味の見聞録
カキフライ
カリッと香ばしい衣に包まれた
ジューシーな海のエキス

シーズン終了まであと約一カ月の命でもあるカキフライ。同時に産卵期を控え、エキス分が濃くなり、最もおいしい最盛期でもある。上質なカキフライがいただける店をご紹介。

レストラン大宮
瑞々しく、乳のようなカキの独特な甘みが
口の中を埋め尽くす
 

 浅草の名洋食屋のカキフライは姿からして異なる。サラダの上に、七個のカキフライが積み上げられ、頂上にはニンジンの細切りサラダとパセリがあしらわれ、全体にオーロラソースがかけられる。カキフライ一個は長さ約八・五センチ。ディープフライではなく、きめ細やかな衣を付け、少ない油で揚げ焼きされ、片面は淡い狐色、上側になる面は濃い狐色に仕上げられている。
 食べれば驚愕。油っ気を感じさせない香ばしい衣に、カリカリッと歯があたり、カキに食い込むや否や、海のジュースが口腔いっぱいに広がって、陶然となる。中はほとんど生で、ほんのり温まる程度に火が通されたカキは瑞々しく、乳のような独特な甘みで口の中を埋め尽くす。ご飯かパン付で、二千百円。

レストラン大宮 
台東区浅草2-1-3
tel.=03-3844-0038
営業時間=11:30〜14:00、17:30〜20:30(日・祝 11:30〜14:30、17:00〜20:00)
定休日=月曜・火曜
 


煉瓦亭
カキのなまめかしい肢体の食感と
衣の食感の対比にうっとり

 老舗洋食屋名物の一つ。松島産のカキをサラダ油とラードでカラリと揚げる。丸々と太った長さ約七センチのカキフライが六個積まれて出される姿に思わず顔が崩れる。そして食べて膝を打つ。
 狐色中粗の衣に歯を立てれば、サクサクッと音を立てた瞬間、中からカキの上品なエキスが溢れ出す。カキは生の持ち味を残した見事な火の通しで、生ガキの爽やかさや色気も宿り、なまめかしい肢体の食感と衣の食感の対比にうっとりとなる、カキフライの真骨頂が堪能できる。フォークとナイフが添えられるが、是非箸をもらい、かぶりつくべし。中のジュースを余すことなく楽しめる。まずはそのまま、次に塩、タルタル、ウースターソースの順で食べられることをお勧めする。ギネスの生との相性もよし。

煉瓦亭
中央区銀座3-5-16
tel.=03-3561-3882・7258
営業時間=11:15〜15:00、16:40〜21:00(土・祝 〜20:45)
定休日=日曜


関西割烹 おがわ
竹串に刺して揚げられる
割烹ならではの心遣いが光るフライ

 関西割烹「出井」の流れを汲む。先代「ゆたか」主人引退後、現店主小川啓二氏が譲り受け、改名。うまみの流失を最小限に止めようと、三〜五個のカキを竹串に刺してから衣を付けて揚げる割烹ならではの心遣いが光るカキフライ。狐色にカラッと揚げられ、噛りつけば、きめ細やかな衣を突き破って海の風味が一気に飛び出し、破顔一笑。揚げ切りも見事。一人前二串で二千九百四十円(一串でも可)。昼はご飯、味噌汁、新香付で二千八百円。

関西割烹 おがわ
千代田区麹町3-2 相互麹町第一ビルB1F
tel.=03-3261-6180
営業時間=12:00〜13:30(L.O.)、17:00〜21:30(L.O.)
定休日=土曜・日曜・祝日


Ostrea
一日四十食限定
質、揚げ具合共にお値打ちなカキフライ

 オイスターバー&レストラン。全国、世界各地のカキを揃える。カキフライはランチメニューで、サラダ、スープ、パンかライス、ドリンク付で千円。一日四十食限定のフライは、ほどよい甘みとミルキーな風味が特徴の北海道仙鳳趾産のカキを使う。貝殻に入れられた四個のカキフライは長さ約八センチ強と雄大。ナイフで切ろうとしただけで切り口から汁が溢れ出すほどジューシー。少ない油で揚げられたのであろうか、小粗の衣はカリカリと揚げ切りよく、中心がレアに火が通され、噛んだ瞬間にミルキーな滋味が口いっぱいに広がる。タルタルソース、特製ソース、岩塩が添えられるが、一口は是非、岩塩を少しかけ、切り口にレモンを絞って食べられたい。質、揚げ具合共に大変お値打ちなカキフライ。

Ostrea 銀座8丁目店
中央区銀座8-9-15 JEWELBOXGINZA8F
tel.=03-3573-0711
営業時間=11:30〜14:00(L.O.)、17:00〜翌3:00(L.O.)(土・日・祝 〜22:00 L.O.)
年中無休


ゆたか
サクッカリリと砕ける軽やかで香ばしい衣と
精妙に火が通されたカキのうまみが爆発

 路地に佇む、風情漂うとんかつ屋。キャベツの千切り、自家製マヨネーズを添えて出される五個のカキフライは、長さ約九センチという立派なお姿。中粗の衣で淡い狐色に揚げられて、まずなにより衣がうまい。サクッカリリと砕けていく衣は中粗なのに舌や歯に当たらず、軽やかで香ばしい。その衣を突き破れば半生、精妙に火が通されたカキのうまみが爆発する。箸でつかみ、はふはふと頬張り、カキフライのおいしさを存分に楽しみたい。ソースをかけりゃ、厚いうまみとなってご飯が進むこと請け合い。
 カキフライ千五百円。ご飯二百五十円、豆腐汁二百円。

