味の見聞録

カテゴリ:洋食
マカロニグラタン
洋食
資生堂パーラー 銀座本店 レストラン
毎年人気の冬恒例企画 『グラタン&シチューフェア』

 昨年創業百十五周年を迎えた、ご存じ日本を代表する洋食の名店。ゆったりとテーブルが配置された広々とした店内で、スマートなサービスを受けながら、優雅な気分でいただける洋食は、日本唯一である。

「海の幸のトマトマカロニグラタン」は千八百五十円。白く丸い皿の上で、チーズが贅沢にかけられた濃いオレンジ色のグラタンが輝く姿は圧巻。食べれば、ベーコンの旨味とコンソメが溶け込んだ上品なトマトソースが、しみじみとした美味しさを呼び、余韻が豊かで、ほんわかとした温かみのあるグラタンである。むき海老やホタテ、タラバガニが入り、それぞれの風味を噛みしめる喜びもある。独特の食感と包容力のあるマカロニは約九センチと長めで、品の漂うソースを絡めて口元に上ってくる。

 一月九日~三十一日は、恒例の『グラタン&シチューフェア』を開催。「たっぷり野菜のトマト煮込み エメンタールチーズグラタン」など、特別メニューが登場する。

東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル4・5階 
電話=03(5537)6241
営業時間=11時半~20時半(LO) 
定休日=月曜日(祝日の場合は営業)
《年末年始:12月29日・1月3日~8日は20時(LO)、12月30日~1月2日は臨時休業》
※価格は税込。別途サービス料10%
マカロニグラタン
洋食
レストラン香味屋
下町の洋食屋さん
丁寧に作られた料理とサービス

 大正十四年創業の下町の洋食屋さん。名物の肉汁溢れる「メンチカツ」をはじめ、「コンソメスープ」から「スパゲテイ・ナポリタン」「タマゴサンド」に至るまで、古き良き洋食屋の矜持に満ちた、丁寧な仕事が生かされている。

「海老マカロニグラタン」二千円(ハーフ・千円)は、白く丸い皿に、一面ムラのない焦げ色に仕上げられ、熱々で運ばれる。

 少し硬い焦げたチーズの表面を突き破れば、白く輝くホワイトソースが顔を出す。二度漉しされたソースはなんとも滑らかで、旨味が深く丸く、いつまでも口に入れておきたいような気分となる。エビは切って入れられ、適正な加熱で風味が生きている。マッシュルームと玉ねぎも入り、白ワインを飲みながらゆっくりと食べ進みたいグラタンである。

 その他、「海老入り米飯グラタン」もあり。

東京都台東区根岸3-18-8
電話=03(3873)2116
営業時間=11時半~20時半(LO)
定休日=水曜日(祝日の場合は営業、翌日休み) 
※価格は税込。サービス料なし
マカロニグラタン
洋食
目白旬香亭
古賀達彦シェフによる
洋食の逸品が揃う

「ビーフカツレツ」「ステーキハンバーグ」「熟成牛のステーキ」「鮑の殻入り海鮮クリームコロッケ」など、名手古賀達彦シェフの作る逸品洋食の数々が揃う店である。

 赤土色の丸いグラタン皿に入れられた「カニとマカロニのグラタン(チーズのエスプーマ添え)」千三百円は、グツグツとソースが沸き立ちながら運ばれる。

 うっすらと焦げたソースの真ん中はパプリカで色付けて薄赤色。グリュイエールチーズとパルミジャーノ・レッジャーノを合わせてかけてあり、そのコクの深さと香ばしさが食欲を誘う。緩めのホワイトソースはきめ細く、旨味が舌にじんわりと染みて、後味がなんとも温かく、幸せな気分となる。時折現れるカニの身の味わいも深く、穴に詰まったソースまでもがいとおしくなるグラタンである。付け合わせのキャベツの千切りとポテトサラダも極めて質が高い。

