モダン・インディアン(2)
夏に疲れた身体に元気を取り戻す 洗練されたインド料理
先月号に続き、多様化する都内のインド料理店にあって、 洗練された料理と空間を供すインド料理店をご紹介。
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Khyber(カイバル)
多彩なタンドール(窯焼き)料理
他店には見られない魅力的な皿が揃う
京橋の南インド料理店「Dhaba India(ダバインディア)」、銀座の北インド料理店「GURGAON(グルガオン)」の姉妹店。この店の特徴は、多彩なタンドール料理。寺院風の半円形アーチが描く天井の下、白の内装、蓬色のテーブルクロスが配されたシックな内装の中、ゆったりと食事を楽しむことができる。
前菜から、他店には見られない魅力的な皿が並び、食欲をそそる。「茄子の冷製イマーム風」六百三十円は、皮ごと蒸した茄子に、炒めた玉葱がたっぷりのった一皿で、茄子と玉葱の甘味にほのかなニンニクの香りが加わった、優しい味わい。「エビと二種唐辛子のジャルファレージ」八百八十円は、炒めたエビの料理。ココナッツソースの甘い香りの中から、青と赤の唐辛子の辛味が顔を出し、エビの旨みを引き立てる。その他「アサリと万願寺唐辛子の炒め」、「チキンレバーとハツの炭火焼き」など食指の動く皿が揃う。
タンドール料理では、「ラムのバラカバブ・二種のマサラ」千三百七十円はいかがか。デリー下町の有名店「ラーマ」の名物料理だそうで、ラムの肩肉をミントソースとクミン他の風味による、二種類のソースで味付け、炙るように軽く焼かれたもの。スパイスが出すぎておらず、本来のラムの風味が生きている。薄焼きパン「ルーマリロティ」三百九十円で巻いて食べると一層旨し。
「タングリカバブ」千三百七十円は、チキンレッグ(脛の部位をタングリと呼ぶ)に、マサラで和えたハツとレバーを詰め、焼き上げたもの。カシューナッツソースの甘い香りと生姜の香りに包まれた、柔らかい肉汁に富むモモ肉の旨みに、ハツとレバー独特の鉄分の旨みが交わる。その他「タンドーリチキン」をはじめとして、野菜、魚介類など二十数種の秀逸なタンドール料理が用意されている。
ご飯料理では、注文してから炊くピラフ「ビリヤニ」を是非。クローブ、シナモン、カルダモン、ローリエ、クミンの香りが、バスマティライス(インドの香り米)の香りと響き合う素晴らしき味わい。口に入れた瞬間、思わず唸り、心が和む。これは、都内インド料理店でも随一。鶏、キーマ、ラムなど数種類を用意。
カレーでは、オクラとマッシュルームの辛いカレー「ビンディマサラ」千二百六十円がおすすめ。強い辛味を放つが、決して辛味がとんがることなく、まろやか。その中で軽く火を通した、オクラとマッシュルームの風味が生きる。お相手は、全粒粉による薄焼きパン「タンドーリロティ」四百二十円で。「チキンガロワーリ」千三百七十円は、トマトの酸味と甘味と鶏の旨みが滲み出たソースの中で、滋味たっぷりの鶏モモ肉が旨い。バスマティライスとの相性よし。
Khyber
中央区銀座1-14-6 銀座一丁目ビル1F
tel.=03-5159-7610
営業時間=11:15〜14:30(L.O.)、17:00〜22:00(L.O.)
※土・日・祝 12:00〜21:00(L.O.)
年中無休(年末年始を除く)
ケララの風
インドの南端近くケララ州の
様々な文化が入り混じった独特な料理
JR大森駅から徒歩五分の場所にある、小体なレストラン。白を基調に、木彫りの置物や絵画などが飾られた、モダンな空間。 店名に付けたように、ご主人が前の仕事で滞在し、魅了されたという、インドの南端に近いケララ州の料理を中心に供す。ケララは、アラビア海交易の拠点として、様々な文化が入り混じった、独特な料理がある土地だという。その特徴を味わうなら、是非シェフのおすすめコース(三千円、四千円)を頼まれたい。 ある日の四千円のコースは、まず「ワダ」から。豆の粉で作ったドーナツで、ふわりとした生地を噛めばモッチリとして、素朴な甘味がある。添えられたサンバルとココナッツチャトニ(ペースト)に浸して食べる。 続いて二種類の野菜料理、汁気たっぷりの「玉葱とゴーヤのティーヤル」は、甘味と酸味がまろやかに溶け合った、淡いウスターソースのような複雑味に、ゴーヤの苦味が加わった味わい。パラパラのおぼろ状になった「蛇瓜のトーレン」は、微塵に切った瓜と細かく削ったココナッツの炒め物で、ほんのりとした甘い香りがいい。時折あられのようなカリカリとした食感があるのは、米粒大のウーラッドダルという豆を揚げたもの。この二つを「イディヤッパン」という米粉の蒸し麺に絡めて食べる。 三皿目は「エビのマサラ炒め」。エビを玉葱と青唐辛子と共に各種マサラで炒めた料理で、辛味がエビの甘味を引き立てておいしい。 続いて酢と塩気だけを利かせたサラダ。