味の見聞録

月間アーカイブ:2013年09月
話題の新店(1)
ペルー料理
ベポカ
最新のペルー料理が味わえる
連日満席の注目店

今年三月開店。鮮やかな黄色い外装、吹き抜けのエントランス。従来の郷土料理店とは全く異なる、レストランとしての華やぎに満ちた店。いま世界を席巻しつつあるペルー料理の最新が味わえる。

まず頼むべきは、「セビチェ」(千八百円〜)。白身魚やイカなどを小さな角に切り、赤玉葱、レモンやライム果汁、唐辛子で味付けした料理。この店では、風味の違う数種類のセビチェを用意しており、それぞれに唐辛子の奥深さを感じる味だが、中でもおすすめは、黄色い唐辛子のクリームで和えた「アヒ・アマリヨクリームのセビチェ」。

「カウサ」(千四百円〜)は、マッシュポテトをライムと各種唐辛子で風味付けた家庭料理。こちらも多様な味が揃っているが、おすすめは、繊細な味わいの「ロコトのカウサ カニ肉添え」。ロコトという赤唐辛子で味付け、ズワイガニを挟んだカウサ。

前菜(千二百円〜)でおすすめは、「プルポ・アル・オリヴォ」。ペルーの紫オリーブをマヨネーズ状にし、タコの薄切りにかけた料理で、紫オリーブが持つほろ苦さと酸味がタコの甘みと調和する。

主菜(千六百円〜)は、「タクタク・コン・ロモ」はいかがか。「タクタク」は、豆の煮込みとライスを合わせて焼いた家庭料理。豆とライスの甘みに香ばしさが加わり、懐かしさを感じさせる味わい。その上に載る「ロモ・サルタード」は、細切りしたサーロインと、赤玉葱、青葱、トマト、コリアンダーを醤油風味で炒めた、ペルーの人たちの大好物である。

その他、じゃがいもとハチノスのペルー産ミントの煮込み「カウカウ」、チキンの炒めごはん「アロス・チャラパ」など、魅力的な料理がたくさん待っている。

デザート(七百円〜)では、果汁感豊かなフルーツほおずきのソルベ「アグアイマント・ソルベ」がいい。お酒はぜひ、ブドウの蒸留酒「ピスコ」(六百円〜・約二十種)を。度数は強いが、風味が素晴らしい。

東京都渋谷区神宮前2-17-6
電話=03(6804)1377
営業時間=月〜木]17時〜翌2時(1時L.O.)、
    [金・土]17時〜翌5時(3時L.O.)
定休日=日曜日
話題の新店(1)
バー
Gen Yamamoto
四季のカクテルを調理し、供する
「飲む」ためのバー

バーである。ただし、普通のバーと違うのは、この店だけの四季のカクテル(千六百円〜千八百五十円)を数多く揃え、それらをコース仕立てにしたテイスティングメニュー(四杯コース・四千二百円、六杯コース・五千八百円)も出す。それぞれが、従来のミクソロジーやフレッシュ果汁を使ったカクテルとは一線を画す、個性的な仕上がりとなっている。

ある日の四杯コースは、静岡県石山農園の完熟トマトと沖縄のパッションフルーツと麦焼酎「いいちこ深薫」のカクテルでスタート。いいちこのバターのような香りとトマトの甘酸味、パッションフルーツの香りが混じり、ガスパチョを飲んでいるような爽やかさが訪れる。

二杯目は、日本酒「龍力」とトウモロコシのカクテル。日本酒のパワーが、トウモロコシのクリーミーさと調和し、濃厚なうま味を生み出している。

三杯目は、沖縄のピーチパインとローズマリー、沖縄のラム仕立て。コクのあるラムの甘さがピーチパインの甘酸味を色っぽくさせてうっとりとなる。かすかに香るローズマリーが、その甘さを引き締めていて心憎い。

四杯目は、スイカのソルベ。黒糖焼酎「朝日」と沖縄今帰仁スイカを合わせて凍らせた、デザート感覚のカクテル。デザート感覚とはいえ、黒糖焼酎の甘い香りが漂って、酒飲みの心をワシヅカミにし、またこの店に来たいと思わせる力がある。

その他、奈良の胡瓜とメロンと米焼酎、トマトとエギュベル(フランスのジン)、奄美大島のスモモと芋焼酎、青梅のグラニテとシングルモルト「山崎」など、刺激的な組み合わせのカクテルが揃う。

店はバーテンダーの山本氏一人。奥まった路地にある隠れ家のような店である。しかし、酒好きなら虜となること間違いない。

東京都港区麻布十番1-6-4 アニバーサリービル1階
電話=03(6434)0652
営業時間=[火〜土]15時〜24時[日]15時〜23時
定休日=月曜日
話題の新店(1)
その他レストラン
ル・クラビエール 有栖川
この店でしか味わえない
二十種の料理と酒のマリアージュ

昨年十二月、マンションの地階に開店したレストラン。

従来のレストランと違うのは、十五皿の料理と十五種の酒で一万五千円、二十皿・二十種の酒で二万円という、コース構成である。ご主人の吉田正俊さんは、長い間都内の有名フレンチ各店で働いてきたソムリエ。「熱々の料理は出来立てを味わってほしい」、「一つの皿の中にも酒との様々な相性がある」など、これまでの経験の中で感じてきた、現状のレストランへの飽き足らぬ思いから、酒と料理を生かす道を考えた結果、たどり着いたのがこのスタイルなのだという。

例えばある日は、桜エビとサンセール白の組み合わせからスタートし、岩海苔、キスと極上山葵、シマエビなどを、それぞれに合う吟醸酒と供し、蒸したハマグリや熟成スズキはシャンパーニュと合わせ、紫ア

スパラガス、稚鮎、サバとレモン、穴子を各種白ワインと合わせるといった具合。それぞれ料理と酒が少量ずつなので、二十種でもスムーズにお腹に収まる。

野菜や魚の後は、キントア豚、ビュルゴー家のシャラン鴨、フランス産の仔牛フィレ、パスタと続き、銘醸赤ワインと出会わせる幸せが待っている。

料理はソースを使わず、可能な限り塩だけで簡素な調理をして出されるが、それぞれの食材の質が国内最高品質で、マリアージュの本質を官能レベルで体験できる。

また、スピーカー、ミュージックサーバー、アンプなど、いずれも一級品を揃えた音響施設も素晴らしい。その高音質の音楽を聞きながらの、料理と酒のマリアージュ。ぜひ体験されたい。

東京都港区元麻布2-1-20 有栖川ナショナルコート地下1階
電話=03(6721)7142
営業時間=18時〜23時
定休日=日曜日・祝日
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