味の見聞録
銀座カレー(1)
フレンチ、バー、洋食、インド料理店…
日本一の美食街銀座は、カレーも面白い。
インド料理店を除く、約四十軒・百種類以上のカレーの八十パーセントを試食。中より厳選した第一弾のご紹介。

         

[洋食系カレー]


南蛮銀圓亭

 「南蛮銀圓亭」の「ビーフカレー」千八百円。ソースポットに入れられたカレーソースは、艶やかで美しく、置かれた瞬間に香ばしい匂いが広がる。優しい酸味、奥深きうまみ、キリッと突く辛味など重なる味わいが丸く、滑らかに舌を包み込む感覚は、上質なソースのような品格がある。
 ご飯はパプリカ、ハム、玉葱をバターとともに炒めた、甘い香り漂うソテーライス。カレーをかけ、米と混ざり合って、ゆっくり崩れていく食感が楽しい。具は、しなやかな食感で滋味のある牛肉とマッシュルーム。薬味は、チーズ、茎若布、ラッキョウ。

南蛮銀圓亭
中央区銀座五の四の八 カリオカビル七階
tel.=03-3573-1991
営業時間=11:30〜14:00、17:30〜21:00(L.O.)
定休日=日曜日・祝日


レストラン早川

 シンプルで昔懐かしい洋食系カレーなら、「レストラン早川」。黄色のカレーは、口に運ぶと、ぷんとカレー粉の香りが漂い、うまみが広がり、辛味が来て、酸味が顔を出す。出過ぎない、欲張らないうまみは逆にいまの時代に稀有で、カレーライスというよりライスカレーと呼びたい一皿。具は玉葱と豚コマ、薬味は福神漬け。六百五十円という値段も立派。カツカレーは八百五十円。

レストラン早川
中央区銀座四の十の七
tel.=03-3541-7664
営業時間=11:30〜15:00、18:00〜20:00
定休日=土・日曜日・祝日 ※土は昼のみの営業


煉瓦亭

 「煉瓦亭」の「カレーライス」千三百円もいい。粘度のあるソースが口の中でゆるりと広がり、うまみや酸味、ほのかな甘み、辛味が広がっていく。香りも高く、辛味もあってクセになる。なにより奥底にある滋味がよく、洋食屋のカレーが贅沢品であった時代の風情が漂う。
 ごろりと入った豚バラの塊は、しっかりと味があり、大きめに切られた玉葱の甘みと合う。薬味は福神漬けにラッキョウ。

煉瓦亭
中央区銀座三の五の十六
tel.=03-3561-3882・7258
営業時間=11:15〜14:15(L.O.)、16:40〜20:30(L.O.)
※土・祝 20:00(L.O.)
定休日=日曜日


グリル木村家

 「グリル木村家」の「ビーフカレー」千三百六十五円。とろりとしたソースは、丁寧な仕事によるブイヨンの質のよさが光り、切れ味よく、上品なうまみがある。最初にほのかな塩気を感じ、そのうまみがゆっくり広がり、潜んだ辛味、甘み、酸味がほんのりと広がっていく。牛肉の塊は、味が逃げておらず、ゼラチン質のうまみに満ちた噛む喜びがある。

グリル木村家
中央区銀座四の五の七 銀座木村家銀座本店三階
tel.=03-3561-0091
営業時間=11:00〜20:30(L.O.)
定休日=なし

         

[インド風カレー]


銀座ブラン亭

 「銀座ブラン亭」のインド風カレー。カウンターだけの小さな店を女主人一人で切り盛りする。
 「チキン」「ポーク」「キーマ」「二種類盛り合わせ」いずれも七百八十円。どのカレーも驚くほどスパイス使いがうまい。刺激的でありながら、優しく、またすぐ食べたくなる魔力、温かさがある。
 チキンは少し辛くスパイシー、さらりとしたポークは玉葱の甘みが生きている。とろりと広がるキーマはくどさがなく、穏やかなうまみと香りの調和が丸く、いくらでも食べられるような味わい。聞けばガラムマサラは、店主の知り合いである、インド北部ラダック在住のおばあさん手造りによるものだとか。
 薬味は揚げ玉葱、ピクルス、福神漬け、白菜の新香、干し葡萄など。

銀座ブラン亭
中央区銀座七の二の十七 南欧ビル地下一階
tel.=03-3571-0972
営業時間=11:40〜16:00
定休日=土・日曜日(祝日不定休)


イタリアンバール LA VIOLA

 「LA VIOLA(ラ ヴィオラ)」の「スペシャルインドカレー」千五百円(サラダ・ドリンク付き)。
 ソースポットに入れて出されるのは、さらりとしたこげ茶色のカレー。口に運ぶとまず感じるのが、折り重なったうまみと複雑で高い香り。辛味、うまみ、甘み、苦味、酸味すべてがバランスよく溶け合い、魅了する。香りの調合の見事さにカラメル香が加わり、虜になるは必至。ご飯が進んで困るカレーでもある。
 具はほろりと崩れる骨付き鶏肉と砂肝。薬味はスライスアーモンド、ピクルス、干し葡萄。

