味の見聞録

月間アーカイブ:2013年08月
うなぎ特集(2)
うなぎ
のだや
ご飯、たれ共に申し分ない
職人の矜持を感じる「うな重」

川魚を主とする日本料理に携わる調理師が在籍する、明治元年から続く団体「野田屋東庖会」の直営店として今年二月にオープン。特に鰻蒲焼きの技に秀で、数多くの名店に職人を派遣している。

同会が経営する店だけあって、蒲焼きの焼き姿がとにかく美しい。一面艶やかな飴色で、焦げが一点も見当たらない。が、皮側にも香ばしい焼き色がしっかりとついている。これは「万遍返し」によって、炭火の加減を団扇で調節しながら、動かし、返して万遍なく火が通るよう焼いた証である。

箸を入れれば皮まですうっと切れ、ふわりと軟らかいが、身側に紙一枚程の焼き固めた面があり、そのコントラストに唸るは必至。ご飯、たれ共に申し分ない、職人の矜持を感じる「うな重」である。うな重は、ほおづき(並):三千円、あさがお(上):三千八百円、うぐいす(特上):四千五百円。

一方、関西風地焼きで、蒸さずに焼いた「ひつまぶし」は、バリッと焼かれた身が香ばしい。たれと塩から選べるが、おすすめは塩。「ひつまぶし」は、ことぶき:二千八百円、うらうめ:四千八百円。うな重、ひつまぶし共に価格は鰻の大きさの違い。

「うざく」や「う巻き」などの定番に加え、「鰻のハーブ揚げ」や「鰻とクリームチーズの酒盗和え」など、一品料理も楽しい。またランチ時には、お得な「うな丼」千四百円(限定十食)や、「サービスうな重」二千三百円もある。

東京都台東区下谷2-3-1
電話=03(3874)1855
営業時間=11時半〜15時(14時半L.O.)
     17時半〜22時半(21時半L.O.)
定休日=月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
うなぎ特集(2)
うなぎ
青葉
丁寧な仕事が光る上質の肴と
爆ぜるような弾力の鰻

神戸元町で名を馳せた鰻屋さんの暖簾わけ。同店の魅力は、上質で丁寧な仕事が光る肴が多く用意されていること。味にうるさい神戸の旦那衆を贔屓にしてきただけあって、どの肴も質が高い。鰻を楽しむ前に、居酒屋のような使い方ができるのが楽しい。

「キス昆布締め」八百円は、昆布の締め具合が良く、この肴の淡い甘みを引き立てる。「ハモ梅肉」千二百円は、梅だれの塩梅が良く、「車エビの酢の物」千円は、エビの優しい甘みが生きた火の通し。テリーヌのように固められた「野菜にこごり」八百円は、彩り豊かで穏やかな味わい。「小蛸」や「鯛の子」の煮物(各八百円)は、関西らしい薄口のキレの良い味が染みている。

好きな料理を三品選んで二千円というのもあるので、そちらで酒を飲んでから鰻といくのも良い。

「鰻丼」は、半匹:千七百円と、一匹:三千三百円の二種類。「うな重」は三千八百円。ほろ酔い加減で食べる鰻は、身が厚く、爆ぜるような弾力を持って、幸せを運ぶ。

東京都中央区新富町1-5-5
電話=03(5541)3633
営業時間=11時〜20時半(土 11時〜19時)
      ※売切れ次第終了
定休日=日曜日・祝日
うなぎ特集(2)
うなぎ
川勢
多彩な串焼きと酒を楽しみ、お値打ちなうな丼で締める

中野「川二郎」で修業したご主人が、二十七年前に開店。修業先同様、鰻のさまざまな部位を串焼きにして楽しませてくれる。

初めて行かれる方は、まずは「キャベツ」百五十円を頼み、「一通り」とお願いするのが良い。「一通り」は、肝焼き、えり焼き、ひれ焼き、串焼き(各一本百九十円)、八幡巻き、短冊(各二本二百九十円)の六種。

肝焼きは、心臓、肝臓、腸、胃袋、浮き袋、腎臓、胆のうの焼き物。胆のうの苦みと、腸や浮き袋の歯応えが楽しい。

えり焼きは、首周りの部分。ヌルッとした食感と、プリッとした歯応えの両者が楽しめる。山椒が合う。

ひれ焼きは、背と腹のひれ周りの肉。ニラと一緒に巻いてあり、カリッとした表面と、ふわりとした中身が良い。肉のほろ苦さとニラの相性が見事。

串巻きは、鰻の腹部分を細長く切って、串に刺したもの。グリッと音が立つような凛々しい歯応えが楽しめる。

八幡巻きは、腹部分を細長く切って牛蒡に巻きつけた串で、牛蒡の香りとたれの香りが相まって、野性味がある。牛蒡の歯応えと鰻の軟らかさの対比も面白い。

短冊は、蒲焼きのミニサイズの形。これもまたしっかりとした歯応えが楽しめる。

その他、希少なレバーは、肝臓だけを焼いた串で、甘みが繊細で上品。バラは、腹骨周りの肉で、シコッとした確かな歯応えがあり、噛む喜びがある。これらの鰻串を食べて、飲みながら、葱、しし唐など野菜の串を合間に挟むのも一興。とろりとしてほのかに甘い「肝刺し」六百五十円もぜひ。

締めにはお値打ちの、「まぶし丼」千二百円や「上うな丼」千七百円を。ランチ時から飲む、長年の川勢ファンは多い。

東京都杉並区上荻1-6-11
電話=03(3392)1177
営業時間=12時〜14時、17時〜22時
      ※売切れ次第終了
定休日=日曜日
うなぎ特集(2)
うなぎ
うなぎ魚政
国産鰻、ブランド鰻「坂東太郎」、
稀少な天然鰻。三種の味が揃う

商店街にある二階建て一軒家。使う鰻は、国産鰻(うな重:三千三百円〜)、ブランド鰻の坂東太郎、天然鰻の三種。「特注活鰻」といって、注文してから割き、串打ち、白焼き、蒸し、焼くので四十分程待つ。その間、鰻の肝わさと骨せんべいが出されるので、豊富に揃う銘酒を傾けながら待ちたい。

坂東太郎のうな重(四千五百円〜)は、一面飴色に輝き、力を入れずとも皮まで切れる軟らかさで、非常に香ばしい。ふっくらとした厚い身は、ほの甘く、脂が乗っているがキレが良く、品のある味わい。

一方、天然鰻(春〜秋の季節のみ:時価)は、さらに脂のキレが良く品が漂う中、甲殻類のような食欲を刺激する香りを放つ。高価だが、希少な天然鰻を、高い頻度でいただける店としては都内唯一であろう。

東京都葛飾区四つ木1-31-10
電話=03(3695)5222
営業時間=11時半〜14時(13時L.O.)
     17時〜21時(20時L.O.)
      ※売切れ次第終了
定休日=火曜日・第1水曜日
    (7・8月の第1水曜は営業/定休日が祝日の場合は翌日休み)
※11月初旬頃、東四つ木4-14-4に移転予定
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