味の見聞録

月間アーカイブ:2012年11月
日本のうどん(1)
うどん
「打ちたて」「切りたて」「湯でたて」
「切りおき一切なし」の讃岐うどん店

今年に入っても増加し、都内最大勢力である讃岐うどん店の中の新興勢力。細長い、小体な店内は昼夜満席。店主の常にうどんを打ち、茹でる姿が微笑ましい。

「讃岐ならではのコシを味わうなら、まず「ざる」五百円を。黒笊に美しく盛られたうどんが、艶やかで美しい。唇当たりが滑らかで、つるりんと口に滑り込むと、歯を押し返すような、もっちりとしたコシ。十五回ほど噛むと、ほのかな小麦の香りを残し、消えていく。

具入りを選ぶなら、カリッと香ばしく揚がって柔らかい「ゲソ天ざるうどん」八百円がおすすめ。

一方、「釜かけ」五百円は、釜あげした温かいうどんを温かいつゆに入れた一品。やや柔らかく、七回ほど噛んで消えていく優しい風合いと、旨味が綺麗に出たつゆとのなじみがおいしい。

その他、冷たいうどんに、すき焼き風に甘辛く煮た牛肉を添え、つゆをかけて食べる「肉ぶっかけ」八百円もいい。

夜は酒飲みのツボを突く肴も多く、銘酒や焼酎の揃えもいい。

東京都渋谷区代々木2-20-16 相馬ビル1階
電話=03(6276)7816
営業時間=11時〜23時(22時L.O.)
定休日=日曜日・祝日
日本のうどん(1)
うどん
釜竹
ざると釜揚げ、二種の大阪うどん
豊富に揃う酒肴と麺前酒

本店は大阪の羽曳野市にある。

隣接した老人ホームの庭を望むテーブル席、蔵を改造した座敷席、共に情趣があって、心地よく時間を過ごすことができる。

ここではぜひ、うどんを頼む前に、豊富に揃う酒肴と麺前酒を楽しみたい。まずは、たっぷりの青葱に削り立て鰹節をかけ、そばつゆを回しかけた「ねぎかつお」や、風味豊かな自家製「ごま豆腐」(共に三百五十円)で始めてはいかがか。さらには、様々な魚の子塩漬けを合わせた「子宝和え」五百円や、「さいぼし(桜肉の燻製)」七百円、「からすみ」七百五十円など。また、「ノドグロ」六百円、「銀ムツ西京焼き」六百五十円といった質の高さが窺える魚料理もいい。

酒は日によってメニューが替わるが、「飛露喜」「秋鹿」といった銘酒が多く揃う。

うどんは、「ざるうどん」九百円と、「釜揚げうどん」八百五十円の二種類(共に大盛はプラス百円)。ざるは、「太打ち」か「細打ち」を選ぶ。

注文が入ってから打たれたうどんが、ざるの上で美しく輝く。まずは薬味を入れずに鰹節の香り高いつゆにつけて口に運ぶと、唇の当たりが何とも絹のように滑らかで、讃岐うどんの逞しさとは異なる、しなやかなコシが弾む。十回ほど噛んでいると、ほのかな甘い香りだけを残し、消えていく。次に、青葱→揚げ玉→七味→おろし生姜の順につゆに落として食べると、おいしい。

一方「釜揚げうどん」は、温められたことにより、うどん自体の甘みと香りが膨らみ、優しい気分を呼ぶ。

東京都文京区根津2-14-18
電話=03(5815)4675
営業時間=11時半〜14時、17時半〜21時(20時半L.O.)
※日・祝の夜は17時半〜20時
定休日=月曜日
日本のうどん(1)
うどん
はつとみ
クセになる甘みと柔らかさの宮崎うどん

宮崎うどんの店。毎日こね、足踏みし、寝かせ、のばしたうどんは、注文後に十分ほど茹でられる。

まず頼むべきは、「釜あげうどん」六百円。塗の桶に入れられたうどんは、中細で、艶々と輝いている。つけ汁につけて食べれば、何とも唇に優しく、ふわりとして柔らかく、四回ほど噛んだだけで口の中からなくなってしまう。讃岐うどんの強靭なコシとは対極にある柔らかさである。だが、その微かなもっちり加減と、ほのかな甘みはクセになる。さらに濃厚な昆布、鰹節、椎茸の出汁に、甘みを効かせたつゆと、この柔らかいうどんとの相性がとてもいい。薬味は細青葱と大根おろしのみという潔さもよく、残ったつゆは茹で湯で割って飲み干せば、幸せな気分となる。

野菜がたっぷり入った「野菜カレーうどん」は、ややスパイシーで後を引く。生卵を落としてもおいしい。また、豚バラと梅干しを合わせた「梅豚うどん」もおすすめ(共に八百八十円)。

夜は、「塩イカ」「玉子焼き」「天ぷら」「煮ぶた」「牛すじ」といった肴もあり、うどん前に一杯やるのもいい。

東京都文京区関口1-48-5 イシダビル1階
電話=03(3260)9234
営業時間=11時〜15時、17時〜22時半(L.O.)
定休日=日曜日・祝日
日本のうどん(1)
うどん
豚や
黒と白が選べる平打ち極太麺
武蔵野うどんが食べられる希少な店

駅から離れた青梅街道沿いにあるが、連日満席の人気店。二十三区内で武蔵野うどんが食べられる、希少な店。

人気は「豚肉汁うどん」九百円。豚バラと葱を入れた熱い汁に、冷たいうどんをつけて食べる、武蔵野うどんの定番。

麺は黒と白が選べ、ふすま(表皮)も挽き込んだ国内産小麦粉をブレンドした黒と、豪州産小麦粉と国内産小麦粉をブレンドした白。いずれも平打ちで極太。黒は、ゴツッとして、噛みしめると小麦の風味が滲み出る。白は、もっちりとして優しい甘み。

熱々の濃い味のつけ汁は、豚のコク、脂の甘み、醤油と出汁の旨味、イリコの酸味が溶け込んで実に旨い。そこへ極太平打ちのうどんが絡む。ぐっと力を入れて噛みしめるタフなコシ。二十回ほど噛んで、ようやく消えていき、後にほの甘い風味を残す。

麺は普通盛で五百グラムもあるが、コシと濃いつゆとの相性で、女性でも難なく食べ終えてしまう。七百五十グラムで二百円増し、一キロで四百円増し。残ったつゆは、出汁を加えて薄めてもらい、飲むといい。

その他、「豚ねぎ塩ぶっかけ」千円、「豚肉うどん きざみ(油揚げの細切り)入り」千五十円もおすすめ。

東京都杉並区上荻4-19-23
電話=03(6762)7665
営業時間=11時半〜14時半、18時〜20時半
定休日=火曜日・水曜日・祝日
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