葉類に玉葱、トマトに加え、カリリと弾む揚げたチャナダルの食感が楽しい。 そしてメイン。「イサキのバナナ葉包み焼き」。バナナ葉の香りとトマトの酸味と甘味が濃く出たソースに包まれた、しっとりと蒸し上がったイサキの身が優しい。軽羹のようなしなやかな食感の、米とココナッツのパン「アッパム」に包んで食べる。 肉料理は「香鶏のペッパーロースト」。トマトベースの深い味をもつソースの上に、肉汁に富むローストチキンが盛られる。添えられるのは「カボチャのクートゥ」という、スパイスを利かせた、豆とカボチャの煮物と、エリンギと玉葱、ピーマン、インゲン、茄子を、フェンネル風味のココナッツミルクで炒め合わせた皿。交互に食べながら、あるいは混ぜ合わせて食べれば、次第に深みにハマる。全体的に、南インドと聞くと辛い料理を想像しがちだが、フレッシュカレーリーフの香りと、素材の味を生かした穏やかな味付けで和む。 デザートは、パームシュガーとココナッツミルク、カルダモンを使った、エキゾチックな香り漂う、ケララのプリン「ヴァタラッパン」。 ワインの揃えもあり、郷土色強い優しい味わいの料理と合わせるのも一興。 昼は、野菜の煮込みサンバルを含む八種のおかずとご飯が食べ放題という、お値打ちなミールス(南インドの定食スタイル)千円のみを提供。
ケララの風
大田区山王3-1-10
tel.=03-3771-1600
営業時間=11:30〜14:30(L.O.)、18:00〜21:30(L.O.)
定休日=火曜(水曜は夜のみ営業)
NATARAJ(ナタラジ)
野菜を中心とした
身体に優しい自然派インド料理
銀座、荻窪にも店を持つ、ベジタリアン・インド料理レストラン。自家農園からの野菜を中心に、無添加菜種油、有機無農薬玄米による、健やかなインド料理を提供する。 前菜のおすすめは、挽き肉状のグルテンをスパイスとココナッツで味付けて苦瓜に詰め、チャナ豆の粉を付けて揚げた、苦味とスパイスの折り合いがいい「カレラマサラ」八百八十円。その他、植物性グルテンをタンドリーソースで味付けて焼いた、モチッとした食感で、穏やかな味わいのソースが旨い「タンドゥーリ・ナタラジ・ティッカ」七百八十円や、角切りにしたリンゴ、胡瓜、黄ピーマン、玉葱にプチトマトを加え、スパイと塩、レモンで味を付けたサラダ「チャット・パッタ」六百八十円など。 サブジタイプでは、オクラとジャガイモ、トマトをスパイシーなソースで炒め煮た「ビンディマサラ」千円がいい。優しい味わいで、たっぷり入った野菜も本来の味が生きている。ホウレン草とインド風チーズの定番「パラクパニール」千三百五十円は、ホウレン草自体の味わいが濃く、そのまったりとした口当たりが、玄米(四百二十円)と非常に合う。「サイバジ」千円は、ホウレン草とレンズ豆のカレー。ホウレン草の香りとレンズ豆の甘味、スパイスの辛味とのバランスが素晴らしく、味わい深さを呼んでいる。「ナブラタン・コルマ」千二百五十円は九種の野菜と果物による、淡いオレンジ色のカレー。ほの辛い中、野菜と果物の甘味、酸味が溶け込み、後を引く。「ナタラジ・カレー」千円は、グルテンを使ったカレー。酸味と辛味がほどよく、柔らかい鶏肉のような食感をしたグルテンと馴染んで、おいしい。
NATARAJ 南青山店
港区南青山2-22-19 三和青山ビルB1F
tel.=03-5474-0510
営業時間=11:30〜15:00(L.O.)、17:30〜22:30(L.O.)
※土・日・祝 11:30〜23:00(L.O.)
年中無休(年末年始を除く)
DIYA(ディヤ)
インド料理の伝統とモダンテイストを
ミックスさせたインディアンレストラン
ワインバーのような洗練された空間で料理を楽しめる。 前菜では、タンドールチキンにカレーを合わせ、タルトに詰めた、甘味と旨みが交差する「コロニアル・チキン・バフス」がおすすめ。ベジタリアンの方は「コロニアル・コーン・バフス」を。いずれも一ピース三百円。 カレーでは、カレーの酸味の利かせ方が心憎い、黒胡椒の刺激が利いた、辛口の「チキン・ミルチ」千四百八十円や、上品な味わいとコク深さを持つ「パティアラ・チキン」千四百五十円がいい。これにサフランの香りとスパイス香、バスマティライスの香りが混合して芳しい「本日のビリヤニ」を頼み、合わせて食べれば幸せ倍増。 料理では、トマトの濃い味わいをベースに、スパイス香と炒めたかすかな焦げ香が入り混じった、野菜の鉄板焼き「タカタカベジタブル」千三百八十円が素晴らしい。
DIYA
港区六本木6-10-1 六本木ヒルズヒルサイドB1F
tel.=03-6438-1177
営業時間=
[ランチ]11:00〜16:00(L.O.)
[ティータイム]16:00〜18:00(L.O.)
[ディナー]17:00〜22:00(L.O.)
年中無休
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