カウンターイタリアン
業態も趣向も様々
自分なりの気に入りの店を探して カウンターを設けるイタリア料理店が増えてきている。業態もバール風、リストランテ風、トラットリア風と様々だ。外食産業と客の成熟化による目新しさや気軽さが、客と料理人との距離の近さが求められて生まれた傾向ではなかろうか。そんな店を 「カウンターイタリアン」として、ご紹介。 |
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リストランティーノ・バルカ
特徴的なのは
十七種類の小皿前菜
旧「アロマフレスカ」跡に二〇〇六年末開店。店内に入ると目前に木の十二席カウンターがすらりと伸び、カウンター内は約二メートルの幅で、背には酒瓶とワイングラスが飾られた、バーのような造り。一段上がったカウンター奥との段差に間接照明が仕掛けられて、料理を柔らかな光で照らす。アレッシィのクロスリングが花を添える。テーブル席はカウンター席の後ろに一卓のみ。
メニューは、前菜、プリモピアット、主菜と分かれるが、前菜だけ、パスタもしくは主菜だけといった自由な頼み方も可。特徴的なのは前菜で、一律九百円、十七種類の小皿前菜。下仁田葱、和牛心臓、穴子、真鱈、三陸産牡蠣、蝦夷鹿、ドンブ産カエル、和牛ミスジ、フォアグラなど素材名が表記され、その下に料理法が記されている。食いしん坊ならすべて頼みたくなってくる。
中でもラードで一時間炒めたという、極限まで甘さが引き出された「霜降り白菜のフォンティーナチーズ風味のスープ」。片面だけ香ばしく焼き上げ、白子のねっとりとした食感を生かした「真鱈の白子片面焼き」。分厚く切った身が嬉しい「牛小腸のトマト煮込み」、鱈とジャガイモをコロッケにしトリュフの微塵を射込んだ、妖艶な「鱈のフリットトリュフ風味」がおすすめ。
プリモピアットは基本すべて千八百円、レモン風味を利かせた「シンプルなスパゲッティ『カレッティエーラ』」千五百円、芋の優しい甘味をチーズの塩気が引き立てる「金時芋とゴルゴンゾーラを詰めたトルッテリ」がおすすめ。
主菜は堂々たる皿。「仔牛の香草カツレツ レア仕立て」三千円、肉汁したたる「武州サシ豚 肩ロースの炭火焼き」三千六百円ほか、六種類。ドルチェでは、味の構成は同じながら、まったく形状を変えて出される「ティラミス」など、センスに富む皿が用意される。サービスも爽やかですがすがしい。
リストランティーノ・バルカ
渋谷区恵比寿2-22-10 広尾リバーサイドGB1F
tel.=03-5449-4798
営業時間=18:00〜翌2:30
定休日=日曜
ブルスタ
充実の料理と一緒に
数多いグラスワインを楽しむ
外苑西通り沿いにひっそりと佇むガラス張りの店。店内に入ると、左手厨房の前に六席のカウンター。手前厨房横に四席の卓、カウンター後ろに二席の卓。切り盛りするは花房恵悟シェフとソムリエ西山綱重さんの二人。定番のメニューのほか、手書きされた食欲そそる旬のメニューが手渡される。
まずは、みずみずしさの中から確かな辛味が刺激する、新鮮な「からし菜のサラダ」で舌をリフレッシュしてはいかがか。三時間煮たという「銚子産秋刀魚のコンフィ」千円のしっとりとした身と、切れのいい脂を楽しむ。プリモピアットではまず、「数量限定でスイマセン、ホントにあっさり、でも、しっかりの自家製ラザニア」千六百円が欠かせない。説明通り軽くて重い。肉のたくましい旨味が舌に乗ってくるが、脂の重みを感じさせず、後口の切れがよい。ベシャメルソース、チーズ、パスタ、トマトソースのバランスが見事で、ついもう一皿頼みたくなる。またある日のメニューからは、「丹波篠山産猪のラグー 手打ちパスタタリアッテレ」千八百五十円が秀逸。栗と猪の香りが調和した豊かな味わい。
メインでは、鹿、骨付き仔羊、イベリコ豚など、その日仕入れた肉の炭火焼きがおすすめ。「岡山産猪」は、野生猪ゆえの赤い鉄分に富んだ肉質で、肉を噛み締める喜びに満ち溢れる。
ワインはトスカーナ中心に、イタリア以外も幅広い。西山さんの説明を聞きながら、数多いグラスワインを頼んでも楽しい。またお値打ちな本日の隠しだまもあるので、相談されるとよい。
ブルスタ
港区西麻布2-11-10 霞町ビル1F
tel.=03-5766-2678
営業時間=19:00〜翌1:00(土曜17:30〜22:00)
定休日=日曜・祝日
ラ・フォルナーチェ
バール感覚で小皿料理を頼み
