味の見聞録
悠遊カフェ
静寂の安らぎ空間で過ごす
至極のひと時

店主の人生哲学が醸し出された個性的な空間。
都会的スピードと隔離された、ゆっくりと時間が流れる贅沢な空間で過ごす幸せ。
そんな悠々と遊べるカフェをご紹介。

SPICE Cafe
窓ガラス越しに木々の緑を眺めながら味わう
インド風オリジナルカレー
 

 押上駅から徒歩十分。鬱蒼とツタの絡まる家屋が路地に佇む。その奥が店。額に入れられたオレンジ色の看板に誘われ、細い通路を抜けると、植栽に囲まれた一軒家の同店に着く。店は、築四十年の木造アパートをオーナー自ら改装したもの。鈍い光を放つ電球の下、板張りに味のある木机と椅子が配されている。庭と向き合った窓際の席に座れば、木々の緑がすりガラスの窓に滲んで美しく、座っているだけで気分が穏やかになっていくのを感じる。
 供されるのは、毎年新たな味を求めて世界を旅するというオーナーが生み出す、数種のカレー(九百五十円〜)。「チキンカレー」は、さらりとして香り高く、辛味とほのかな苦味がバランスよく、スプーン持つ手を加速させる。辛口の「ラッサム」は、トマトの味わいが前面に出て、その酸味と甘みの中から、マスターシードをはじめとしたスパイスの複雑な香りが放たれ、食欲をそそる。ほかには、黒胡椒が利いた「ラム」、大根、人参、ジャガイモが入った「野菜」、「日替わりカレー」がある。硬めに炊かれたご飯に寄り添うのは、キャベツのサブジとホウレン草のアチャール。夜は、これに前菜、デザートなどが付いたコースもあり。
 昼は、「カレーランチ」が九百五十円〜、お好みの二種のカレーが選べる「ペアカレーランチ」が千三百五十円。どちらもライス、サラダ、ミニデザート、ミニコーヒー付。

SPICE Cafe 
墨田区文花1-6-10
tel.=03-3613-4020
営業時間=
[ランチ]11:45〜14:00(L.O.)
[カフェタイム]14:00〜15:00(L.O.)
[ディナー]18:00〜21:30(L.O.)
定休日=月曜日・第3火曜日
 


茶房 李白
李朝時代の韓国伝統建築様式の造作
時代を経た木々に包まれたティータイム

 経堂駅より歩くこと十分。路地に入った住宅街に佇む、緑に囲まれた一軒家。瓦屋根、白の土壁、格子窓、白の長暖簾をくぐり室内に入れば、鈍い光に照らされて歪んだ木を使った梁、木組み、テーブル、椅子、床にいたるまで、李朝時代の韓国伝統建築様式を取り入れた造作や調度品の数々が、しっとりと佇んでいる。かつて神保町にあった名喫茶店「李白」のご主人が、自宅を改造して四年前に開いた店だ。 ある日の四千円のコースは、まず「ワダ」から。豆の粉で作ったドーナツで、ふわりとした生地を噛めばモッチリとして、素朴な甘味がある。添えられたサンバルとココナッツチャトニ(ペースト)に浸して食べる。
 時代を経た木々に包まれた店内は、凛とした美しさと侘びに貫かれていて、座った瞬間に安らぎが訪れる。コーヒー、紅茶、日本茶は八百円。すべてフルーツババロアが添えられる。出かけるなら時間をたっぷりと取り、都会の垢をじっくりそぎ落としたい。

茶房 李白
世田谷区宮坂3-44-5
tel.=03-3427-3665
営業時間=11:00〜18:30(L.O.)
年中無休


Cafe de Primavera
何時間でも居たくなる心地よい空間
優しい味わいの「ボルシチュー」がおすすめ

 路地を曲がれば、植栽の中に店名を記した小ぶりな看板が見える。緑鮮やかに鬱蒼と生い茂る植栽に囲まれた白い扉を開けると、間接照明の優しい光の中、アーチ状の天井を持つ細長い店内が現れる。
 厨房に面したカウンター席もいいが、奥の黒い革張りベンチシートがいい。緩やかなカーブを描く天井の下に座ると、正面には、エッチングガラスに滲む外の植栽が見え、薄明るい店内との対比がなんとも美しく、何時間でも居座りたくなる。
 程よい苦味と深いコクを持つ「レジェ」五百五十円など、ブレンドコーヒーは全四種類。蜂蜜がけバナナが付く。食事では、ごろりと入ったジャガイモ、人参のほか、玉葱、キャベツ、ブロッコリー、鶏肉などがたっぷり盛り込まれた、優しい味わいの「ボルシチュー」(パン付)千二百円がおすすめ。

