味の見聞録

月間アーカイブ:2012年02月
二〇一一年開店の話題の店(2)
イタリア料理
ROZZO SICILIA(ロッツォ シチリア)
シチリアへの愛に満ちた料理と選び抜いたワイン

九月開店。シェフ中村嘉倫氏とサービス阿部努氏は、人気店「ドンチッチョ」出身。中村氏のシチリアへの愛に満ちた料理、阿部氏の見事なホスピタリティーと、選び抜いたミネラル感たっぷりのワイン。飲まずにはいられないイタリア食堂である。

料理は前菜が十一種類、パスタが二種類、セコンドが二種類、ドルチェが六〜七種類。

まずは名物ひよこ豆のフリット「パネッレ」六百円と、「茄子のカポナータ」九百円をぜひ。優しい塩味の中からほっこりした豆の甘みが滲み出るパネッレ、ワインビネガーの酸味とトマトの甘み、茄子の甘みが見事な調和を見せる、溜息が出るほど旨いカポナータ。この二皿に、高級ではない、どこにでもある食材から奇跡を生み出す、シチリア料理の神髄とシェフの力量が詰まっている。

また、芋とレーズンの甘み、イワシの旨味が共鳴する「ジャガイモとイワシのオーブン焼き」千四百円、「丹波黒鶏モモ肉とレバー、キノコのサラダ」千四百円、その他の前菜類や、「イワシとウイキョウのスパゲットーニ」「和牛のグリンピースのラグー フジッリ マルサラ風味」(共に千五百円)といったパスタも惚れ惚れするほどおいしい。どの皿も、驚きを与えるのではなく、安心に着地させる料理の凄みに満ちている。

食後は、各種果物を使った阿部氏手作りの食後酒をぜひ。

東京都港区白金一の一の十二 内野マンション一階
電話=03(5447)1955
営業時間=18時〜24時(L.O.)
定休日=日曜日
二〇一一年開店の話題の店(2)
居酒屋
高太郎(こうたろう)
酒よし、肴よし、
サービスも快適な大人の居酒屋

四月に開店。大人の居酒屋の少なかった渋谷にできた優良店。

突出しからして素晴らしい。時季時期で獲れる豆を使った「浸し豆と青菜の浸し」。旨い料理をアテに飲もうという気分を静かに盛り上げてくれる。

酒は、店主の林高太郎氏が「じっくり付き合っていきたい」という観点から選んだ、「石鎚」「喜久酔」「貴」「七本槍」「悦凱陣」「秋鹿」「宗玄」「泉橋」の八蔵。

これらの酒に、充分吟味したことが伝わる刺身(九百五十円〜。三種盛千八百円)や、それを使った和え物に合わせれば、酒飲みのツボを突かれて、盃が進む。

例えば「金目と白瓜の塩昆布和え」六百円や、「ホッケと蕪の塩昆布和え」七百円は、昆布が素材の旨味を盛り上げ、前者に七本槍、後者に石鎚を合わせれば、酒の乳酸が色っぽく絡み合って、顔が情けなく崩れる。

また、皿の上で初めて完成する味わいの、燻製玉子をのせた「燻玉ポテトサラダ」六百円は七本槍の香りと調和し、肉の香りが素晴らしい「メンチカツ」八百円は、その肉汁に悦凱陣の酸を合わせると面白い。

そして締めは、香川県出身の店主が毎日打つ「手打ちぶっかけ讃岐うどん」四百円を。滑らかでしなやかながら、逞しいコシのあるうどんは、止まらなくなる。その他日替わりの「土鍋ごはん」の用意もある。

酒よし、肴よし、そして働く喜びが滲み出たスタッフのサービスも快適。贔屓にしたくなる居酒屋である。

東京都渋谷区桜丘町二十八の二 三笠ビル一階
電話=03(5428)5705
営業時間=18時〜翌2時(翌1時L.O.)
定休日=日曜日
二〇一一年開店の話題の店(2)
ワインバー
RISOTTO CURRY STANDARD(リゾット カレー スタンダード)
おいしいボリューム満点の料理が驚きの全品五百二十五円

五月に開店したワインバル。地階のカウンターだけの小体な店。驚きは料理が全て五百二十五円であること。しかし味は一流、量もしっかりとある。ワインもグラスは五百二十五円、ボトル二千六百二十五円。

香り高くバゲットが進む「若鶏のレバーの茸のパテ」、バジルの香りが心憎い「たっぷり野菜のバジルアイヨリディップ」、白ワインが恋しくなる「フレッシュマッシュルームのアンチョビニンニクオイルがけサラダ」、蛸の旨味がソースに溶け込んだ「飯蛸のトマトソース煮込み」、優しい味の「ひよこ豆とソーセージのチリビーンズ」、クルトンがアクセントの「トリッパの柔らかトマト煮込み」、一口とはいえ充分な量の「牛ハラミの一口ステーキ」など、片っ端から頼みたくなる二十二皿が並ぶ。

締めは、店名にもなっている「リゾットカレー」八百四十円を。パルミジャーノチーズのリゾットに、トマトの風味が生きたカレールーをかけて食べる。病み付きになる味である。

東京都渋谷区桜丘町十六の八 桜丘ビル地下一階
電話=03(6416)3604
営業時間=18時〜翌2時(翌1時L.O.)
定休日=日曜日
二〇一一年開店の話題の店(2)
ワインバー
Ganvino(ガンヴィーノ)
和洋中の岩手料理と岩手産ワインが豊富に揃う

「ドンチッチョ」の姉妹店として七月にオープンした岩手食材とワインの店。

メニューには、いわい鳥、岩手短角牛、三陸イカ、岩中豚、南部煎餅、冷麺、ホヤ、郷土料理のひっつみ(小麦粉を使った汁物)といった、岩手出身の店主遠藤悟氏が選んだ、岩手食材、岩手料理が和洋中と並ぶ。

まず驚きは「岩手産胡瓜のフライ 黄身酢添え」九百円。果肉の密度がしっかりとした胡瓜は、衣を突き破ると、ほの甘いジュースがほとばしる。「三陸イカの一夜干し」千三百円は、身が厚く、甘く、香り高い。

豚の耳、舌、豚足を使った、コラーゲンの旨味に溢れた「コロッケ」千五十円、噛む喜びを実感させる「岩中豚のロースト」千八百五十円。岩手tentenファームの大根、里芋、人参、蕪など力強く優しい味わいに心が座る「ポトフ」千二百五十円など、ワインが進んで困る料理が待ち構える。

締めは、ひっつみをアレンジした「茸とクリームのひっつみ」や、ウニ、ホタテ、甘エビ、ツブ貝などの海鮮がのった「三陸海鮮冷麺」はいかがか。これまた岩手産白ワインに合うので、また飲み始めてしまう危ない喜びもある。メニューは季節によって変更あり。

東京都渋谷区渋谷二の二の二 青山ルカビル二階
電話=03(6427)9880
営業時間=18時〜翌2時(L.O.)
定休日=日曜日(月曜日が祝日の場合は連休)
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