味の見聞録
冷やしラーメン
冷たいスープと麺が絡み合う
喉越しスッキリな夏メニュー

山形が発祥の地とされる冷やしラーメン。群雄割拠の東京ラーメン界の、
創意工夫に満ちた様々な冷やしラーメンをご紹介。

元祖一条流がんこ八代目
飲むたびに微笑みがこぼれる
深く優しく、キレがいいうまみのスープ 
 

他のがんこ系同様、黒壁に黒扉、チェーンで軒先に下げられる牛骨が、開店の合図。「冷やし塩」八百円は、透明なスープに細い縮れ麺、具は手前左右に小梅が二個、中央に金胡麻がふられた五枚の鶏チャーシューが扇形に飾られ、右横に紫蘇の千切り、左にメンマ、奥に海苔が二枚。スープは、上質な冷麺のスープのように、ダシのうまみが深く優しく、キレがいい。やや強めの塩分が牛骨他の滋養の甘みを引き出して、飲むたびに微笑みがこぼれる。そんなスープを絡めながら、細く縮れた麺が勢いよく口に飛び込んで、爽快。紫蘇の香りも加わり清涼感増す。穏やかなうまみの鶏胸肉、メンマも上出来。海苔、小梅などでアクセントをつけながら食べ進むのも楽しい。

元祖一条流がんこ八代目 
千代田区外神田3-7-8
tel.=03-3253-1766
営業時間=11:30〜19:00
定休日=日曜、月曜、祝日


らーめん 神田 山形家
夏季限定の「冷やしラーメン」
脂分を感じさせないあっさりとした後口 

ガード下の人気店。豚骨、鶏ガラなどを長時間煮出し、鰹ダシと合わせた醤油ラーメンや味噌ラーメンがいただける。夏季限定の「冷やしラーメン」は九百円。茶色いスープに細麺、具はメンマ、白髪ネギ、大根おろし、粗削りの鰹節、煮卵、豚そぼろに海苔。スープの表面には脂がうっすらと浮くが、脂分を感じさせないあっさりとした後口。強いうまみに和風ダシの香りが漂うおいしいスープに、コシの強い細麺を絡めながら、つるりとすする。大根おろしの爽やかさを混ぜ、煮卵の甘みを突き崩し、削り節や海苔ネギの香りと合わせ、豚そぼろの濃い味を絡めてなど、様々な食べ方でいくつもの変化をつけられるのも魅力。また添えられる酢を随時足して食べるのもお奨め。

らーめん 神田 山形家 
千代田区神田須田町2-12
tel.=03-3252-8088
営業時間=11:30〜21:00(土 〜15:00)
定休日=日曜、祝日


らーめん天神下 大喜
夏しか食べられない
昼夜限定十五食の「冷やし鶏そば」 

行列の絶えない店。上質なスープにつけて食べる、細麺の「つけそば」、太麺の「もりそば」が人気。夏季のみ昼夜限定十五食の「冷やし鶏そば」九百円は、涼しげなガラスの器に透明なスープが張られ、手前に煮卵、中央にすり胡麻がふられた白髪ネギとキュウリの千切りを和えたもの、その下に鶏肉、鶏ひき肉、周囲にオクラ、なめこ、水菜、少量の唐辛子が散らされ、器の縁にレモンが添えられる。スープを飲めば、塩が舌に当たらず、淡いうまみにコラーゲンの甘みと脂のコクが加わった、切れのいい味わいが広がる。そのスープに「ぴろぴろ麺」と称される、平打ち縮れ太麺が絡む。麺の口当たりよく、つぅーっと伸びるコシは痛快。オクラやなめこの粘りがスープと麺と絡んでさらにうまく、ネギやキュウリ、胡麻の香りと渾然一体となって涼しい風を口の中に呼び込む。鶏ひき肉、鶏肉の量もほどよい。なによりもスープの調整が見事。飲み進むとやや脂分が残るが、そこでレモンを搾り緩和させて食べれば、一層うまし。

らーめん天神下 大喜
文京区湯島3-47-2 白木ビル1F
tel.=03-3834-0348
営業時間=11:30〜15:00、17:30〜22:00
※祝日は昼のみ営業
定休日=日曜


