夏の和菓子
お茶のお供に、手土産に 暑さが安らぐほの甘さ
盛夏、冷たい和菓子を食べ、涼を呼ぶ。 口の中に冷気と安らぎを招く、夏の日本人ならではの甘い幸せを、ご紹介。
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山田屋
北海道十勝産の吟味された小豆と
石鎚山の湧水から生まれた、名水しるこ「きら」
慶応三年創業。可愛らしい「山田屋まんじゅう」で知られる、愛媛県松山市の「山田屋」が供す、名水しるこ「きら」。
麻紐で縛られた手漉き和紙の包みを解くと、密閉パックに封入された四百ミリリットルの汁粉が現れる(和紙包装千五十円。簡易包装は八百四十円)。器に注いだ、茶がさしたやや薄い墨色の液体は、凛として美しい。飲めば清涼。身体に染み入って、後口にほんのりと豆の香りを残す。甘味が優しく自然で、健やかな気分を呼んで、癒される。北海道十勝産の吟味された小豆を使い、石鎚山の湧水で仕上げた逸品。茶碗ほどの器に入れて飲みたい。
東京では常時販売していないので、電話またはインターネットで取り寄せを。
山田屋
愛媛県松山市堀江町甲528-1
tel.=0120-784-818
営業時間=9:00〜18:00
元日のみ休店 http://www.yamadayamanju.jp
紫野和久傳
蓮粉と和三盆で作られた「西湖」と
笹とオオバコ、林檎の香りをつけた「希水」
「紫野和久傳」のおもたせ、「西湖」と「希水」。
通年入手可能な人気の「西湖」(紙箱十本入り二千六百二十五円ほか)は、蓮根のでんぷん質である蓮粉を用いた餅。二枚の笹の葉に包まれ、ちまき風にまとめられている。笹を解けば、漆黒の「西湖」が輝きを帯びながら、ぷるると震えて顔を出す。黒く細長いゼリー状のそれを、楊枝で千切ろうとすれば、ささやかな抵抗を見せながら切れていく。もっちりとした食感が歯を包み込むが、それもつかの間、歯を三回ほど動かしただけで儚く溶けていく。幻を見たような食感に呆けていると、和三盆の品のいい甘味が口腔を優しく満たしているのを知る。 「希水」は、笹とオオバコを原料に、林檎の香りをつけた菓子。「西湖」同様、ちまき風笹の葉二枚に包まれる。空色の箱に入れられて、五本入り千三百十三円。半透明な細長いゼリー状。冷たくぷるんとした「希水」を舌に乗せて歯を入れると、ねちっとした食感でほのかな笹の香りに混じって、甘酸っぱい林檎の香りが流れる。甘味もほどよく自然。爽やかで儚い、清流を思わせる菓子。六月〜八月末までの限定商品。 東京では、丸の内店(千代田区丸の内三の三の一 新東京ビル一階・電話〇三‐三二四〇‐七〇二〇)ほか、新宿伊勢丹、銀座松屋、玉川高島屋などで入手可能。
紫野和久傳 大徳寺店
京都府京都市北区紫野大徳寺南門東入ル
tel.=075-495-6161
営業時間=10:00〜18:00
定休日=月曜(月曜が祝日の際は火曜休店)
龍昇亭西むら
みずみずしい食感の皮と
穏やかな甘味のこし餡との調和が見事な「水大福」
安政元年創業の老舗。竹籠に入れられた「水大福」は、五個入り九百九十八円〜。蓋を開けると笹の葉に包まれた、丸く艶やかな白い団子が顔を出す。ひんやりとした白玉のようなもち肌が、つるりと唇に当たり、もっちりと歯に食い込むと、中から穏やかな甘味の、冷たいこし餡が現れる。その食感、出会い、味わいに、思わず顔を崩すは必至。冷たさを計算した餡の甘味と口溶けがよく、後を引く。皮は麩饅頭の如き食感でみずみずしく、餡との調和が見事。
龍昇亭西むら
台東区雷門2-18-11
tel.=03-3841-0665
営業時間=9:00〜19:00
定休日=火曜(不定休)
割烹久田
材料と水にこだわり、手作業で仕上げる
これぞ水羊羹と呼びたい逸品
人気割烹が作る「水羊羹」。特製の国産杉の小箱に入れられて三千円(一箱で五〜六人分)。
蓋を開けると、箱流しにされた、一面の水羊羹。しゃもじですくって食べれば、誰もがその食感に目を丸くする。水気たっぷりで、崩れるギリギリの状態で固まっている。口に運んだ瞬間、ふうわりと溶け、噛むまでもなく消えていく。幻のごとき食感。みずみずしい餡の豆の香りが鼻に抜け、品格のある甘味がさらりと舌を流れる。材料と水にこだわり、手作業で仕上げた、これぞ水羊羹と呼びたい逸品。進物にすれば、驚き、喜ばれること必至。要予約。発送不可。
割烹久田
