャガイモ、トマトなど契約農家から届けられる有機野菜年間百二十種を季節に分けて揚げる。夜のおまかせは四千円、五千円、六千円。昼は天丼九百円〜。
周辺では「天麩羅 なかがわ」。茅場町「みかわ」出身の若き職人が夫婦で切り盛りする。みかわ譲りの、素材のうまさを引き出す濃い味わいの天ぷらで、キスや穴子がお奨め。コース四千七百二十五円〜、おまかせ九千円〜。

天房(Tenfusa) 
中央区築地5-2-1 築地市場内6号棟
tel.=03-3547-6766
営業時間=6:30〜14:00
定休日=日曜・祝日・休市日


定食 
魚好きには垂涎の料理がずらりと並ぶ
場内の人気店「あんこう屋 高はし」 

場内で人気は、「あんこう屋 高はし」。その名の通り冬場の鮟鱇鍋二〜三千円をおかずに、掻き込むご飯はたまらない。「小甘鯛の一夜干し定食」千六百円〜や、「キンキやキンメ、ノドグロの煮付け」、刺身四種とアラ汁がついた「刺身定食」千三百円、「茹でシャコ」、「メヌキの頭煮」など、魚好きには垂涎の料理がずらりと並ぶ。全て時価。刺身より煮ものがお奨め。
場外はずれ、路地に食堂と記された暖簾を下げる「多け乃」も、魚のワンダーランド。真鯛、真ゴチ、ヒラマサ、天然シマアジ、カワハギ、メゴチ、サザエ、床節など三十種以上の魚名が張り出されている。料理法も、煮付け、刺身、塩焼き、天ぷらと多彩。「アイナメの煮付け」千三百円〜や「アラ煮」千二百円に、マグロブツを追加して楽しむのはいかが。夜は豊富な魚類を肴に、居酒屋としても利用できる。
「つきじ高野」は、築地の古い料亭。昼に優れた焼き魚定食がいただける。例えばある日のそれは、サバと秋刀魚、ワラサ、アコウ鯛の西京焼きにサーモンの味噌漬け。頼めば目の前で、丸々と太ったサバをおろし、串打ちし焼き始める。身はしっとりと皮はパリッと仕上がった焼き具合で、上品な脂の乗りに顔がほころぶ。塩加減も適妙。ご飯、お新香、アラの小鉢、味噌汁も申し分なし。鮭の味噌焼きも味噌味が鮭のうまみを引き立てている。千三百円。

あんこう屋 高はし(Ankoya-Takahashi)
中央区築地5-2-1 築地市場内8号棟
tel.=03-3541-1189
営業時間=7:00〜13:00
定休日=日曜・祝日・休市日


洋食 
魚介のフライやコロッケ、丼まで
バリエーション豊富なメニュー 

「小田保」。魚介のフライやコロッケなど三十種のメニューが揃った六号棟にある店。名物「シャコフライ」千二百円は、香ばしく揚がった衣とふわりとした甘い身がいい。「メカジキバター焼き」千円も、ご飯が恋しくなる逸品。ご飯がおいしい。
並びの「鮨處八千代」名物は、「大エビフライ」三千円。二十センチはある車エビのフライで甘み十分。その他小柱や穴子のフライなどがお奨め。フライの盛り合わせ「スペシャル定食」千三百五十円はお値打ち。ご飯にカレーを乗っけるとプラス百円。
「豊ちゃん」。一号棟にある人気店。お奨めは甘辛いたれが存分にかかった東京風の「カツ丼」と美しい姿の「オムレツ」。バリエーション豊富で、カツ丼の上だけを別皿に盛った「アタマライス」九百七十円、「オムハヤシライス」、カレーもかけた「両がけ」など組み合わせ自由。秋冬のカキフライを丼にした「カキフライ丼」もお奨め。

小田保(Odayasu)
中央区築地5-2-1 築地市場内6号棟
tel.=03-3541-9819
営業時間=4:00〜13:00
定休日=日曜・祝日・休市日


居酒屋 
見ているだけで酒が飲みたくなってくる
多彩な魚料理が揃う

「魚竹」。築地一丁目のカウンターだけの居酒屋。まずは手書きされた「先週のベスト5」から選ぶのはいかがか。焼きハマグリ、タコアラ塩焼き、穴子白焼きなどが常連。コハダ、自家製ヒゲ鱈昆布〆刺身、小ヤリイカ鉄砲焼き、房州アワビ酒蒸し、自家製スルメイカ肝味噌漬けなど、見ているだけで酒が飲みたくなってくる豊富な魚料理が揃う。予算五千円〜。
「魚惣」。勝鬨橋近く、小料理屋風こぢんまりとした品のいい店構えの居酒屋。風味が凝縮された「鮎の風干し」千円、「ヌタ和え」八百五十円、なめらかな舌触りの「茄子の柔らか煮」七百五十円、脂の乗った「ハモ」、「アサリかき揚げ」千二百円など、質のいい魚介を使った誠実な味わいが酒を進める。締めは「アサリ味噌雑炊」か「サバ小袖ずし」できまり。
「やまだや」。連夜満席の人気居酒屋。人気の秘訣は、多彩な料理と気さくなサービス。ホタテのヒモでだしをとって、貝柱がたっぷりと入った、優しい甘みが広がる「帆立貝のクリームコロッケ」八百四十円、燻したての香りが良い「勝浦の鰹」八百九十二円、へしこのクセがチーズと抜群の相性を見せる「サバのへしことモッツァレラチーズのピザ」八百九十二円、ジャガイモの衣をつけて香ばしく揚げた「イトヨリのハリハリ揚げ」七百八十七円など、魚の本質を知った創作料理がおいしい。日本酒は「神亀」を始めとして数種、黒ぢょかで飲める焼酎も数種揃えられている。飲んでいると「鯛ご飯が炊き上がりましたが、いかがいたしましょうか」と嬉しいセールスも。
場外にある「虎杖」の昼は、名物のクリーミーな「カレーうどん」八百円を食べる人たちで賑わい、夜は飲む客がカウンターを埋める人気店。表店と裏店の二軒あり。まずは茄子・筍煮、きぬかつぎなどの数種揃った野菜のおばんさいから三品選ぶ「三種盛り」七百五十円を。その他人気は、だしが利いた「京風だし巻き玉子」七百円、大トロの血合いの端周辺をあぶった「本マグロのあぶり焼き」九百円。質の良さが光る「穴子天ぷら」千円など。

魚竹(Uotake)
中央区築地1-9-1
tel.=03-3541-0168
営業時間=11:00〜14:00、17:30〜21:00
定休日=土曜・日曜・祝日


その他 
小腸の脂の甘さとたれの味わいが良いホルモン丼
サクサクッと焼き上がったトースト 

場外「きつねや」で、早朝から男たちが精力的に掻き込むのは、「ホルモン丼」七百五十円。小腸とフワ(肺)を甘辛い味噌で煮込み、ご飯にかけたもの。小腸の脂の甘さとたれの味わいが合って、一気呵成。「牛丼」五百八十円もこってりとした味で東京風。
場内六号棟にある喫茶店「愛養」。「トースト」百八十円は、焼きムラなくサクサクッと焼き上がって実にうまい。常連は、半分バター半分ジャム、片耳、三角切りなど自分の好みで頼む。そのバリエーションは六十種とか。酸味のあるコーヒー四百円と共に。

きつねや(Kitsuneya)
中央区築地4-9-12
tel.=03-3545-3902
営業時間=7:00〜13:30
定休日=日曜・祝日・休市日



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