せんべろ
うまい酒と料理を
安く楽しく、量もしっかりと
命名は、かの中島らも。千円でべろべろになることを言う。 世は不景気真っ只中。千円でべろべろになる酒場が大流行している。立ち飲みもあれば、座っても安いという店もある。そんな店をご紹介。
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天七本店
衣が細かく揚げ切りがよい
なにわ名物の串かつ屋
最近急増しているのは串かつ屋。やはり不況時には、なにわの名物が流行るのだ。しかしここは創業来三十七年。東京に皆無の頃からやってきた。 揚げ方担当の二代目は、パン粉をつけて油の中に串を滑らせて、頃よいところで引き上げる。目の前の鉄板にパンッと打ち付けて油を切る仕草がかっこいい。 立ち食いで、ソース二度付け禁止、さっと数本食って仕上げるのがなにわ風。串は「にんにく」「長葱」「椎茸」「ししとう」「ピーマン」「茄子」などの野菜類と、「いか」「きす」「ちくわ」「ウィンナー」「レバー」「豚カツ」「牛カツ」などが一本百六十円。人気の「若どり」「あじ」「れんこん」が百九十円。 串の注文は二本から。衣が細かく揚げ切りよくて、数本でやめとこうと思うも、ついつい串を重ねてしまう。おすすめは、骨付きの「若どり」、ほくほくの「ポテト」、甘い「いか」、ジューシーな「牛カツ」、思わずニッコリの「ウィンナー」。 酒が百八十円。チュウハイ三百五十円。止まらなくなって、せんべろ逸脱しても知らないぞ。
天七本店
足立区千住2-62
tel.=03-3882-2879
営業時間=16:00〜22:00
定休日=日曜日・祝日
大露路
五十種近くあるメニュー
どの皿も三百円均一
一大飲み屋街新橋は、安くてうまい店がひしめいている。最近次々とできるのは立ち食い勢力だが、その中にあって、座ってゆったり、大衆酒場「大露路」は強い見方。 店に入って座り、ずらりと下げられた品書きの短冊見れば値段明記なし。だが安心。どの皿もなんと三百円均一。ビール大五百五十円頼み、まずは気勢を上げたら、「〆さば」に「わけぎのぬた」で日本酒(「千福」三百円)だ。さらに「ポテトサラダ」に「かさご唐揚げ」頼んで、日本酒おかわり。 「串かつ」頼んでさらにおかわり、最後は「焼きそば」で締めようかい。この安さなのに、量もしっかりあって、五十種近くあるメニューが泣かせるじゃありませんか。悩むじゃありませんか。都合二人で会計は、たったの三千二百五十円。再び泣いてもいいですか。
大露路
港区新橋3-10-6 鈴木ビル1F
tel.=03-3431-0708
営業時間=16:00〜23:30
定休日=土曜日・日曜日・祝日
斎藤酒場
客の愛着と酒が染みこんだ東京の名酒亭で
古きよき時代に浸る
東京の名酒亭。創業昭和三年、紺地に白く「大衆酒場斉藤」の文字は、だてじゃあない。船形天井の下、客の愛着と酒が染みこんだ机が五卓並ぶ。長いのやら、短いのやら自然木の形を残した机に座り、ゆるりと飲む酒はたまらない。古きよき時代に浸って、せんべろだ。 つまみは、百八十円〜四百五十円。まずは「枝豆」に、瓶ビール(大:四百九十円)といってみよう。お次は「〆さば」か「たこわさ」か。おっと、玉葱がいいアクセントの名物「ポテトサラダ」も忘れちゃいけない。お酒は、ビールから清酒(百七十円)に変えて、そいつに合うように「おくら納豆」に「いか沖漬け」もいってみよう。そうだこれも名物、「自家製カレーコロッケ」も頼もうよ。これで会計は二千円ちょっと。安いなあ。 温和な笑顔で、注文を次々とさばいてくれる女将さんの対応も心地よい。
斎藤酒場
北区上十条2-30-13
tel.=03-3906-6424
営業時間=16:30〜23:30
定休日=日曜日
鳥やす本店
酒が進む焼き鳥
脇役は生野菜がおすすめ
