味の見聞録
ポークソテー新規店編
豚肉の旨みを生かした
ひと味違う新感覚メニュー

洋食屋、とんかつ店など、前号の老舗店とはまたひと味違ったポークソテーの世界をご紹介。

レストラン大宮
素材の味を生かす
塩加減の精妙が光る
 

 「ポークジンジャー」二千円。粉をまぶしたロース肉を、スキレットにてこまめに返し、鍋を揺すったり、肉下に油を入れるように持ち上げたり、フライパンの縁に肉の縁を当てたりと、細やかな動きで仕上げられる。なによりの魅力は、肉汁を逃すことなく焼き上げた仕事。ロゼ色の切り口を見せる豚肉を口に運べば、しっとりときめ細かい肉質から、驚くほどの豚の甘いジュースがこぼれ出す。食べた瞬間笑い出したくなるほど。また外側のカリッと焼けた脂身の香ばしいこと。豚肉が生き生きと躍動して、こちらの生命力に挑んでくるようなおいしさ。
 艶やかなソースは、生姜の千切り、白ワイン、リンゴ、醤油などを混ぜたもので、自然な甘味、まろやかなおいしさの中に、ご飯が痛烈にほしくなる力強さがある逸品。

レストラン大宮 新丸ビル店 
千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング5F
tel.=03-5222-0038
営業時間=11:00〜15:00、17:30〜22:30(日・祝 〜22:00)
年中無休
 


福長
豚肉の旨みがにんにく醤油に馴染み
ご飯を呼ぶ

 都立大学駅から徒歩七分、夫婦で営まれるとんかつ屋。フライパンにてこまめに動かし焼かれる、岩中豚の「特上ポークソテー」千八百九十円は、一説によれば、この店の常連客の一人であるタモリ氏考案とか。ソテーした厚さ約一センチの肉は、二口大に細長く切り分けられ、上にバターが載せられる。そのまま食べてもよし、バターを塗って食べてもよし、添えられたにんにく醤油をかける、浸けるなどしてもよし。表面はカリッと香ばしく焼かれ、噛みこめば、しっかりと残された肉汁が流れ出す。豚肉の旨みがにんにく醤油に馴染み、ご飯を呼ぶ。付け合わせは、マッシュポテト、人参グラッセ、ブロッコリー、キャベツの千切り。いずれも上等。豚汁、ご飯セットは五百二十円。具沢山の豚汁が旨い。

福長
目黒区柿の木坂2-27-17
tel.=03-3717-3147
営業時間=11:30〜14:00、17:30〜21:00
定休日=火曜


フリッツ
厚さ約七センチ
堂々たる姿は言葉を失うほど圧巻

 ソテーではなく、「ポークステーキ」(特撰豚千八百八十円、鹿児島黒豚二千八百九十円)。その名の通り、まさにステーキ。鉄板皿の上で、ジュージューと音を立て、湯気をのぼらせて登場する肉は、厚さ約七センチという分厚さ。堂々たる姿は、一瞬言葉を失うほど圧巻である。鉄板の熱で火が通り過ぎぬよう、下にはモヤシと玉葱、インゲンの炒めが敷かれている。ナイフで切れば、断面はうっすらロゼ色。噛む喜びを生む肉は、きめ細やかで肉汁が溢れる。ことに黒豚の圧倒感は、豚肉の醍醐味を伝える。ソースは、ペッパーソースとサワーソースの二種類が添えられる。またキャベツの千切りが別皿で供される。

フリッツ
千代田区永田町2-13-10 プルデンシャルタワービル1F
tel.=03-3500-3755
営業時間=11:15〜14:30、17:15〜21:30
定休日=日曜・プルデンシャルタワー休館日


洋食MIYASHITA
しっとりとした豚肉の食感
上品の中に濃さを秘めた和風ソース

 「ポークソテー」は、スープ(新生姜のスープなど)、前菜サラダ(菜の花とトマトのサラダなど)、パンかライス、飲み物が付いたコース仕立てで二千五百円。厚さ約一・五センチほどの周囲をカリッと香ばしく焼き上げられたポークソテーを、切って口に運べば、しっとりとした食感で豚の甘味がじんわりにじみ出る。ソースは、デミグラスと和風ソースの二種から選べ、コク深いデミグラスもいいが、生姜の香りがふわりと立つ和風ソースの、上品の中に濃さを秘めた味も豚を生かしている。付け合わせは、一個を丸ごと茹でた小ジャガイモのサワークリームソースがけと、茹でブロッコリー。

洋食MIYASHITA
渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ本館3F
tel.=03-5785-0707
営業時間=11:00〜23:00(日・祝 〜22:00)
年中無休(表参道ヒルズに準ずる)


すぎ田
なんとも色っぽい
フランベしたウィスキーの香り

 とんかつ屋の名店。「ロースソテー」二千百円、「ヒレソテー」二千四百円。ソテーし、オーブンで焼かれ、火が通されるソテーは、ウィスキー、塩、醤油でフランべして、仕上げられる。二口大に切られた肉は、表面が膨れて肉汁を保っている様子がわかり食欲そそる。切られた後ソースに絡めるようにして炒められた肉が艶々とし、食べるとウィスキーの香りがふんわりと鼻に抜け、なんとも色っぽい。肉の繊維がきめ細やかで、そこに歯が入って繊維を断ち切る食感が、肉を食べているぞという思いを強くさせる。セットにしたい場合は、ご飯(お新香付)三百円、味噌汁二百円、いずれもおいしい。