東京都豊島区目白2-39-1 トラッド目白2階 
電話=03(5927)1606
営業時間=11時~14時半(LO)、17時~22時(LO)  
定休日=月曜日(祝日の場合は営業)
※価格は税別。サービス料なし
マカロニグラタン
洋食
芳味亭
風情溢れる一軒家の和室で
味わう格別の洋食

 人形町駅から徒歩一分のところにある、昭和八年創業の洋食屋。木戸に半暖簾が掲げられた風情溢れる店構え。土間のテーブル席や小上がりの座敷、二階の和室でゆっくりと食べる洋食の味は格別である。

「ビーフスチュー」「タンスチュー」ほか、「フィッシュフライ」、ローストポークが入れられた「(上)洋食弁当」などが人気。

「エビマカロニグラタン」千二百円は、楕円の銀器に入れられて供される。白いホワイトソースがところどころ茶色に焦げた姿に、胸が高まる。口に運べば、緩めのソースはほのかに甘く、やさしい味わい。エビが数匹入って、噛めば弾む。そしてマカロニは、昔懐かしい長さ十センチ強のロングマカロニ。柔らかで長いマカロニが、ホワイトソースを絡めながら唇を通り過ぎ、舌に広がる感覚がたまらない。

東京都中央区日本橋人形町2-9-4
電話=03(3666)5687
営業時間=11時~14時(LO)、17時~20時15分(LO) 
定休日=月曜日
※価格は税込。サービス料なし
マカロニグラタン
洋食
グリルグランド
細かな仕事が素晴らしい
三種のグラタン

 浅草観音裏の人気洋食店。「カニクリームコロッケ」「煮込みハンバーグ」「ビーフシチュー」など、どれを頼んでも間違いのない逸品が揃う。

「エビグラタン」千七百円は、白くやや楕円のグラタン皿に入れられ、うっすらと焦げて焼きムラがない。チーズに覆われた表皮を突き破れば、エビのアメリケーヌソースを混ぜたホワイトソースが、オレンジ色を帯びている。なんとも旨味が丸く深い。そこへチーズの塩気とコク、白ワインの微かな酸味と香りが加わって、食欲をそそる。シコッと弾むエビの質も良く、マカロニの柔らかさと対比して、幸せが膨らむ。

「カニグラタン」はカニの茹で汁を、「カキグラタン」(季節限定)は牡蠣のエキスをホワイトソースに混ぜるなど、細かな仕事が素晴らしく、それぞれの風味を楽しめる。

東京都台東区浅草3-24-6 
電話=03(3874)2351
営業時間=11時半~13時45分(LO)、17時~20時半(LO)  
定休日=日曜日・月曜日
※価格は税込。サービス料なし
たまごサンド
洋食
レストラン香味屋
老舗洋食店のシェフによる
上質のスクランブルエッグ

 一九二五年創業、洋食の名店の人気メニュー「タマゴサンド」千百五十円。

 薄黄色のスクランブルエッグが、緑のパセリをのせた白いパンに端正に収まっている。いや、玉子は一見おとなしそうに見えるが、スキあらばパンからはみ出そうという勢いがあり、それをパンが冷静に押さえ込んでいる。沈着と熱情が絡み合う姿に、ごくりと唾を飲み込みながら口に近づければ、良質なバターの香りが鼻をくすぐる。

 噛めば、温めたパンに歯がふわりと包まれ、幸せに目を細めていると、歯の圧力で押し出された、バターのコクと空気を抱いたスクランブルエッグの優しい甘みがとろんと溶けていく。その食感には、シェフが火加減に気を配り、慎重に?き回して生まれた、玉子への限りなき愛が表れている。

 できれば昼下がりに店を訪れ、ミルクティーを従えて、ゆっくりゆっくりと時間をかけて頬張りたい。

東京都台東区根岸3-18-18
電話=03(3873)2116
営業時間=11時半~20時半(LO)
定休日=水曜日(祝日の場合は翌日)
ハンバーグ(2)
洋食
御茶ノ水 小川軒
粗挽き肉のジュースがこぼれ出る
チョップドステーキ

