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煉瓦亭 素材の味を生かす 塩加減の精妙が光る
創業明治二十八年。この店でいつも思うのは、塩加減の確かさ。小エビフライにしろポークカツにしろ、素材の味を生かす塩加減の精妙が光る。「ぽーくチャップ」千六百五十円もしかり。小麦粉をはたいて、薄茶色に焼き上げた厚切りの豚肉は、断面がうっすらロゼ色の仕上がりで、適度な噛み応えがあり、塩味が豚肉の甘味を引き立てる。ソースはなく、上にパイナップルの輪切りをのせただけという、ヘタに味をつけないで、豚の味わいを素直に出した潔さがいい。付け合わせは、オレンジ色のヌイユとジャガイモ。お相手は、ご飯はもちろん、ハイボールやワインも合う。 煉瓦亭 ぽん多本家 創業明治三十八年。トンカツで有名だが、シチュー、魚介のフライ類など、研ぎ澄まされた上等の洋食料理に出会えることでも知られる。皿からはみ出んばかりの威風堂々たる肉は、厚さ約三・二センチ、脂身をほぼ掃除された形ながら、二百五十グラムという偉大さ。フライパンでじっくり片面を焼かれ、蓋をして弱火で仕上げられた豚肉の断面の中心はロゼ色で、うっすらとブイヨンが滲む。カリッと焼かれた肉の表面に歯を立てれば、きめ細やかな肉質にぐっと歯が食い込み、豊富な肉汁が溢れ出す。瞬間、口中に立つ豚肉の香りに目をつぶるは必至。噛むごとに肉の上品な甘味が甘辛い醤油ソースと絡み合い、ご飯が猛烈に恋しくなる。付け合わせは、レタスサラダ、トマト、きめ細かいジャガイモのロースト。「ポークソテー」は、三千六百五十円。高価だが『キング・オブ・ポークソテー』とも呼びたい堂々たる逸品で、この料理の醍醐味を存分に味わうことができる。 ぽん多本家 小春軒
創業明治四十五年。長年廉価で庶民に愛されてきた名店。「ポークソテーライス」は千三百円。厚さ一センチ強の豚肉が二枚ソテーされ、炒めた玉葱とピーマンの細切り入りデミグラスソースがたっぷりかけられる。ギシッと繊維を断ち切るように歯が入っていく豚肉は、自体のうまみを感じる味わいで、さらりとしたやさしい味のソースが肉を盛り立て、ご飯を呼ぶ。そこへ玉葱の甘味とピーマンの香りが加わり、食欲に拍車をかける。カリッと焼かれた脂身もいい。付け合わせは、キャベツの千切り、レタス、トマト、胡瓜の薄切り、ポテトサラダ、マカロニサラダ。 小春軒 レストラン香味屋
創業大正十四年。艶やかなマッシュルームの薄切り入りデミグラスソースがかけられた姿に、思わず食欲をそそられる「ポークソテー」二千三百円は、丁寧な仕事、古きよき洋食屋の矜持が光る逸品。なによりソースの香りがよく、運ばれてきただけで、唾液が出、顔がほころぶ。厚さ約二センチ強の豚肉を切り、たっぷりソースを絡めて口に運べば、煮詰めたうまみ、甘味、酸味の見事にバランスがとれたソースの風味が広がる中に、滲み出た豚のジュースが混ざり、味わいが深まっていく。脂はしつこくなく、口溶けが軽い。付け合わせはマッシュポテトとマカロニグラタンに茹でブロッコリー、人参のグラッセ。 レストラン香味屋 たいめいけん
創業昭和六年。一階二階で供される。二階の「ポークソテー」は二千四百円。ロースかヒレ、甘辛い醤油味か洋風デミグラスを選択できる。ロースは厚さ約一センチの豚肉が二枚ソテーされる。粉をまぶし、カリッとソテーされた豚肉は、噛めば内包した充分なうまみがこぼれ出る。肉汁がしっとりと甘い。甘辛い和風醤油味のソースは、醤油味も甘味も控えた品のある味わいだが、ご飯が食べたくなるたくましさも備えている。付け合わせは、コールスロー、トマト、ポテトサラダ。一方一階のそれは、ライスつきで千五百八十円。二階より薄切りで、肉質も異なるが、生姜風味の和風ソースが豚を持ち上げ、ご飯を呼ぶ。付け合わせは同じ。 たいめいけん 芳味亭
創業昭和八年。路地に風情ある佇まい。金で縁取った白皿に、赤みがかった茶色のソースに覆われた姿で登場する「ポークソテー」は、千七百円。厚さ二センチ強に厚切りされた豚肉は、中心がうっすらとロゼ色で、噛めばほんのりとした甘味が滲み出る。玉葱とマッシュルームがたっぷりと入ったソースは、甘味が濃いがいやらしくなく、豚肉のうまみに優しく添う。余ったソースにご飯を絡めてもうまし。付け合わせは、カクテルソース風のソースがかけられたレタス、胡瓜細切り、トマト、セロリ、サラダ菜。より味の濃い「ポークチャップ」もおすすめ。 芳味亭 グリルエフ
創業昭和二十五年。ツタの絡まる風情ある佇まい。店内も古きよき時代を残す。「ポークソテー」は千六百円。艶やかな赤みがかったオレンジソースをたっぷりかけられた姿で登場する。粉をつけて、カリッと焼かれた豚肉は火を通しすぎずにしなやかで、肉汁が滲み出る。ソースは、昔の洋食屋によくあるベタベタしたものでなく、甘味がまろやかで、筋の通った甘酸味が心地よい。そのソースをたっぷり絡めて食べれば、猛烈にご飯が恋しくなるが、この店ならではの塩味「ナポリタン」千二百円を頼み、一緒に食べるのもよい。付け合わせは、玉葱・椎茸・人参炒め、炒めインゲン、大根ブイヨン煮。 グリルエフ グリルグランド
創業昭和十六年、三代に渡って続く洋食屋。魚料理やシチュー、特製オムライスが人気。一日五食限定の「プラチナポークステーキ」は二千百円。約一センチ強の厚さに切られた白金豚に醤油、肉汁、味醂によるソースがとろりとかけられる。しなやかな食感の豚肉の甘味とソースの甘辛さの兼ね合いがよく、ご飯が進むことこの上なし。付け合わせは、フライドポテト、人参のグラッセ、菜の花。 グリルグランド ヨシカミ
創業昭和二十六年。人気の洋食屋。厚切り肉の片面に焼き色をつけてから、オーブンで仕上げ、油を捨てて、醤油、酒、味醂などでソースが作られ、たっぷりとかけられる「ポークソテー」は、千四百円。甘辛い味が豚のうまみに絡まって、食欲をさらにあおる。付け合わせは、バターコーン、インゲン、人参のグラッセ。 ヨシカミ浅草店 |
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