港区南麻布4-2-48 TTCビルB1F
tel.=03-3444-9130
営業時間=11:30〜13:30、18:00〜21:00(土・日・祝は夜のみ営業)
定休日=月曜
中松屋
龍泉洞の水に浮かべて食べる
栗の香り漂う「水まんじゅう」
昭和元年創業の菓子司。五月〜九月中旬限定の「水まんじゅう」は、みちのくの栗の風味を生かした栗餡を、本葛と粉末寒天を主成分とした生地で包んだまんじゅう。日本三大鍾乳洞の一つ、龍泉洞の湧き水をイメージした菓子。注文するなら是非、七個入りと龍泉洞水五百ミリリットル一本セット千八百四十円〜を。 せせらぎと笹が描かれた掛紙がかかった蓋を開けると、丸いワッパに入れられたまんじゅうと、龍泉洞の水のボトルがセットされている。冷やした器に氷を入れ、龍泉洞の水を注ぎ、そこにまんじゅうを浮かべて、スプーンですくうようにして食べるとよし。つるんとした食感の生地が破れると、栗の香りを漂わせた丸みのある甘味の栗餡が口の中に広がっていく。水の中に浮かんだまんじゅうはよりしっとりとして、その自然な甘味と共に穏やかな気分を呼ぶ。電話またはFAXで取り寄せ可能。
中松屋
岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉字下宿37
tel.=0194-22-3225 fax.=0194-22-2095
営業時間=8:00〜20:00
年中無休
豊島屋
ぷるんとしたゼリー状の口当たり
優しいコクのある甘味の「蕨羹」
「鳩サブレー」で有名な「豊島屋」の「蕨羹」。蕨が描かれた蓬色と白の包装。六・七センチ×五センチ×高さ二・五センチの、立方体の薄茶色の「蕨羹」は、ぷるんとしたゼリー状の口当たりで、ゆるゆると口の中で崩れていく。優しい黒蜜のようなコクのある甘味がよく、添えられた焦がしきな粉を合わせれば、ほのかな苦味が加わって風味が増し、茶が無性に恋しくなる。二個入り五百二十五円。 東京では、東京駅大丸、日本橋高島屋、渋谷東横のれん街、池袋西武、町田小田急百貨店などで入手可能(六月十一日現在)。
豊島屋
神奈川県鎌倉市小町2-11-19
tel.=0467-25-0810
営業時間=9:00〜19:00
定休日=水曜
萬年堂本店
きな粉、黒糖、小豆、生地のバランスが
しなやかで美しい「喜のつゆ」
元和年間、京都寺町三条に創業した老舗。東京遷都と共に京橋槙町に店を移し、現在は銀座にて種々の和菓子を作り、十三代目に至る。 竹籠を開けると、銀色の紙に包まれた可愛らしい「喜のつゆ」と菓子楊枝が現れる(竹籠八個入り千三百十三円〜、紙箱六個入り九百九十八円〜)。紙を解けば、きな粉がまぶされた絞り姿の丸い菓子が顔を出す。本わらび粉を練りあげ、黒糖を用いた柔らかな吉野本葛を包んだ菓子。もちっとした蕨粉の生地に歯を立てると、すうーっと葛の柔らかい羊羹地に吸い込まれる。黒糖の上品な甘味のコクに小豆の甘味がにじみ出る。きな粉、黒糖、小豆、生地のバランスがしなやかで、美しい。冷やして食べるべし。
萬年堂本店
中央区銀座8-11-9
tel.=03-3571-3777
営業時間=10:00〜19:00(土 〜16:00)
定休日=日曜・祝日
宇治森半店
もっちりとした皮、ほどよい甘さの餡、
香り高い抹茶クリームが渾然となったおいしさ
天保七年創業。日本茶と、茶を使った菓子を供す老舗。
出迎えてくれるのは、上品な年配の女将さん。心のこもったサービス、そして料理はいずれを選んでも、丁寧な仕事が光り、打線の切れ目がない。 「抹茶生クリーム大福」(一個百七十円)は、たっぷりの抹茶生クリームをこし餡でくるみ、もち米を使った生地で包んだまんじゅう。もっちりと歯を包み込む皮、ほどよい甘さの餡、そして滑らかで香り高い抹茶クリームが渾然となったおいしさを楽しめる。冷凍し、溶けかかったところを食べるのが、おすすめ。 東京近郊では、「ecute(エキュート)大宮店」「ecute立川店」「GRANDUO(グランデュオ)蒲田店」で販売。インターネットでも取り寄せ可能。
宇治森半店
京都府宇治市小倉町久保78
tel.=0774-22-3063
営業時間=9:00〜17:00
定休日=土曜・日曜・祝日 http://www.rakuten.co.jp/morihan/
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