酒を飲むのが当店のスタイル
八幡通りに面したビルの地下。階段を降りていくと、細長い店内の奥に厨房があり 、その前に四席のカウンター、後ろ壁に向かって四席のカウンター。テーブル席二卓六席。イタリア語ラジオが流れる中切り盛りするは、若き男性二人。朝十時半から夜十一時までの通し営業で、朝はカップチーノ、昼はパニーノとリゾット、夕方はエスプレッソと焼き菓子、夜はバールという、時間帯によって自由な使い方ができる。
パスタはなし。バール感覚で小皿料理を頼み、酒を飲むのが当店のスタイル。まずは一週間塩漬けにしたブレザオラ「自家製牛の生ハムとマッシュルーム」八百円、「ヒコイワシのマリネ」辺りからスタートし、優しい味わいに思わず顔がほころぶ「馬モツ(腸)と豆の煮込み」八百円、バジルソースとモッツァレラ、パルミジャーノを挟んで焼いた「バジルとモッツァレラチーズのクレープ」八百円、店員の実家長野から送ってくる香り高い「ルッコラ」などでワインをあおる。さらには、牛スジと煮てコクを出し、深く穏やかな旨味に頬落ちる「トリッパの煮込み」、ジューシーな「鶉の串焼き」、按配が見事な「ジャガイモとゴルゴンゾーラのコロッケ」、鉄分に富む「蝦夷鹿のローストセージ風味」千三百円とワインが進む肴を頼むと楽しい。料理は、五百円〜千三百円。これぞまさにイタリア風居酒屋。いや”伊酒屋“か。
最後は豚と葱の煮込みをかけた、香ばしい「焼きリゾット」で締める。ワインも手ごろで、グラスワインも五百円〜。グラッパ類も充実している。
ラ・フォルナーチェ
渋谷区代官山町14-24 YM代官山B1F
tel.=03-3463-9106
営業時間=10:30〜23:00
定休日=水曜
ディリット
シックな趣と上品なサービス
豊富に揃えられたワインリスト
幡ヶ谷の商店街を過ぎた、静かな町並みにさりげなく佇む人気店。ガラス張りの清潔感に富む店内は、シックな趣と上品なサービスに支えられている。縦長の店内中央にオープンキッチン。その前に四席のカウンターがある。手前に八席、奥に十席のテーブル席。常連客中心に埋まっていくカウンターは、椅子も極上。さながらシェフズテーブルの趣がある。
コースは五千円と八千円。前菜千四百円、プリモピアット千八百円、セコンド三千円。
ある日の八千円のコースは、塩が精妙で、脂の乗った身を生かす「寒鰤のカルパッチョ」、半生に火入れした蟹の甘味、とろりと舌に乗る葱の甘味、グレープフルーツの甘味が出会った「タラバカニと下仁田葱のサラダ」、オレンジピールのアクセントが利いた「シチリア産 カラスミのスパゲッティ」、もちっとしたすいとんのような小麦粉のパスタによる「ラガーネ 猪とゴボウの赤ワインソース」。火の通しがぴたりと決まって、甘味がこぼれ出る、添えた百合根が心憎い「長崎産 ヒゲ鱈のムニエル」、口直しの「ブラッドオレンジのシャーベット」を挟んで、「黒毛和牛の炭火焼き」と続く。
ドルチェの中では、リンゴのピュレを忍ばせた「クリームブリュレ」が面白い。豊富に揃えられたワインリストは、味わい別にリストされていて選びやすい。サービスもスマート。
ディリット
渋谷区幡ケ谷3-55-2
tel.=03-5350-6588
営業時間=18:00〜23:00
定休日=水曜・第1火曜
デル・チャルロ
料理はいずれも量が多く食べ応えあり
ワインも廉価
恵比寿駅のそば、半地下の店を、石本久人さん一人で切り盛りする。カウンターは厨房を囲むように鍵の字型で七席。後ろに四席のテーブル卓。客も気軽に、フルコースを頼む人、ピザやパスタだけで終える人、前菜を何皿も頼む人、主菜を食べたあとに前菜を頼む人と様々。気まま気楽に使い分けている。
料理はいずれも量が多く食べ応えあり。ケイパーとトマトソースの酸味を利かせ、ニンニクの香りを加えた「白子のムニエル」千五百円。ポテトピュレをたっぷり添えた、太い「自家製ソーセージ」のサルシッチャ。三者のバランスが良い「タコとオリーブとカラスミのスパゲッティ」。肉の味が押し寄せる「茄子とミートソースの自家製タリアッテレ」。肉汁たっぷり焼き上げられた「沖縄ロイヤルポークグリル」二千六百円などがおすすめ。
ワインも廉価。
デル・チャルロ
世田谷区深沢5-5-21
tel.=03-5758-3393
営業時間=10:00〜19:00
定休日=水曜
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