せんべろで焼き鳥食べたきゃ、高田馬場へ。人気の「鳥やす本店」は、連夜老若男女で賑わっている。 串は、「もつ」「砂ぎも」六十三円〜、「わさび焼き」「鴨」などの百二十六円と実に安い。といってもそれぞれ、決して小さきことなく、しっかり焼かれて酒が進む。数種だけの注文でも快く応えてくれる。 焼き鳥の脇役には、生野菜がおすすめだ。「胡瓜」「人参」「セロリ」「キャベツ」「大根」「トマト」各二百十円。どれも量がしっかり。盛り合わせもご自由に。 忘れちゃいけないのが、名物「煮込み」三百十五円。半透明の鶏ガラスープに鶏手羽と根菜がごろりと入った皿で、スープの滋味がしみじみと胃袋に染み渡る。 酒は三百三十六円、焼酎一杯三百五円。安い安いと調子に乗れば、つい飲みすぎてしまうぞご用心。
鳥やす本店
新宿区高田馬場3-5-7
tel.=03-3368-6459
営業時間=17:00〜23:30
定休日=正月
豊田屋
昭和三十二年創業
質のよい魚がそろう大衆酒蔵
せんべろで、魚が食いたくなったら真っ先に行きたいのが、日暮里駅前の「豊田屋」だ。看板に書かれた「大衆酒蔵」の冠がだてじゃあない。 昭和三十二年創業のしっとりと落ち着いた店内も居心地よく、頼んだ「ほたるいか」「いわし刺」は、どれもきらきら光っている。鮮度よく、自然な甘みが舌にすっと流れていく。おいしい魚を低価格で出そうという心意気が気持ちよい。 「充実したいわしのメニューは、約四百円。おすすめは「いわし刺の野菜巻き」。脂の乗ったいわしと野菜のコントラストが見事。カラリと揚がった「あじフライ」も質のよさが光っている。 あとは「菊正」の樽酒をやって、樽の香りに目を細めながら、夜は更けていくー。
豊田屋
荒川区東日暮里6-60-11
tel.=03-3891-5457
営業時間=16:30〜24:00
定休日=日曜日
徳多和良
包丁の冴えが光る
丁寧な仕事を施した料理
路地にひっそり、看板「割烹くずし 徳多和良」。その名の通り立ち飲みながら、丁寧な仕事を施した料理がいただける。メニューは日替わり。 「注文の度にご主人が切る刺身は、「天然鯛」や「ぶり」など、いずれも包丁の冴えが光って質もいい。あるいは渋く、「あじの酢〆」や「小鯛の酢〆」も乙な味。「たこの桜煮」は香りよく、「本鱒の塩焼き」の脂の切れも上品だ。 野菜は、「筍のてんぷら」に「青柳と芹のぬた」をもらおうか。いずれの皿も三百十五円とは嬉しい価格。ちょいと贅沢をしたけりゃ「天然かんぱちのかま焼き」(四百二十円)や「鯛のかぶと焼き」(五百二十五円)も控えている。 酒は「本菊泉」に生ビール、梅酒とウイスキーのハイボール「徳ハイ」、いずれも三百十五円。ゆえに常時満員。近隣に住み、働く人がうらやましい―。
徳多和良
足立区千住2-12
tel.=03-3870-7824
営業時間=16:00〜21:00
定休日=日曜日・月曜日・祝日
魚三酒場
魚が安い、量もしっかり
一階から四階まで連夜満席の人気店
古くからせんべろの安さで人気の店。一階は、開店間際から満杯。次々と上の階も埋まっていき、四階全てが連夜満席。 人気の秘密は、魚が安い、量もしっかり。「かんぱち」四百八十円、「しまあじ」五百三十円、「赤貝」「鯛」が四百円、「肝付きあわび」が六百三十円、「穴子焼き」は三百五十円、「げそわさ」にいたっては、百五十円だ。 例えば生酒冷(「金盃」三百ミリリットル瓶・五百八十円)を頼み、「ぬた」百五十円と「まぐろぶつ切り」二百三十円に、「あら煮」五十円を頼んでも、千十円だ。さあどうする!?
魚三酒場
江東区富岡1-5-4 1F〜4F
tel.=03-3641-8071
営業時間=16:00〜22:00
定休日=日曜日・祝日
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