Cafe de Primavera
千代田区猿楽町1-3-2 内田ビル1F
tel.=03-3295-7569
営業時間=10:00〜21:00
定休日=土曜日・日曜日・祝日


古桑庵
中庭の美しい緑を愛でながら
抹茶と甘味でほっとひと息

 熊野神社へ向かう坂の途中、美しく剪定された木々に囲まれた、昭和二十九年、桑の古材を多用して造られたという堂々たる家屋が現れる。その建物と大正末期に建てられた母家の一部が茶房。
 入り口より飛び石を渡り庭に入ると、庭に面した店内が見受けられる。美しい木々、石灯篭、古井戸、手水鉢などが配された庭を抜け、格子戸を開け、靴を脱ぎ、座敷に上がる。古木刀、屏風などが飾られた二十四畳分の室内は静かで、車の音も届かず、都会と隔絶されて、心の安堵を取り戻す。
 お面、額、箪笥など、時代を経た品々がひっそりと呼吸する店内で、ゆるりと過ごす時間はこの上ないひと時を与えてくれる。
 京都産の「抹茶(和菓子付)」八百円のほか、抹茶の苦味と餡の甘みが調和する、抹茶に小豆粒餡と白玉を入れた「古桑庵風抹茶白玉ぜんざい」、「あんみつ」八百円など、甘味もおいしい。

古桑庵
目黒区自由が丘1-24-23
tel.=03-3718-4203
営業時間=11:00〜18:30
定休日=水曜日


昼行灯ろびん、赤提灯ろびん
田舎の親戚の家を訪ねたようなのんびり感と
お茶請けによって変化する番茶の味を楽しむ

 神楽坂裏通り、細い路地に面した一軒屋。玄関で靴を脱ぎ、二階に上がると、板張りの部屋に卓袱台が七つ置かれている。
 注文は、卓上のベルを振り鳴らして。なにか田舎の親戚の家を訪ねたような、のんびり感とくつろぎが漂流する。
 美作番茶、碁石茶、京都煎り番茶、バタバタ茶、石鎚黒茶、阿波番茶、献上加賀棒茶、土佐番茶きし豆入り、紫蘇入り番茶など、香り、色、苦味、酸味、甘みなどが異なる全国の番茶にお茶請けを添えた「番茶セット」千円がおすすめ。昆布のうまみが余韻として残る昆布玉、香り高まる焼き米、発酵した酸味がお茶と合うおしんこ、練り梅、黒糖菓子など、お茶請けによって変化する番茶の味を楽しみたい。
ランチタイム、番茶・昼酌タイム、晩酌タイムにわかれており、さまざまな時間で楽しむことができる。

昼行灯ろびん、赤提灯ろびん
新宿区岩戸町19
tel.=03-5261-2813
営業時間=
[ランチタイム]12:00〜14:00(L.O.)
[番茶・昼酌タイム]13:30〜17:00(L.O.)
[晩酌タイム]18:00〜22:30(L.O.)
定休日=月曜日


cafe 紅
京都町屋のような赴きの中で
台湾茶の深い味わいと香りを堪能

 ビル街の谷間に佇む、古びた木造一軒屋。店は通りに面した入り口ではなく、隣の家との境、細い細い路地を通って玄関がある。
 厨房に面したカウンター席もいいが、奥の黒い革張りベンチシートがいい。緩やかなカーブを描く天井の下に座ると、正面には、エッチングガラスに滲む外の植栽が見え、薄明るい店内との対比がなんとも美しく、何時間でも居座りたくなる。
 坪庭から遠く見えるビルが、現代との時間軸の違いを浮き彫りにさせ、昭和初期の匂いが漂う室内の格差を強く感じさせる。
オリジナルの茶漉し付お椀で飲む「椀茶」(五百二十円〜)、茶杯や、開香杯を使って香りを堪能する本格的な「台湾茶芸セット」(八百四十円〜)のほか、「ストレートチャイ」五百二十円、日替わりのスイーツもいい。
食事は、「日替わりお膳」など全四種で、いずれも千円(十四時までは紅花茶付)。