イタリアンバール LA VIOLA
中央区銀座五の五の十七 三笠会館本店一階
tel.=03-3289-5673
営業時間=11:00〜22:30
定休日=なし

         

[バー系カレー]


銀座の黒フクロウ

 銀座ならではのバー系カレーなら、「銀座の黒フクロウ」。赤と黒のカレー(各千円)がある。
 トマトと赤ワイン、牛バラによる「赤カレー」は、上質なトマトスープにスパイス風味が加わったような、最初の口当たりが素晴らしく、トマトならではの爽やかな酸味、うまみ、甘みが刺激的なスパイス香と溶け込んでいる。また、喉元に落ちるときに感じるワイン香もいい。全体に野菜による柔らかな甘みが漂い、胃と舌を和ませる。
 一方の「黒カレー」は、すり胡麻、黒胡麻、牛ホホ肉によるカレー。胡麻の香りとコクがくせになる。
いずれも具は溶けて、ほぼ痕跡を残さないスープ状。香りはあるのに他客に気にならない、香りの醸し出し方が心憎い。

銀座の黒フクロウ
中央区銀座六の六の十九 銀座花菱ビル地下一階
tel.=03-5537-7165
営業時間=19:00〜27:00 ※土 〜23:00
定休日=日曜日・祝日


Kuro-Bar

 「Kuro-Bar(クローバー)」で出すのは欧風カレー。昼限定三十食。具は牛モモ肉とホホ肉。ハーフ&ハーフも可能。いずれも千円。
 とろりとした濃いこげ茶色のカレーは、最初に欧風ならではの甘みを感じ、次に酸味、うまみ、辛味が広がっていく。とろりとしているようだが、口中では引き潮のようにさらりと引いていき、切れ味もいい。
具はしっかりと味が染みて、噛み締める楽しさがあるモモ肉もいいが、ゼラチン質に富み、ほろりと崩れるホホ肉のほうが殊にこのカレーに合う。
 ポテトサラダ、茹で玉子付き。薬味はコルニッション、福神漬け、ラッキョウ。

Kuro-Bar
中央区銀座八の二の十四 竜王ビルV 四階
tel.=03-3289-9638
営業時間=11:30〜15:00、18:00〜24:00
定休日=土・日曜日・祝日


2010年7月 せんべろ
2010年6月 ご飯の友・ふりかけ編
2010年5月 熟成肉の楽しみ
2010年4月 ハヤシライス(2)
2010年3月 ハヤシライス(1)
2010年2月 郷土鍋(2)
2010年1月 郷土鍋(1)
2009年12月 二〇〇九年開店の話題店(2)
2009年11月 二〇〇九年開店の話題店(1)
2009年10月 悠遊カフェ
2009年9月 モダン・インディアン(2)
2009年8月 モダン・インディアン(1)
2009年7月 夏の和菓子
2009年6月 ポークソテー新規店編
2009年5月 ポークソテー老舗編
2009年4月 新東京ラーメン
2009年3月 東京ラーメン
2009年2月 カキフライ
2009年1月 変わりしゃぶしゃぶ
2008年12月 フライの名店
2008年11月 おでん
2008年10月 チーズ系スイーツ
2008年9月 肉割烹
2008年8月 銀座でビール
2008年7月 汁かけご飯・アジア編
2008年6月 汁かけご飯
2008年5月 フレンチトースト
2008年4月 新井薬師
2008年3月 ナポリタン
2008年2月 東京の手土産 クッキー編
2008年1月 タンシチュー
2007年12月 もつ鍋
2007年11月 モンブラン
2007年10月 東京の手土産 マカロン編
2007年9月 冷たいそばとうどん
2007年8月 冷やしラーメン
2007年7月 ドライカレー
2007年6月 カツカレー
2007年5月 バゲット
2007年4月 カウンターフレンチ
2007年3月 カウンターイタリアン(2)
2007年2月 カウンターイタリアン
2007年1月 プリン
2006年12月 パンケーキ
2006年11月 美人女将の和食店
2006年10月 ホテルの和朝食
2006年9月 ホテルの朝食
2006年8月 中国小食堂
2006年7月 築地
2006年6月 ドイツ料理
2006年5月 馬肉料理
2006年4月 焼餃子
2006年3月 水餃子
2006年2月 ビストロ パート2
2006年1月 ビストロ パート1
2005年12月 焼き魚定食
2005年11月 マティーニ
2005年10月 かつ丼
2005年9月 新世代中華
2005年8月 羊肉料理店
2005年7月 野菜がおいしいレストラン2
2005年6月 野菜がおいしいレストラン
2005年5月 和食新形態
2005年4月 ぶた鍋
2005年3月 お米が主役の料理屋さん
2005年2月 味噌ラーメン
2005年1月 鉄火丼
2004年12月 すっぽん
2004年11月 チャーハン
2004年10月 焼きそば

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