丁寧な仕事が光る洋食の名店である。メニューの「ハンバーグステーキ」の前には「チョップドビーフ」と書かれており、牛粗挽きハンバーグを提供している。和牛モモ肉と脂身の入った部位を粗く挽いて、ワイン、チーズ、玉子、極少量のパン粉、玉葱の微塵切りを合わせて成形し、焼き上げる。

「デミグラスソース」(百六十グラム:千八百円、二百四十グラム:二千七百円)は、ナイフを入れ、ソースを絡めて口に運べば舌の上に肉のジュースがこぼれ出る。肉汁は深いコクを持つソースと入り混じり、複雑なうまさが広がっていく。この他、「和風ソース」(デミグラスと同価格)、「グリル野菜添え」(百六十グラム:二千円、二百四十グラム:二千九百円)、「フォアグラソテー添え」(百六十グラム:三千六百円、二百四十グラム:四千五百円)がある。トッピングは、「フライドエッグ」、「ゴーダチーズ」共に二百円。以上はランチセットで、ライス又はパン・スープ・サラダ・飲み物付き。

味のキレよく、牛肉の優しさがあるので二百四十グラムでも軽い。

東京都文京区湯島1-9-3
電話=03(5802)5420
営業時間= 11時半〜13時半(土曜は12時〜)、17時半〜20時
定休日=日曜日・祝日
ハンバーグ(2)
洋食
資生堂パーラー
和牛と沖縄のもろみ豚をブレンド
肉汁と甘い脂が入り混じった滋味

明治時代から西洋料理の草分け的存在として愛される、皆さんご存じのレストラン。

金で縁取りされた白皿に鎮座した丸いその姿は、「ザ・ハンバーグ」と呼びたくなるような息を呑む美しさ。黒に近い焦げ茶色のソースが艶々と輝いてハンバーグを包み込み、一瞬ナイフを入れるのをためらわせるほどである。

和牛と沖縄のもろみ豚をブレンドしたという「ハンバーグ」(二千四百円)は、よく練られた肉ならではの、凛々しい牛肉の香りと豚肉の甘みが相まって、思わず顔が崩れる。噛むと溢れ出る、肉汁と甘い脂が入り混じった滋味がなんともうまく、やや甘めに仕立てられたデミグラスソースと見事に合う。肉を食べた充実感のあるハンバーグである。

付け合わせは、人参のバター煮、フライドポテト、炒めた茸とブロッコリー。特に人参のバター煮が香り高く、素晴らしい。

東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル
電話=03(5537)6241
営業時間=11時半〜21時半
定休日=月曜日(月曜が祝日の場合は営業)
ハンバーグ(2)
洋食
南蛮銀圓亭
食感がしなやかで舌に優しい
牛肉百パーセントのハンバーグ

「ハンバーグ」三千八百円は、注文されてから和牛の塊を切りだし、細かく刻んで作られる。部位は特に決めておらず、入荷した牛の特質で決めるという。

艶やかなデミグラスソースをまとったハンバーグにナイフを入れると、半透明の肉汁が滲み出て、食欲をあおる。そこで、すかさず口に入れれば、甘い牛肉の香りが立ち、うま味が広がっていく。混ぜ物なし、牛肉百パーセントのハンバーグながら、食感がしなやかで舌に優しい。おそらく、使う肉の脂と赤身の割合を見極めているからだろう。