cafe 紅
中央区日本橋小伝馬町8-5
tel.=03-3295-7569
営業時間=11:30〜19:00(L.O.)
※金 11:30〜20:00(L.O.)、土 12:00〜17:00(L.O.)
定休日=日曜日・月曜日・祝日


nagaya cafe さと和
築七十年の長屋を改造した店内は
ついつい長居し、まどろみたくなる空間

 商店街のはずれ、築七十年の長屋を改造した店。くぐり戸のような木戸を開けると、一階は、土間を使ったモダンなテーブルが広がる。一階もいいが、おすすめは一階で靴を脱ぎ、階段を上った二階席。往年の建物の風情を残し、六畳の畳敷きに長机が二つ、半分は八畳ほどの板張りに、種類の違うソファーが配されている。
 昭和初期の古きよき匂いがあって、のんびりと過ごすことができる。「二階にはお邪魔しませんので、御用のときはこちらを鳴らしてください」と指されるのは、階段上のウッドチャイム。ソファーに身体をあずけるもよし、畳で足を伸ばすもよし。ついつい長居したくなり、まどろみたくなる空間。
 「クリームソーダ」六百円ほか、ハワイから豆で取り寄せ、店で一杯ずつ挽いて出しているという、酸味が少なくライトな飲み口の「コナコーヒー」など。夜は酒亭としての顔もあり、週替わりの日本酒、焼酎に、つまみは京都「近清」の漬物がおすすめ。

nagaya cafe さと和
文京区小石川2-24-14
tel.=03-3812-6302
営業時間=18:00〜22:00(L.O.) ※土 13:00〜21:00(L.O.)
定休日=日曜日・月曜日・祝日


2009年09月 モダン・インディアン(2)
2009年08月 モダン・インディアン(1)
2009年07月 夏の和菓子
2009年06月 ポークソテー新規店編
2009年05月 ポークソテー老舗編
2009年04月 新東京ラーメン
2009年03月 東京ラーメン
2009年02月 カキフライ
2009年01月 変わりしゃぶしゃぶ
2008年12月 フライの名店
2008年11月 おでん
2008年10月 チーズ系スイーツ
2008年9月 肉割烹
2008年8月 銀座でビール
2008年7月 汁かけご飯・アジア編
2008年6月 汁かけご飯
2008年5月 フレンチトースト
2008年4月 新井薬師
2008年3月 ナポリタン
2008年2月 東京の手土産 クッキー編
2008年1月 タンシチュー
2007年12月 もつ鍋
2007年11月 モンブラン
2007年10月 東京の手土産 マカロン編
2007年9月 冷たいそばとうどん
2007年8月 冷やしラーメン
2007年7月 ドライカレー
2007年6月 カツカレー
2007年5月 バゲット
2007年4月 カウンターフレンチ
2007年3月 カウンターイタリアン(2)
2007年2月 カウンターイタリアン
2007年1月 プリン
2006年12月 パンケーキ
2006年11月 美人女将の和食店
2006年10月 ホテルの和朝食
2006年9月 ホテルの朝食
2006年8月 中国小食堂
2006年7月 築地
2006年6月 ドイツ料理
2006年5月 馬肉料理
2006年4月 焼餃子
2006年3月 水餃子
2006年2月 ビストロ パート2
2006年1月 ビストロ パート1
2005年12月 焼き魚定食
2005年11月 マティーニ
2005年10月 かつ丼
2005年09月 新世代中華
2005年08月 羊肉料理店
2005年07月 野菜がおいしいレストラン2
2005年06月 野菜がおいしいレストラン
2005年05月 和食新形態
2005年04月 ぶた鍋
2005年03月 お米が主役の料理屋さん
2005年02月 味噌ラーメン
2005年01月 鉄火丼
2004年12月 すっぽん
2004年11月 チャーハン
2004年10月 焼きそば

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