プルーカフェ
よく計算された
完成度の高い冷やしラーメン 

昭和通りに面し、白壁に赤い扉、観葉植物が飾られ、フローリングの床に木の椅子とテーブル、BGMにジャズが流れる洒落たカフェ。店頭には、「山形冷やしらーめん 八七屋」の看板が。なんでも前身は浦安の方面の屋台だとか。白い丼に入れられた「山形水ラーメン」七百九十円は、濃い茶色のスープに平打ち麺、チャーシューにメンマ、煮卵、三つ葉。醤油味が色濃く出たスープだが、しょっぱさは感じさせず、おそらく魚介系中心に組み立てたまろやかなうまみに心馴染む。そこに中細の縮れ平打ち麺がシコシコと絡みなんとも楽しい。脂分のコクはあるが肉系ではなく後味も爽やか。ダシを凍らせた大きな氷塊が、ごろりと入れられており、それを溶かしつつ食べ進むとさらに冷たくもあり、さらに煮干や鰹節の香りも出て、変化も楽しめる。よく計算された、完成度の高い冷やしラーメン。

プルーカフェ
中央区銀座1-14-9
tel.=03-3535-0516
営業時間=月〜木・土 11:30〜23:30
(金 〜翌1:00、日・祝 〜20:00)
年中無休



熱々の餡をかけた
水戸名物「スタミナ冷やし」 

商店街に面したカウンターだけの小体な店。水戸名物「スタミナ冷やし」七百円を出す。茹でて水でしめた麺の上に、熱々の餡をかけた料理。餡は下味をつけ油通しした豚レバーとキャベツ、人参、カボチャを炒め合わせ、醤油で味付けてある。唐辛子の辛味と野菜の甘みがバランスよく混ざった味の濃い餡に、つるりと唇に滑り込み、モチモチと弾む中太麺と相性よく、クセになる味わい。


世田谷区経堂1-17-12
tel.=03-5477-3702
営業時間=11:30〜15:00、18:00〜23:00
定休日=水曜、第1木曜


二代目 海老そば けいすけ
限定二十食、独創に飛んだ逸品
「冷やし海老そばneo」 

海老を香ばしく炙った海老ダシによるラーメンが人気。夏季限定二十食の「冷やし海老そばneo」九百円は、独創に飛んだ逸品。ガラスボウルに足をつけ斜めにカットした器に入れられしは、濃い海老ソースで和えられた極細麺。小口のネギと細かく切ったベーコンも混ぜられている。具はズッキーニ、ヤングコーン、ナス、オクラ、オレンジの皮、茗荷、シブレット(アサツキに似たネギの仲間)。カッペリーニのような細麺が海老の香りをまとってシコシコと弾み、これだけでも十二分においしいが、さらに仕掛けがある。添えられる透明なスープはトマト。自重だけで漉したと思われるスープは、純なトマトのエキスに溢れ、かけて混ぜれば優しい酸味と甘みを加える。さらに隣の小さなレンゲに盛られるのは、生成り色したムース。混ぜれば海老の風味強まり、辛味のアクセントが加わる。最後にレモンを搾れば涼を呼び、爽やかな後口で締めくくる。実に手が込んでいるが、精妙な計算が利いていて、決して過剰にならず、素直においしさを楽しめる傑作。

二代目 海老そば けいすけ
新宿区高田馬場2-14-3
tel.=03-3207-9997
営業時間=11:00〜翌1時(日・祝 〜23:00)
年中無休


めじろ
鰹ダシの利いた冷たいスープと
歯応えの良い中細麺が合う「冷やしつけ麺」 

醤油ラーメン、塩、味噌坦々、煮干ラーメン、昔の醤油ラーメンなど豊富な品数で、各々完成度の高いラーメンがいただける。「冷やしつけ麺」は、茹でて水でしめた麺に黒胡麻、海苔、メンマ、チャーシュー盛り合わせ、焦がしネギを浮かべた濃い茶色の冷たいスープを添える。鰹ダシの利いた冷たいスープとしっこりとした歯応えを感じさせる中細麺との相性がよく、瞬く間に食べ終えてしまうは必至。

めじろ
渋谷区代々木1-58-7-1F
tel.=03-3299-8050
営業時間=11:30〜15:00
定休日=土曜、日曜、祝日


すずらん
夏季限定「夏羽衣凉麺」
最後はご飯と一緒に冷や汁風に 

夏季限定「夏羽衣凉麺〜夏野菜の味噌羽衣冷やし麺〜」千二百円は、薄い茶色のスープにラー油が浮かぶ味噌味の冷やし麺。味噌の甘みと辛味のバランスよく、そこに当メニュー専用に打たれた薄めの幅広麺が絡み、一気呵成に食べてしまう。具は、揚げたあと甘辛く炒められたピーマンとナス、オクラ、なめこ、山芋、納豆、白髪ネギ。ご飯付きゆえ、最後に冷や汁風に食べてもまたうまし。

すずらん
渋谷区渋谷3-7-5 大石ビル1F
tel.=03-3499-0434
営業時間=11:30〜15:30、17:30〜23:00
定休日=日曜、祝日


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