味の見聞録
東京の手土産 クッキー編
ついつい手がのびてしまう
素朴ながら飽きのこない焼き菓子

手土産の定番、クッキー。都内で入手できるおいしく、個性豊かなクッキーと焼き菓子の数々を、優れたパッケージと共にご紹介。

イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ
人々を魅了するスイーツたち
お奨めは「塩味のクッキー」 
 

人々を魅了するケーキ同様、クッキー焼き菓子はいずれも優れているが、お奨めは「塩味のクッキー」缶入り二千百円、ケース入り八百四十円。正方形のクッキーに、サクッと歯を立てるや、エダムチーズの風味、アーモンド、松の実の香りが広がる。香りの重層が魅力的で、さらにほのかな甘みを引き締めるゲランドの塩分が後味となって、顔を崩す。
その他、濃厚なコクのある甘みが広がる「西洋かりんと」、苦味とナッツ香、濃密な甘みのバランスがいい「アンガティーネ」、さっくりと軽く、ラム酒とバターの香りが交錯する「ガレットブルトンヌ」、杏の味が口一杯に広がる「アンズのパウンドケーキ」、柚子やキャラメル、ココナッツなど五種の「ダックワーズ」もお奨め。
薄いブルーの包装紙にコバルトブルーのリボンがかけられ、紺に銀文字を記した店名シールが貼られる。

イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ 
渋谷区猿楽町17-16 代官山フォーラム2F
tel.=03-3476-5211
営業時間=11:30〜19:30
定休日=火曜(祝日の場合翌水曜)


ディーン & デルーカ
塩分と甘み、バターの風味が
高い地点で見事に調和 

缶の可愛さで群を抜く。黄色地に鮮やかなコバルトブルーの羽根を広げた鳥や白い鳥、赤い花などが描かれた、素朴な味わいの絵が胸を突く。
塩の産地、良質な乳製品の産地として名高いブルターニュ地方の伝統菓子。丸型に花びらのような縁取りが刻まれ、薄茶に茶の縞模様が途切れ途切れで入った姿も、質朴でキュート。
カリッと軽快な音を立てた後、サクサクと口の中で崩れゆけば、バターの濃厚なコクが滲み出て、思わずにやり。塩分と甘み、バターの風味が高い地点で、見事に調和している。ゆえに後を引き、何枚も食べてしまう。
「ガレットバタービスケット」は、円筒形のオワゾー缶百五十グラム入り千三百八十六円、四角いアンリオ缶三百二十グラム入り千八百四十八円。
都内では、六本木店(東京ミッドタウン ガレリア地下一階)の他、品川店(アトレ品川二階)で入手可能。

ディーン & デルーカ 
港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリアB1F
tel.=03-5413-3580
営業時間=11:00〜21:00
年中無休


資生堂パーラー 銀座ショップ
七十年間変わらない製法
名物「花椿ビスケット」

紙袋は、お馴染み光沢のある薄藍に金文字。同配色の包装紙に、黒地に金の文字とストライプが施されたリボンがかけられる。
昭和七年から変わらない製法で作られる、名物「花椿ビスケット」は、「白缶」「金缶」「黒缶」の三種類。白、金、黒の花椿が描かれた変則八角形の缶に入れられる。
「白缶」は焦げ茶の間仕切りで、中央に一つ、周囲に七つのクッキーが三枚ずつ入れられて、二十四枚入り千三百六十五円、「金缶」はこれが二段重ねられた四十八枚入りで二千百円。
「黒缶」は四十枚入りで四千二百円。値段の違いは、素材の違い。手焼きで作られる「黒缶」のクッキーは色合いからして深さが違い、バターの豊かな風味が口一杯に広がる幸せの味わい。サクサクときめ細かく、噛み締めていると、玉子の優しい甘みが滲み出る。