すぎ田
台東区寿3-8-3
tel.=03-3844-5529
営業時間=11:30〜14:00、17:00〜20:15
(売切れ仕舞いのため、遅くなる方は電話で要確認)
定休日=木曜


洋食キラク
豚肉の甘味とソースの個性が出会い
猛烈にご飯が恋しくなる

 当店の名物「ビーフカツ」千八百円と人気を二分する、「ポークソテー」は千七百五十円(いずれもライス付)。注文をすると、「にんにく入れますか?」と聞かれるので、嫌いでなければ望むこと。
 厚く切った豚肉を、フライパンでソテーし、裏返したら火を落としてふたをする。肉を取り出したら油を捨て、酒を入れて、コゲをとる。そこに、醤油、おろしにんにくを入れて一呼吸して火を止め、バターを入れて、余熱で溶かし、完成だ。
 ギシッと音を立てて食いこむような肉の食感がよく、豚肉の甘味とソースの個性が出会って、猛烈にご飯が恋しくなるは必至。添えられるは千切りキャベツと、これまた名物の、滑らかな旨みが広がるマカロニサラダ。「サラダ大盛りで」と頼むのも通の証。

洋食キラク
中央区日本橋人形町2-6-6
tel.=03-3666-6555
営業時間=11:00〜15:00、17:00〜20:00
定休日=日曜、第2・第3月曜(祝日の場合は営業)


平太
こぼれ出る肉のジュース
一口食べて笑い出すあまりの旨さ

 いかにも下町の洋食屋さんという気さくな雰囲気。ご主人が一人で切り盛りする。ハンバーグ、ビフテキなどが人気だが、もう一つの名物が「厚切りポークソテー」千五百円。
 厚さ四センチ強の厚切り肉がソテーされ、酒と醤油の甘辛いソースが照り輝きながらとろりとかかる。その姿に思わずつばを飲みこむは間違いなし。切り分けられた断面をみれば、ほんのりロゼ色。一口食べて笑い出す。あまりの旨さに同席した人の肩叩く。肉のジュースがこぼれ出て、みるみる口を満たしていく。豚の甘味を生かすソースが良く、ご飯が止まらなくなる。
 お腹を空かせて出かけたい。付け合わせは千切りキャベツにポテトサラダ。最後の残ったソースにキャベツを浸して、ご飯に載せれば、これまた旨し。

平太
江東区大島1-38-8
tel.=03-3683-6924
営業時間=11:30〜14:30(L.O .14:15)、17:30〜21:30(L.O .21:15)
定休日=月曜、第3火曜


洋食入舟
心のこもったサービス
気分が穏やかになるような旨み

 通りにひっそりと佇む洋食屋さん。華やかなりしかつての大森の、古き良き時代を思わせる佇まいで、その証左に店の奥にはお座敷がある。
 出迎えてくれるのは、上品な年配の女将さん。心のこもったサービス、そして料理はいずれを選んでも、丁寧な仕事が光り、打線の切れ目がない。
 岩中豚の「ポークソテー」は千四百十円。カリリと表面を焼き上げられた豚肉に、とろりとデミグラスソースがかかる。肉にナイフを入れれば、ロゼ色の断面が顔を出し、思わず顔が緩む。豚は甘く、ジューシーで、緻密な脂がするりと溶けて、口に残らない。デミグラスソースは品のある味わいで、豚肉を優しく持ち上げる。食べていて、気分が穏やかになるような旨みがある。

洋食入舟
品川区南大井3-18-5
tel.=03-3761-5891
営業時間=11:30〜14:00、17:00〜21:00
定休日=日曜・祝日


2009年05月 ポークソテー老舗編
2009年04月 新東京ラーメン
2009年03月 東京ラーメン
2009年02月 カキフライ
2009年01月 変わりしゃぶしゃぶ
2008年12月 フライの名店
2008年11月 おでん
2008年10月 チーズ系スイーツ
2008年9月 肉割烹
2008年8月 銀座でビール
2008年7月 汁かけご飯・アジア編
2008年6月 汁かけご飯
2008年5月 フレンチトースト
2008年4月 新井薬師
2008年3月 ナポリタン
2008年2月 東京の手土産 クッキー編
2008年1月 タンシチュー
2007年12月 もつ鍋
2007年11月 モンブラン
2007年10月 東京の手土産 マカロン編
2007年9月 冷たいそばとうどん
2007年8月 冷やしラーメン
2007年7月 ドライカレー
2007年6月 カツカレー
2007年5月 バゲット
2007年4月 カウンターフレンチ
2007年3月 カウンターイタリアン(2)
2007年2月 カウンターイタリアン
2007年1月 プリン
2006年12月 パンケーキ
2006年11月 美人女将の和食店
2006年10月 ホテルの和朝食
2006年9月 ホテルの朝食
2006年8月 中国小食堂
2006年7月 築地
2006年6月 ドイツ料理
2006年5月 馬肉料理
2006年4月 焼餃子
2006年3月 水餃子
2006年2月 ビストロ パート2
2006年1月 ビストロ パート1
2005年12月 焼き魚定食
2005年11月 マティーニ
2005年10月 かつ丼
2005年09月 新世代中華
2005年08月 羊肉料理店
2005年07月 野菜がおいしいレストラン2
2005年06月 野菜がおいしいレストラン
2005年05月 和食新形態
2005年04月 ぶた鍋
2005年03月 お米が主役の料理屋さん
2005年02月 味噌ラーメン
2005年01月 鉄火丼
2004年12月 すっぽん
2004年11月 チャーハン
2004年10月 焼きそば

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