ゆたか
台東区浅草1-15-9
tel.=03-3841-7433
営業時間=11:30〜14:30(L.O.)、16:30〜20:30(L.O.)
定休日=木曜


南蛮銀圓亭
注文後に殻を開ける的矢産カキ
リーペリンソースで別趣の味わいを

 マダムの穏やかな接客の中、ゆったりと食事を楽しむことができる高級洋食店。注文を受けてから、三重県的矢産のカキの殻を開け、衣を付けて揚げられるカキフライは、六個二千百円。小粗の衣を付け、端整に積み上げられたフライは長さ約六センチ強。油をまったく感じさせないほど揚げ切りがよく、カリリと軽快な音を立てる衣を突き破れば、中から甘い湯気が上がり、カキのうまみがこぼれ出す。塩気が精妙で、そのままで十二分においしいが、リーペリンソースをかければ、さらにうまみが膨らんで別趣の味わいとなる。添えられたニンジン、ポテト、インゲンも上質。

南蛮銀圓亭
中央区銀座5-4-8 カリオカビル7F
tel.=03-3573-1991
営業時間=11:30〜14:00、17:00〜20:00
定休日=日曜・祝日


安芸路酔心
橙の香りと甘み、柔らかな酸味で
何個でも食べられそうな味わい

 広島郷土料理店。カキフライはカキの殻に入れられて、五個九百四十五円。長さ約五〜六・五センチと小ぶりながら、うまみ濃厚。小粗パン粉でシンプルなものと、ゴマや青のりをまぶして揚げたものの三種類。添えられた橙を絞れば、橙の香りと甘み、柔らかな酸味がカキを生かし、それだけで何個でも食べられそうな味わいとなる。甘みと酸味のバランスのとれたソースも添えられ、こちらにつけて食べれば、とたんにご飯が恋しくなる。

安芸路酔心 東京本店
港区西新橋1-10-1
tel.=03-3501-1451
営業時間=11:30〜22:30(土・祝〜21:30)
定休日=日曜


レストラン・サカキ
大小二つのカキを抱き合わせて揚げたフライは
食べ応えあり、うまみ充分

 夜はフランス料理も供す、人気の洋食店。「三陸産カキフライ定食」は、スープ付で千二百円。たっぷりのタルタルソースの上に鎮座したカキフライは、長さ約六センチ弱の丸々とした形で四個。中粗の衣で茶色にカラリと揚げられている。大小二つのカキを抱き合わせて揚げられたもので、食べ応えあり、うまみ充分。ケッパー、ピクルス、玉子入りのおいしいタルタルを存分に付けて食べるもよし、ソースをかけるもよし。付け合わせはキャベツの千切り、ポテトサラダにトマト。

レストラン・サカキ
中央区京橋2-12-12
tel.=03-3561-9676
営業時間=11:30〜13:30(L.O.)、
18:00〜20:30(L.O.)
定休日=日曜・祝日


大衆割烹 三州屋
ソースをかけずとも
そのままで十二分にご飯訴求力あり

 大衆居酒屋の人気メニュー。昼の定食も充実しており、昼食時は、「カキフライ定食」千百円目当ての客で混雑する。月によって大きさは異なるが、十二月は長さ約七センチ、二月に入るといささか大きくなる日も。ぷっくり太って食べ応えあり。 ラードで揚げられた中粗の衣がなんとも香ばしく、がぶりとかぶりつけば、半生に火が通されたカキの汁がほとばしる。ソースをかけずとも、そのままで十二分にご飯訴求力あり。定食は、ご飯、豆腐なめこ汁、白菜とキュウリの漬物付。

大衆割烹 三州屋 銀座店
中央区銀座2-3-4
tel.=03-3564-2758
営業時間=11:30〜22:30
定休日=日曜


2009年01月 変わりしゃぶしゃぶ
2008年12月 フライの名店
2008年11月 おでん
2008年10月 チーズ系スイーツ
2008年9月 肉割烹
2008年8月 銀座でビール
2008年7月 汁かけご飯・アジア編
2008年6月 汁かけご飯
2008年5月 フレンチトースト
2008年4月 新井薬師
2008年3月 ナポリタン
2008年2月 東京の手土産 クッキー編
2008年1月 タンシチュー
2007年12月 もつ鍋
2007年11月 モンブラン
2007年10月 東京の手土産 マカロン編
2007年9月 冷たいそばとうどん
2007年8月 冷やしラーメン
2007年7月 ドライカレー
2007年6月 カツカレー
2007年5月 バゲット
2007年4月 カウンターフレンチ
2007年3月 カウンターイタリアン(2)
2007年2月 カウンターイタリアン
2007年1月 プリン
2006年12月 パンケーキ
2006年11月 美人女将の和食店
2006年10月 ホテルの和朝食
2006年9月 ホテルの朝食
2006年8月 中国小食堂
2006年7月 築地
2006年6月 ドイツ料理
2006年5月 馬肉料理
2006年4月 焼餃子
2006年3月 水餃子
2006年2月 ビストロ パート2
2006年1月 ビストロ パート1
2005年12月 焼き魚定食
2005年11月 マティーニ
2005年10月 かつ丼
2005年09月 新世代中華
2005年08月 羊肉料理店
2005年07月 野菜がおいしいレストラン2
2005年06月 野菜がおいしいレストラン
2005年05月 和食新形態
2005年04月 ぶた鍋
2005年03月 お米が主役の料理屋さん
2005年02月 味噌ラーメン
2005年01月 鉄火丼
2004年12月 すっぽん
2004年11月 チャーハン
2004年10月 焼きそば

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