味の見聞録
ナポリタン
なぜか時々食べたくなる
元祖スパゲッティ

パスタではなく、スパゲッティで育った世代にとっては、欠かせぬ懐かしさ、うれしくもちょっと恥ずかしい料理。喫茶店の王道から、洋食店の高級まで、様々なナポリタンをご紹介。

レストラン香味屋
老舗洋食屋の丁寧な仕事が光る
品が漂う優しい味 
 

金縁の白い深皿に入れて出される「ナポリタン」は、千七百三十円。上にパセリとチーズをかけた金赤色に染まった中細麺に、ソースがほど良き量で満遍なく絡んでいる。食べれば、ケチャップの甘みが広がるが、決してくどくなく優しい味わい。品が漂う味は、食べてしばらくすると、また無性に食べたくなってくる。中にも粉チーズが混ぜられていて、コクを生んでいる。たっぷり入った厚切りのマッシュルーム、極細に切られたピーマン、薄切りの玉ねぎ、プリッと弾ける質の高い海老といった具もすべて素晴らしい。老舗洋食屋の丁寧な仕事が光るナポリタンである。

レストラン香味屋 
台東区根岸3-18-18
tel.=03-3873-2116
営業時間=11:30〜21:30
年中無休


ジャポネ
甘みと酸味
ケチャップのよさが素直に出た味わい 

十五席のカウンターに連日多くのお客さんが押し寄せる人気のスパゲッティ屋。昼時は長蛇の列。
「ナポリタン」はレギュラーで五百円。入念に炒め上げたケチャップ色の太麺が堂々たる量で楕円の皿に盛り付けられる。高地産の甘いトマトで作った特製ケチャップを使用。甘みと酸味といったケチャップのよさが素直に出た味わい。所々焦げ気味になったスパゲッティも「ザ・ナポリタン」! 具は小さな海老に椎茸、シャキッと炒めた玉ねぎに小松菜。小松菜の青い香りがアクセントになっている。

ジャポネ 
中央区銀座西1-2(高速道路下) 銀座インズ3-1F
tel.=03-3567-4749
営業時間=10:30〜19:30
※土〜15:00
定休日=日曜・祝日


ザ・カフェ
ナポリタン生誕の地
ほんのり甘く穏やかな味

ナポリタン生誕の地。戦後まもなくホテルの総料理長が発案し、命名したという。レシピをまったく変えていないナポリタンは、ホテルニューグランド本館一階「ザ・カフェ」でいただける。
金赤に染まった柔らかい中細麺を口に運べば、トマトの香りと酸味が広がる。穏やかな味わいで甘みはほんのり。切れ口がいいあっさりとした味わい。具は玉ねぎ、マッシュルームにハム。千三百円。

ザ・カフェ
横浜市中区山下町10 ホテルニューグランド本館1F
tel.=045-681-1841
営業時間=10:00〜22:00(L.O .21:30)
年中無休
URL http://www.hotel-newgrand.co.jp


画廊喫茶ミロ
昭和二十九年創業
三島由紀夫も通った画廊喫茶店 

御茶ノ水駅前、見落としてしまいそうな細い路地にある。建物は昭和二十九年創業時からのもので、三島由紀夫も通ったという画廊喫茶店。店内は室内楽が流れ、時を忘れ、居場所を忘れ、世間を忘れる。
「ナポリタン」は飲み物とセットで千百円。白い丸皿の手前にナポリタン、左奥にレタスと自家製ポテトサラダにトマト、右奥にリンゴ、オレンジ、キウイ。たっぷりとケチャップが絡んだ柔らかい中太麺にチーズの細切りがかけられている。具は厚切りのハム、ピーマンと玉ねぎの細切り。王道の喫茶店ナポリタン。

画廊喫茶ミロ
千代田区神田駿河台2-4-6
tel.=03-3291-3088・9
営業時間=8:00〜17:00
定休日=日曜・祝日


イノダコーヒ
銀器に映えて美しい朱色に染まった中太麺
香り、塩気、甘み申し分なしの上質な味 

ご存知京都の有名店。「イタリアン」九百四十五円は、蓋つきの銀器の深皿に入れられて運ばれ、目の前でウエイターが蓋を取る。湯気上げる朱色に染まった中太麺が、銀器に映えて美しい。
食べればなんとも丸い味わいで、ほんのりとした甘みと酸味がうまさの中に生かされている。具で特筆すべきはピーマンと同幅に切られたハム。香り、塩気、甘み申し分なしの上質な味わい。玉ねぎとピーマン、マッシュルームの炒め方も精妙。一点の曇りもなきナポリタン。

