味の見聞録

月間アーカイブ:2014年03月
割烹の昼膳(2)
日本料理
赤坂浅田
きめ細やかなサービスと
静謐な空間でいただく加賀料理

 金沢の名料亭の東京店。金沢から直送する素材を使った、繊細で華やかな加賀料理がいただける。お昼は、「昼会席」(七千三百五十円〜)や「加賀会席」(一万二千六百円〜)、「五段弁当」(六千三百円)の他に、お値打ちの料理も各種用意されている。

 おすすめは、「蕎麦ご膳」三千六百七十五円(平日・カウンター席限定)。

 まず運ばれるのは、お造りや焼き物、ご飯などが盛られたお膳。ある日のそれは、上質な魚ならではの香りに富む鯛とイカ、鮪のお造りに、品のある鰆の漬け焼き、玉子巻、蕗の煮物。小鉢には、香り豊かな蕎麦がき。そして、大ぶりのお椀には「鶏の治部煮」。金沢名物鴨料理を鶏肉に変えたもので、こっくりと味が染み込んだ肉やすだれ麩の味わいが、しみじみとおいしい。

 イワシ香梅煮やちりめんじゃこ、牛肉しぐれ煮なども添えられ、白いご飯がついつい進んでしまうが、この後に「汐露蕎麦」が控えている。

 清涼感ある蕎麦には、通常のかえしを使った「醤油露」と、利尻昆布と揚げ浜の塩を使った同店オリジナルの「汐露」が添えられる。この塩つゆで手繰る蕎麦がまた一興。蕎麦の香りを生かす。蕎麦湯を加えても滋味深い。

 デザートは「オレンジと苺のゼリー寄せ」。仲居さんのきめ細やかなサービスと、静謐な空間でいただく、贅沢な時間である。

東京都港区赤坂三の六の四
電話=03(3585)6606
営業時間=11時半〜14時(L.O.)、17時半〜22時(L.O.)
定休日=年末年始・お盆(土・日・祝は予約営業)
※サービス料別途
割烹の昼膳(2)
日本料理
京懐石 柿傳
京懐石の名店で堪能する
心晴れやかになる昼膳

 正統茶懐石をいただける名店。お昼は、「お弁当」五千二百五十円、各種懐石(七千三百五十円〜)もあるが、おすすめは、四千二百円で懐石コースを楽しめる「お楽しみランチ」(十五時まで)。

 ある日の献立は、先付が、大根おろしに染みた柿の甘みが程よい「柿なます」、白子の味がしっとりと広がる「雲子寄せ」。次が、きめ細やかな里芋と香り高い穴子による「里芋と穴子の炊き合わせ」。

 向付は、質の高さに唸る「鯛の松皮造りとシマアジのお造り」。醤油に浸けると脂がすうっと溶けゆく上質なお造りに、昼なのに酒を頼みたくなる逸品。

 次は、海老真蒸、芽かぶ、椎茸、柚子のお椀。なにより向付の味を切る、汁の熱さがよく、最後の一滴に向かって高まっていく味付けが素晴らしい。

 揚げ物は、「京人参と獅子唐の天ぷら、シャコの磯辺揚げ、鰆の真砂揚げ」。餅を乾かして砕いた、しんびき粉を使った真砂揚げの食感が楽しい。

 最後は、鯛の滋味がしみじみとおいしい鯛ご飯、蓬麩白味噌椀、香の物。沢庵や野沢菜など、香の物の一つ一つにも神経が行き届いている。そして、黒糖風味と生姜風味の干菓子と抹茶で締めくくる。

 背筋が伸び、心が晴れやかになる昼膳だ。

東京都新宿区新宿三の三十七の十一  安与ビル六〜九階
電話=03(3352)5121
営業時間=11時〜22時 
年中無休(年末年始・夏期旧盆除く)
※ サービス料別途
割烹の昼膳(2)
日本料理
金田中庵
上質の魚とご飯が一体となった
名物「三色半の東丼」

 名料亭「金田中」のカウンター割烹。

 珍しいのは、黄味醤油、生姜醤油、胡麻醤油に旬の魚の刺身を漬けにして、釜炊きのご飯にのせた、金田中庵名物「三色半の東丼」二千九百四十円。

 黄味醤油に漬けた鮪の赤身、生姜醤油に漬けたイカ、胡麻醤油に浸けた鯛の三色をのせ、さらに、例えばコハダやイクラなどその日の魚を配し、茗荷と紫蘇、小葱を散らした丼である。吟味された質の高い魚ならではのうま味が、炊きたてのおいしいご飯と渾然一体となる幸せはたまらない。

 新香、豆腐と三つ葉の赤出汁椀、野菜の炊き合わせ、黒蜜がかけられた峰岡豆腐も上等。一点の曇りなき昼膳である。

 その他、すっぽんスープと玉子を入れて蒸したご飯と、すっぽんの身を白玉で包んだ小鍋の膳「丸玉地ご飯」二千百円、ご飯の上に胡麻だれを絡めた天然鯛の刺身をのせ、出汁をかける「四つ椀 鯛茶漬け」二千六百二十五円、天然鯛のかまと牛蒡を甘辛に煮付けた「鯛のあら炊き」二千六百二十五円(数量限定)など、多彩な昼膳が揃う。

東京都中央区銀座七の六の十六 銀座金田中ビル二階 
電話=03(3289)8822
営業時間= 11時50分〜14時(L.O.)、17時半〜22時(L.O.以降のお客様のご都合に合わせて閉店)
定休日=日曜日・祝日
割烹の昼膳(2)
日本料理
霞庭まつばら
季節によって楽しみたい
大変お値打ちな「霞庭ご膳」

 西麻布の路地に建つビルの三階にあるカウンター割烹。

 「和牛ロース肉の重ね焼」や「銀だらの西京焼」といった千五百円で用意される定食や、「黒毛和牛のステーキご膳」、「旬のお魚の炭火焼ご膳」といった三千五百円のコースもいいが、おすすめは「霞庭ご膳」三千五百円(前日までに要予約)。

 ある日のそれは、先付として、程よい食感に固められた「湯葉豆腐の葛餡」。ウニ、菜の花が添えられる。次に「ホタテの磯辺揚げと紫蘇揚げ」。椀物は、食べ進むうちに口の中に濃いうま味が次第につのる「白子豆腐椀」。続くお造りは、厚みのあるサヨリと甘いアオリイカ、しっかりとした味わいの平目の盛り合わせ。

 そして盛り込みの弁当が出される。ハス、人参、牛蒡の炊きもの、揚げ海老芋、揚げコンニャク、茹で海老、出汁巻玉子、ホタルイカ酢味噌和え、銀だらの西京焼といった布陣。そこへ炊きたての釜炊きご飯と、ちりめんじゃこ、香の物が添えられる。デザートは、白いコーヒームースと果物。 

 旬の素材が盛り込まれ、季節によって楽しみたくなる、大変お値打ちな昼膳である。

東京都港区西麻布一の七の二 アデッソ西麻布三階  
電話=03(5772)5717
営業時間=11時半〜13時半(L.O.)、18時〜22時(L.O.) 
定休日=日曜日・祝日
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