味の見聞録

月間アーカイブ:2012年09月
二〇一二年前半オープンの話題の店(1)
フランス料理
ボン・グゥ神楽坂
一人でも大勢でも楽しめるフレンチ前菜食堂

今年の三月オープン。都内に数店舗展開する「オー・グー・ドゥ・ジュール」の系列店。フレンチの前菜だけを楽しめる、新しいスタイルの食堂。店内は、白を基調として明るく、清潔感に富む。

料理はアラカルトで、いずれの皿も、二人でシェアするのに最適なハーフ、三〜四人でシェアするレギュラー、レギュラーの倍量のダブルと選べ、一人でも大勢でも自由に楽しめる店である。

たとえば、イカの優しい甘みが詰まった「アオリイカの焼きテリーヌ」(温菜)は、ハーフ八百円、レギュラー千五百円、ダブル二千八百円といった具合。

冷菜と温菜それぞれ約十種類ほどが揃う。以下は、すべてレギュラーの価格。

冷菜は、燻香がきっちりと行きわたったサバがうまい「真サバの燻製とジャーマンポテト」千五百円、脂がのって質の高さが光る「関イサキのカルパッチョ」千八百円、スルメとパスタの食感、アボカドのコクとライムの爽やかさがきれいに出合った「スルメイカとアボカドの冷製カッペリーニ ライムの香り」千五百円、野菜の香りと甘みが菓子風に固められた「焼きアスパラガスと米茄子のタルトタタン」千六百円など。

温菜では、表面をカリッと焼き上げた「フォアグラのソテー ダークチェリーとイチジクのコンフィ添え」二千円、鉄分のうま味が口に溢れる「牛ハツの香草パン粉焼き」二千二百円、蛤のミルキーなうま味がソースに滲んだ「地蛤とキャベツのクリームコロッケ」千六百円がおすすめ。

アルザス風ピザ「タルトフランベ」千四百円も五種類ほど、そのほか「本日のフレンチパスタ」千四百円もあり、締めにぜひ。デザートは五百円〜。

女性客中心に賑わう店内には、窓際にカウンター席が設けられ、”おひとり様“でも気軽に立ち寄れる「ボン・グゥセット」千五百円(おひとり様の客平日限定:前菜二品と飲み物付き)もある。

東京都新宿区矢来町107 細谷ビル2階
電話=03(3268)0071
営業時間=11時〜15時(L.O.)、17時〜22時半(L.O.)
定休日=月曜日
二〇一二年前半オープンの話題の店(1)
フランス料理
ラ・オリーバ
多彩な料理とお酒が揃う
小粋なスペインバル

今年三月、六本木の路地にオープンした小粋なスペインバル。

料理長以下、サービススタッフの大半が女性。そのため店内は、温かみに富んだ快活な空気に溢れ、実に心地よく、胃袋をあおってくれる。

店が独自でスペインから直輸入している生ハム「ハモンイベリコ”ベジョータ“」(M・三十グラム:七百円、L・五十グラム:九百八十円)は、溶けるような食感と熟成したうま味が舌に広がる、質が非常に高いもので、この価格はお値打ち。

魚自体の質が光る、スペインバルの定番「小イワシのビナグレッタ」は五百五十円。

軽快な食感にワインが進む楕円形のスペイン風ピザ「COCA」、ミルキーなうま味を含んでプリッと弾ける「マテ貝のガーリックソテー」、ズッキーニや万願寺唐辛子などの夏野菜をビールの衣で香ばしく揚げた「夏野菜のスペイン風フリット」、エビのうま味が油に染みた「大赤エビのアヒージョ」。以上は、すべて六百五十円。

卵自体の甘みが素晴らしい、有精卵を使用した「橘さんのこだわり卵のトルティージャ」、豆の優しい甘みが広がる「ロンガニサソーセージとトロサ豆の煮込み」、豚挽き肉のうま味が伝わる「ブティファラソーセージといろいろお野菜のチーズグラタン」。以上は、すべて七百五十円。

そのほか、濃厚な味わいに顔がほころぶ「イベリコ豚ロースのロースト」千円などなど、多彩なアラカルト料理が揃う。

コース料理(二名からの注文)は、三千五百円と四千五百円の二種類。スペイン産ビールやワイン(グラス七百円〜、ボトル二千六百円〜)ほか、酒類も充実している。

東京都港区六本木7の3の14
電話=03(6438)9897
営業時間=17時半〜24時(23時L.O.)
定休日=日曜日
二〇一二年前半オープンの話題の店(1)
フランス料理
エノテカラウラ
素晴らしい料理とワインとサービス
快適に過ごせるイタリア料理店

赤城神社脇の路地に、今年二月オープン。

前菜、パスタ料理、メインディッシュ、ドルチェを数種の中から一皿ずつ選ぶ「エノテカラウラプリフィックスコース」五千二百五十円。ある日のメニューを紹介。

まず、アミューズの生野菜に添えられたイワシのムースのコクに食欲をつかまれる。

次に前菜。「ホワイトアスパラのビアンコマンジャーレ」は、白アスパラムースの滑らかな甘さと、グリーンアスパラソースの香り、帆立のうま味の精妙な調和が素晴らしい。そのほか、様々な食感が口中で弾ける「豚コッパ(豚の首の部分)のカツレツ フルーツトマトとルッコラのサラダ」など。

パスタ料理は、ふんだんにウニを使った「北海道産ウニのソース レモン風味のトレネッテ」、たっぷりと夏トリュフを削りかける「ジャガイモのラビオリ」など。そして秀逸は「キタッラビアンカ 仔羊と香味野菜のラグー」。粉のうま味、噛みしめる嬉しさを感じさせるキタッラ。仔羊の香りと滋味、野菜類の甘みが丸く溶け合って、凛々しいながらも穏やかな味わいに、心が安らぐ。

メインは、同店のスペシャリテ、イタリア郷土料理の茹で肉の盛り合わせ「ボッリートミスト」を。ブロード(煮汁)の黄金色の輝きと、舌に染みわたる深々としたうま味。鶏肉やタン、牛スネ肉、豚バラ、サルシッチャ(生ソーセージ)など肉の確かな味わい。モスタルダ(マスタード風味のシロップに漬けたフルーツ)、ペアラ(ブロードでパンを煮込み胡椒を利かせたもの)、サルサヴェルデ(グリーンソース)、バニェットロッソ(トマトのソース)といった、付け合わせの正統ソース類の味の鮮烈。丹念な仕事がヴェローナの風を呼び込む。

客との距離を保ちつつ、肩の力が抜けていてさりげないサービス。料理がおいしくなる説明と、的確なワイン選び。快適に過ごせる条件が揃った店である。

東京都新宿区赤城元町3の7 ODAビル1階
電話=03(6265)3545
【ランチ】[火〜金]12時〜13時半[土・日・祝]12時〜14時
【ディナー】[火〜土]18時〜23時[日・祝]18時〜21時半
定休日=月曜日
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