資生堂パーラー 銀座ショップ
中央区銀座8-8-5
tel.=03-3572-2147
営業時間=11:30〜19:30(日・祝 〜19:00)
年中無休


ピエール・エルメ・パリ 青山
スイーツ界のピカソ、エルメ氏ならではの
エスプリが利いた傑作 

紙袋は、白地に小さい切り抜きがデザインされた、可愛らしくモダンなデザイン。
四種のサブレがお奨め。フルール・ド・セル入りチョコレートサブレ、「サブレ・ショコラ」千百五十五円は、質の高いチョコレートならではの濃厚な香りとコク、苦味が舌に迫り、喉モトに落ちた後の舌に微かに残る塩気が、なんとも心地よい。ブラックオリーブとエクストラバージンオイル入り「サブレ・オリーブ」千三百六十五円は、甘みの中から緩やかな酸味が広がり、その後にオリーブオイルの香りがほんのりと鼻をくすぐる。エキゾチックな体験。ヴァニラ入り「サブレ・バニーユ」千五十円は、サクサクと崩れゆく中で、ヴァニラの甘い誘惑的な香りが広がる。「サブレ・パルメザン」千百五十五円は、パルミジャーノのうまみを伴った塩気が口の中に散らばり、そこにナツメグやアーモンドの香りが加わって複雑な、忘れがたい印象を残す。いずれもエルメ氏ならではのエスプリが利いた傑作。

ピエール・エルメ・パリ 青山
渋谷区神宮前5-51-8 ラ・ポルト青山1・2F
tel.=03-5485-7766
営業時間=11:00〜21:00(バー・ショコラL.O. 20:30)
※日・祝〜20:00(バー・ショコラ L.O. 19:30)
不定休


パティスリー・ポタジェ
クッキーにパウンドケーキ
野菜果物類を使った様々な味わい 

野菜スイーツの専門店。野菜果物類をクッキーやパウンドケーキに仕立てた、様々な味わいを楽しめる。
トウモロコシ、カボチャ、シナモンにそば茶のチュイールを詰め合わせた「ベジクッキーセット」二千六百二十五円の他、ほのかにトマト風味が広がる「ガレットトマト」、サツマイモのほっくりとした甘みがじわりと舌に乗る「ガレットサツマイモ」、味噌の塩分がトウモロコシの甘みをそっと押し上げる「味噌バターコーンパウンドケーキ」、焦げの香ばしさとイチジクの甘酸っぱさの調和に、プチプチとしたパフにしたキヌアがアクセントする「麦焦がしとキヌアのパウンドケーキ」など、それぞれによく考えられた焼き菓子の詰め合わせ千五百七十五円〜五千二百五十円がお奨め。
白地に、薄緑と緑が配された可愛らしい紙袋、緑に白い水玉が配された包み紙、白地と濃緑のコントラストが利いた箱、いずれもセンスがよい。

パティスリー・ポタジェ
目黒区上目黒2-44-9
tel.=03-6279-7753
営業時間=10:00〜20:00
年中無休


こぬれ・広尾
女性スタッフによって作り出される
家庭的な温もりのある菓子 

明治通り沿いにある小体な洋菓子屋。
軽い甘さにココナッツを利かせた「コキエ」、歯を入れた瞬間、ぽろぽろと崩れるもろさにシナモン、アーモンドを利かせた「ポロポロン」、塩気を伴って、ほろほろと砕ける中より、ねっとりとしたクランベリーが対比的に現れる「ガレット」、三温糖のコクとヴァニラの香りが印象的な「グラーノ」など、魅力的な焼き菓子の詰め合わせ。
白地に青文字で店名を記した紙袋、紺無地に白と青文字のリボンがかけられた包装紙など、清々しさが漂う。

こぬれ・広尾
渋谷区広尾1-10-6 広尾ピア寿々101
tel.=03-5475-6828
営業時間=10:30〜20:30
定休日=月曜


御茶ノ水 小川軒
何度食べても飽くことがない
東京を代表する銘菓「レイズンウィッチ」 

「レイズンウィッチ」は、もうご紹介の必要もないほどの、東京を代表する銘菓。
アーモンドスライスをのせた、バターの風味豊かなサブレクッキーに、洋酒に漬け込んだカリフォルニア産のプレミアムレーズンと特製クリームが挟まれた菓子である。艶やかな茶色をしたサブレクッキーは、しっとりとしていながらギリギリのもろさで崩れゆく食感が魅力的で、そこに洋酒の香り高き干し葡萄とコクのあるクリームという豊かさが調和する瞬間は、何物にもかえがたし。儚さと妖艶の妙あり。シンプルな菓子ながら、クッキーとクリームのバランスが精妙で、何度食べても飽くことがない。
約七センチ×五センチの長方形、高さ約一・五センチの「レイズンウィッチ」は、一箱(十個入り)千五十円。人気商品のため、予約をおすすめ。

御茶ノ水 小川軒
文京区湯島1-9-3
tel.=03-5802-5420
営業時間=11:00〜17:00(1F)
定休日=日曜・祝日


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