味の見聞録

月間アーカイブ:2013年03月
とんかつ新時代(2)
とんかつ
とんかつ燕楽
肉汁が滲み出るカツ
揚げ切り良く、軽い食後感

東急池上駅から徒歩二分ほどの場所にある、とんかつ屋。カウンター九席に、一階と二階の座卓席を持つ細長い店内は、昼夜問わず常に繁盛しているが、仕事にぶれがない。若きご主人は、名店と知られる御成門「燕楽」出身。

肉は平田牧場の三元豚、米は駒ヶ根のコシヒカリを使う。「とんかつ定食」千二百円は、丸い型のカツが三枚。噛めば、肉からしっとりとほの甘い肉汁が滲み出る。豚肉を食べたという満足感を、この価格で成立させるのは見事としか言いようがない。

「ロース定食」二千円は、肉がうっすらと汗をかき、切り口から肉が盛り上がっている。肉汁を閉じ込めて揚げている証拠だ。

ラードの香り高き自家製衣は中粗。肉に密着していて、サクッと噛めば、包まれるように歯が入っていき、甘い肉汁が滲み出てくる。揚げ切り良く、軽い食後感も、ラードの質の高さを感じさせる。甘味と酸味のバランスが良いソースもいいが、ここはまず、塩で食べることをおすすめする。

そして、注文ごとに手切りされるキャベツは、甘くてみずみずしく、この店の心意気を感じさせる。ご飯も甘く、上等。根菜がたっぷり入った豚汁もおいしい。漬け物は、胡瓜、大根、蕪(蕪はロース定食のみ)の糠漬けの漬け具合が良い。また、定食に付く自家製マヨネーズのポテトサラダも、ジャガイモの旨味に富み、心和む。

東京都大田区池上6-1-4
電話=03(3754)8243
営業時間=11時〜14時半、17時〜21時半
定休日=月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
とんかつ新時代(2)
とんかつ
あげづき
サクサクと軽い衣
肉のしっとりとした甘さが旨い

神楽坂の中腹にある人気店。細長い店内に、七席のカウンターとテーブル席。平日の昼時はもちろん、近隣の学生やビジネスマンのいない日曜の夜でさえも早い時間から行列ができている。

「ロースカツ」(単品)は、千六百十円。分厚いカツを、低温の油でじっくり揚げ、高温の油でさっと仕上げをし、一分ほど休ませて均一に火を入れていく。

淡い色合いの衣をまとったカツの断面は、全体がほのかに薄桃色を差す。肉にはしっとりとした甘味があっておいしい。衣は粗めだが、サクサクと軽く、油切れも良い。

甘めだが上品なソースは、このカツとよく合い、豚肉の味を持ち上げるので、最初の一切れは塩で、後はソースで食べることをおすすめする。

おかわり自由が嬉しいキャベツは、質が良く、別添えのドレッシングとの相性も素晴らしく、いくらでも食べられる。ご飯、味噌汁、新香のセットは、三百七十円。

その他、質の高い海老を使った、甘味に富む「車海老フライ」二千百円もおすすめ。夜は日本酒や焼酎の揃えもあり、一杯やってから、とんかつを食べるお客さんも多い。

東京都新宿区神楽坂3-2 山ノ内ビル地下1階
電話=03(6265)0029
営業時間=11時半〜15時(14時半L.O.)
     17時半〜22時半(22時L.O.)
定休日=火曜日・第3水曜日
とんかつ新時代(2)
とんかつ
赤月
選べる三種の豚
おすすめは「岩中豚ロースかつ」

外苑西通り沿い、南青山三丁目交差点と西麻布交差点の間にあるビルの地階で、ご主人一人が切り盛りする、小体なとんかつ屋。カウンターは、小料理屋の趣がある。

豚肉は、白王豚、岩中豚、LYB豚の三種類から選べる(食べ比べコースもあり)。

「岩中豚ロースかつ膳」二千円は、分厚く、断面はうっすらとロゼ色で、しっとりと汗をかいている。噛めば、雑味のない、優しい甘さと、良質の豚肉の旨味が広がる。ハーブや薬草が入った特製ソースと岩塩が用意されているが、まずは中央部を、なにもつけず、そのまま食べることをおすすめする。脂も融点が低く、甘く香る。大いなる魅力を持つ豚肉だ。衣は少し粗めながら、香ばしく軽く、舌や上顎に当ることもなく、油切れも素晴らしい。

トリュフオイル入りマヨネーズドレッシングと和風オニオンドレッシングでいただく、おかわり自由のキャベツは、いくらでも食べたくなる。ご飯も、とてもおいしい。

また、「メンチかつ」「海老フライ」「ソフトシェルクラブかつ」などの他、夜は、「串揚げコース」や、「赤月鍋」(前日までに要予約)なる豚しゃぶもある。

東京都港区南青山4-1-8 麗雲ビル地下1階
電話=03(6459)2049
営業時間=11時半〜14時半(L.O.)
     18時〜22時(L.O.)
定休日=日曜日
とんかつ新時代(2)
とんかつ
西麻布 豚組
日本全国を食べ歩いて厳選した
各種銘柄豚が揃う

細い路地沿いに建つ、古民家風の二階家。この店の特徴は、「コク濃厚系」「脂身たっぷり・ジューシー系」「旨味バランス系」など、各種銘柄豚を用意し、嗜好に合わせて各々の味わいを楽しむことができること。

この日選んだのは、サツマイモを中心に良質のデンプンで飼育した、さっぱり・ジューシー系の、千葉産「いもぶたロース」二千五百円。

中粗の生パン粉を使った衣は、揚げ切りが良く、カリッ、サクッと軽快な音を立てる。そして、切り口にしっとりと肉汁が光るロース肉を噛みしめれば、ほの甘い豚のジュースが滲み出る。脂身も口どけが良く、豚肉の甘い香りがして、ロースのカツを食べる醍醐味がある。最初は塩で、次に特製ソースを小皿に取り、つけて食べるといいだろう。

その他、沖縄「琉香豚ロース」千九百円から、静岡「富士金華豚ロース」四千五百円、「イベリコ豚ロース」四千八百円まで、各種銘柄豚が揃う(フィレも各種あり)。

いずれも、前菜の一品料理、甘みが充分のキャベツの千切り、茨城産コシヒカリのご飯、しじみの赤出汁、香の物が付き、すべておかわりも自由。

東京都港区西麻布2-24-9
電話=03(5466)6775
営業時間=11時半〜15時(14時L.O.)
     18時〜23時(22時L.O.)
定休日=月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
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