この肉汁の甘みと酸味、まろやかなうま味のデミグラスソースがよく調和し、ご飯が進む。最後に、ご飯をソースに入れて、混ぜて食べてもたまらない。

付け合わせのシャトーキャロット、インゲンも上等。オードブル・サラダ・飲み物付きのコース(五千八百円)もあり。

東京都中央区銀座5-4-8 カリオカビル7階
電話=03(3573)1991
営業時間=11時半〜14時、17時半〜21時(L.O.)
定休日=日曜日・祝日
ハンバーグ(2)
洋食
グリル太平
三百三十グラムの肉の塊
巨大ながら柔らかい肉のうま味

大阪・花街の風情が残る今里で、地元のお客さんに愛されながら、七十年続く洋食屋。カツレツとハンバーグが名物。

「ハンバーグ」は千円。注文すると、特製デミグラスソースの中でじっくりと温めて、皿に盛られる。初めての方は、その姿に圧倒されよう。丸く分厚い肉の塊は三百三十グラム。おいしいものをたくさん食べてもらいたいと願う、初代よりの古き良き時代の味である。巨大ながらしなやかで、柔らかく、練り肉のうま味に溢れ、味がしつこくない。それでいてこの値段の安さ。大阪の胃袋の大きさを感じさせる店である。

香り高いデミグラスソースがたっぷりとかけられ、ソースと肉が出合えば、ご飯が恋しくなることこの上なし。
実は、ご主人はワインのコレクターでもあり、フランスを回って集めたワインが四千本。奥の秘密の部屋では、定期的にワイン会も行われているという。

大阪府大阪市生野区新今里3-20-26 
電話=06(6752)6694
営業時間= 11時半〜21時(日曜は17時〜21時)
不定休 
ハンバーグ(1)
洋食
レストラン 香味屋
最後の一口まで途切れることのない
肉の滋味と甘い香り

根岸にある洋食の名店。人気メニューとして、「メンチカツ」二千円が有名だが、「ハンバーグステーク」二千円も素晴らしい。甘いソースの香りを漂わせながら登場すると、もうそれだけで顔が緩んでしまう。

ナイフを入れると、透明な肉汁が飛び出して、デミグラスソースと入り混じる。その姿を見て、肉汁を逃すものかと急いで口に運べば、肉の香りと甘いエキスが溢れ、口中に広がる。ほどよく配分された牛肉と豚肉の滋味は、最後の一口まで途切れることがない。

艶やかで、運ばれてきた瞬間から食欲をくすぐり続けるマッシュルーム入りのデミグラスソースも、香りよく、濃厚で上品なキレを見せる味わいで、実に美味しい。

付け合わせは、人参のグラッセ、ブロッコリーの塩茹で、ジャガイモのグラタン。ピカリと光るご飯(二百三十円)も上等。

東京都台東区根岸3-18-18 
電話=03(3873)2116
営業時間=11時半〜20時半(L.O.)
年中無休
ハンバーグ(1)
洋食
ステーキ茶屋 下町ッ子
特製シチューがかけられた
特選黒毛和牛ハンバーグ

御年七十八歳になる女主人、松澤瑛恵さんが一人で切り盛りする、ステーキ茶屋。前職は有名な肉屋さんで、和牛を扱い約五十年のキャリアになるという松澤さん。その確かな目で選んだ、特選黒毛和牛百パーセントのハンバーグを、昼夜提供する。

「特選黒毛和牛ハンバーグセット」(ご飯・味噌汁・小鉢・ポテトサラダ付)千六百円は、粉を一切使わず、牛のコラーゲンだけでとろみをつけたという、特製シチューがかけられて登場する。

ハンバーグは、口に入れた途端、牛肉の香りに満ち、肉の鉄分と黒毛和牛ならではのキレよく甘い脂の味わいが、舌に広がっていく。

それだけで十分ながら、シチューソースのうま味と相まって、猛烈にご飯が進むこと、必至。シチューソースはなみなみ注がれているので、最後にご飯に絡めて食べると、たまらなく美味しい。

東京都中野区上鷺宮3-10-12 
電話=03(3970)0471
営業時間= 11時半〜14時、17時〜20時頃
定休日=月曜日・火曜日
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