味の見聞録

月間アーカイブ:2014年05月
デジュネ最新事情
フランス料理
オー・プロヴァンソー
クラシックとモダンが混じり合う
力強く優美で楽しいフレンチ

 海外のレストランで修業後、長らく赤坂の名ビストロで料理長を務めた中野寿雄シェフが独立し、二〇〇七年に開いた店。クラシックを基調にしながら、モダンな要素を組み入れた料理と、店内に漂う温かい雰囲気に魅了され、通うファンが多い。

 昼は、「デジュネA」(スープ・魚料理または肉料理・デザート)二千七百円、「デジュネB」(前菜・魚料理または肉料理・デザート)三千百円、「デジュネC」六千二百円が用意されている。

 なかでも、シェフの看板料理のスペシャリテが組み込まれたCコースが素晴らしい。

 前菜は、スペシャリテの「魚介のサラダ仕立て 黒トリュフソース」ほか、日替わりのパテや前菜を含めた七品から好みの一皿を選択する。この日選んだのは、「鰯のムニエル」。鮮度の良い脂の乗った鰯をサッとムニエルにし、トマトと菜の花とアンチョビのソースがかけられている。

 魚料理は、シェフのスペシャリテの一つ「舌平目のボンファム」。ヴェルモット酒で蒸し煮した舌平目に、ムースリーヌ・ソース(ヴェルモット酒・フュメ・エシャロット・白胡椒・卵黄によるソース)をかけた堂々たる古典料理でありながら、茸のデュクセル(微塵切りにして炒めたもの)が敷かれ、現代風に仕上げられている。ワインが飲みたくなる古典フレンチの力強さと優美さに、シェフの新しい感覚が混じり合って楽しい。昼のコースでこうした料理を食べられるのは、他店ではなかなか味わうことのできない、この店ならではの喜びである。

 肉料理は、「ブルゴーニュ産の鴨と牛蒡のリゾット 牛蒡チップ添え」。鴨の鉄分の香りと牛蒡の土の香りがよく合っている。

 デザートは、ワゴンに乗せられた数種類の中から、好きなものを好きなだけ選べる。

 そのほか、一日限定五食の特製ハヤシライスがいただける「デジュネD」(前菜・デザート付)四千六百四十円もおすすめ。

東京都千代田区平河町1-3-9 
電話=03(3239)0818
営業時間=11時半?14時(L.O.)、17時半?22時(L.O.)
定休日=日曜日・祝日の月曜日
※ 夜のみサービス料10%別途
デジュネ最新事情
フランス料理
レストラン リューズ
故郷新潟の食材が盛り込まれた
シェフの想いが詰まった料理

 東京ミッドタウン近くに、二〇一一年にオープンしたレストラン。厨房を望むカウンター席とテーブル席がある。国内外の名店で修業を積んだ飯塚隆太シェフの美味で健やかな現代フランス料理がいただける。

 昼は、「ムニュ・デジュネ」(前菜・メイン・デザート)三千六百円、「ムニュ・デュ・ジュール」(前菜二皿・魚料理・肉料理・デザート)五千八百円、旬の素材を活かしたシェフのおまかせコース「ムニュ・リューズ」八千四百円~。ある日の「ムニュ・デュ・ジュール」のメニューをご紹介。

 まずは、刺激的な二皿のアミューズでスタートする。一つは、グラスに入れたアスパラのムースとタスマニアサーモンにブルーチーズのマドレーヌを添えた皿。続く皿は、しっとりとした食感のホタルイカと空豆のムース、トマト、パルミジャーノのチュイル(サクッとした薄い焼き菓子)。

 前菜の一皿目は、白アスパラガスのグレック(酸味を効かせた蒸し煮)に、赤バイ貝のコンフィ、金柑を添えた皿。貝の甘いエキスとアスパラのほのかな甘さが調和し、金柑の柔らかい酸味と苦みがアクセントになっている。二皿目の前菜は、シェフのスペシャリテ「新潟産八色椎茸のタルト仕立て」。タルト生地の上に椎茸のデュクセルと椎茸のソテーを載せ、薄切りのラルド(塩漬けにした豚の脂)で覆った皿。ラルドのコクに負けぬ椎茸の力強さが素晴らしい。

 魚料理は「鰆のポワレ」。しっとりと精妙に火を通したほのかに甘い鰆に、ウイキョウの苦み、トマトソースのうま味、レモンコンフィの酸味を添えた、胸弾む一皿。

 肉料理は、シェフの出身地新潟県十日町産の「妻有ポークのロースト」。雑味のない綺麗な肉のうま味と、甘く溶ける脂を持った豚肉を、丁寧に火入れし、持ち味を生かしきった皿である。

 デザートは、トンカ豆(バニラ香に似た香辛料)の香りが華やかなパンナコッタ。

 故郷の食材への敬意が感じられる料理が心打つ、幸せな昼の時間が待っている。

東京都港区六本木4-2-35 アーバンスタイル六本木地下1階
電話=03(5770)4236
営業時間=12時~14時(L.O.)、18時~21時半(L.O.)
定休日=月曜日(日曜日不定休) 
※ サービス料10%別途
デジュネ最新事情
フランス料理
レストラン ドミニク・ブシェ
パリの星付きレストランの味を
銀座で楽しむ優雅な昼のひと時

「ラ・トゥール・ダルジャン」や「オテル・ドゥ・クリヨン」の総料理長を務めた後、パリで星付きレストラン「ドミニク・ブシェ」を経営する氏が、昨年九月に東京店をオープン。銀座あずま通りの一角にあるビルの、地下一階にカフェ、地下二階にレストランを展開する。

 白を基調とし、二階分程の高さの天井を持つ開放的な空間のレストランで楽しめるデジュネは、今回ご紹介する「本日のおすすめメニュー」(アミューズ・前菜・魚料理または肉料理・デザート)五千五百円のほか、八千五百円、一万五百円の三コース。

 ある日の前菜は、ラタトゥイユを詰めたヤリイカのポワレ、タプナード(オリーブペースト)とピストゥー(バジリコペースト)添え。ヤリイカの甘みと優しい野菜の甘みが調和し、春を感じさせる一皿。

 メインは、肉料理の「大山地鶏のガランティーヌ」を選択。マッシュルームなどの茸類を巻いた鶏肉に、牛蒡チップやアスパラを添え、ドミグラスソースがかけられている。鶏肉の滋味と茸の香りが、穏やかな気分を呼ぶ。

 デザートは、タルトタタンのアイスクリーム添え。リンゴとタルト生地の酸味と甘みのバランスが見事なタルトタタンと、塩バターキャラメルのアイスクリームの組み合わせが、非常によく合う。

 サービスが実にスマートで心地よい。優雅な非日常に浸れる昼のひと時を過ごされてはいかがだろう。

東京都中央区銀座5-9-15 銀座清月堂ビル地下1階・地下2階
電話=03(5537)3290
営業時間=11時半~13時半(L.O.)、18時~20時半(L.O.)[カフェは18時~22時シャンパーニュタイム]
定休日=日曜日・月曜日 
※サービス料10%・消費税別途
バックナンバー