イノダコーヒ
千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店8F
tel.=03-3211-0033
営業時間=10:00〜20:00
年中無休


モノポール
パルミジャーノをたっぷりかけて
赤ワインと共に 

食いしん坊心くすぐる、旬の食材を使った小粋な料理が楽しめるワインバー。「ナポリタン」は千五十円。ケチャップの味わいはするが、とがっておらず、味わいが実にまろやか。アルデンテのパスタ(スパゲッティーニ)に滑らかに絡んで、とてもおいしい。具は、大きめに切られたベーコン、玉ねぎ、マッシュルーム、ピーマン。火の通しも的確。パルミジャーノが振られ、添えられるので、たっぷりかけて、赤ワインと共にどうぞ。

モノポール
目黒区中目黒1-5-8
tel.=03-5768-1139
営業時間=18:30〜翌2:00(L.O .翌1:00)
※土〜翌1:00(L.O .24:00)
定休日=日曜・祝日


ロータス
頂上の糸唐辛子の下に
なんとトリュフが! 

人気のカフェ。「ナポリタン」は八百五十円。白皿に真っ赤なソースに絡んだパスタが盛られ、頂上には糸唐辛子がふわりと着地している。その唐辛子の下にはなんとトリュフが! たっぷりと絡んだソースは、甘みを強めたトマトソースで、濃厚な味わいが強い印象を残す。具は、マッシュルーム、四角に切った玉ねぎ、ベーコン。パルミジャーノが振られ、添えられる。

ロータス
渋谷区神宮前4-6-8 
tel.=03-5772-6077
営業時間=11:00〜翌3:00
※金・土〜翌4:00
年中無休


純喫茶ロザリオ
懐かしく心に染みる
アルマイト皿に盛られたナポリタン 

ご婦人が一人で営まれる、昔ながらの喫茶店の「ナポリタン」は、六百円。昔風に楕円のアルマイト皿に盛られたナポリタンは、ケチャップ色が一段と輝く。ピーマン、玉ねぎ、マッシュルーム、ハムと具も定番。ケチャップの量が多めながらくどくはなく、柔らか中太麺に優しく絡む。普通のうまさが懐かしく心に染みる。

純喫茶ロザリオ
千代田区神田神保町1-13
tel.=03-3293-9840
営業時間=9:00〜18:00
定休日=土曜・日曜・祝日


グリルグランド
ぐいぐいと食欲を牽引する
ケチャップとデミグラスの深いコク 

名洋食店のナポリタンは薄茶色。ケチャップとデミグラスを合わせたソースが、アルデンテの中細麺に絡む。まろやかでいて、味の逞しさもあり、ぐいぐいと食欲を牽引する。ケチャップの甘酸味とデミグラスの甘み、深いコクがうまく溶け合っている。
玉ねぎ、ピーマンに加え、ふんだんに入れられたハムとソーセージがうれしい。つい酒を飲みたくなるナポリタンでもある。千二百六十円。

グリルグランド
台東区浅草3-24-6
tel.=03-3874-2351
営業時間=11:30〜14:00、17:00〜21:00
定休日=日曜・祝日(土は夜のみ営業)


たいめいけん
まろやかな味わい
「蟹」と「海老」、二種のナポリタン 

「蟹」と「海老」がある「ナポリタン」は千五百五十円。白皿に金赤のスパゲッティがきれいに盛られて運ばれる。頂上には粉チーズとパセリの微塵切り。ケチャップの甘さと酸味を生かしつつまろやかな味わいに仕上げたソースが、上質な海老、蟹と合う。お奨めは蟹で、身をほぐして食べれば、蟹の甘い香りとソースが混ざり合い、新たなうまみとなって笑みを呼ぶ。麺は中細で柔らかめ。具は他にシャキッと炒められた玉ねぎとピーマン。ソースは多めだが、濃すぎず、トマトソースとケチャップの割合のよさを感じる。丁寧な仕事が感じられる、洋食屋のナポリタン。

たいめいけん
中央区日本橋1-12-10
tel.=03-3271-2463
営業時間=11:00〜21:00(L.O .20:30)
※日・祝〜20:30(L.O .20:00)
年中無休


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