味の見聞録

月間アーカイブ:2014年06月
デジュネ最新事情(2)
フランス料理
ア・ニュ ルトゥルヴェ・ヴー
心地よい空間でフレンチを楽しむ
やわらかな午後のひと時

 その瞬間の最高を「ありのまま(ア・ニュ)」に表現する、下野昌平シェフの料理を、高い天井のもと心地よい空間で楽しめる。

 昼は、「ムニュー・ドゥ・シャンパーニュ」(食前の飲物・前菜・魚料理または肉料理・デザート)、「ムニュー・ドゥ・ルクス」(前菜・魚料理・肉料理・デザート)共に三千四百円と、「ムニュー・ドゥ・スペシャリテ」(季節の特別料理六皿)六千円、その日にしか入らなかった食材を使った特別コース「ムニュー・ソロ」一万二千円が用意される。

 ある日の「ムニュー・ドゥ・スペシャリテ」は、一皿目の前菜が、香り高いマッシュルームのデュクセルを詰めたグジェール(チーズを混ぜたシュー皮)、山菜の苦みを生かしたクッキー、白アスパラガスのブランマンジェが一口ずつ、小さい器に盛られて登場。続いて、香り高い桜海老の薄焼き菓子に、キャビアクリームとハーブをサンドしたもので、食欲を刺激する。

 一皿目は「鮑の瞬間ヴァプール」。さっと蒸し上げた鮑に、生ハムと鮑肝のジュレを合わせたもので、肝のほろ苦さと生ハムのうま味が、鮑の味わいを際立たせている。

 二皿目は「フォアグラのソテー」。香ばしく表面を焼き上げたフォアグラに花山椒と揚げたスペルト小麦が載る。フォアグラの甘い脂の香りに花山椒の刺激と揚げ小麦の固い食感がアクセントとなり、実に楽しい。

 三皿目は「白アスパラガスと雲丹」。精妙に火を通したアスパラガスの甘みとほろ苦さ、雲丹の甘いコク、ブールブランソースの酸味、三者が見事に共鳴し合っている。

 口直しは、スペシャリテである「空豆のスープ」。皮をむいた空豆を水からじっくり煮だし、何度も漉して透明にしたものである。口に入れた途端に香る空豆の甘い香りに思わず和む、素晴らしいスープである。

 魚料理は「甘鯛」。萩産甘鯛の皮目を炭火で焼き、赤ワインヴィネガーに漬けた白菜を巻いて蒸した料理。雑味のない綺麗な甘みを持つ甘鯛が、鹿のフォンに牡蠣のエキスを混ぜた赤ワインソースとの出合いによって、逞しい一面を出す見事な料理である。

 肉料理は、「乳飲み仔牛のカツレツ」。細かいパン粉とミモレットに包まれたカツを噛めば、ミルクの甘い香り漂う仔牛の滋味が流れ出す。エキゾチックな香りのウースーターソースも、ヴィネグレットで和えた付け合わせの千切りキャベツも、心憎い。

 デザートの「レモンとマスカルポーネのムース」は爽やかな逸品。コーヒー・紅茶の種類が多いのも嬉しい。

東京都渋谷区広尾5-19-4 SR広尾ビル1階
電話=03(5422)8851
営業時間=11時半〜13時半(L.O.)、18時〜21時(L.O.)
定休日=火曜日(月に1回不定休) 
※ サービス料10%・消費税別途
デジュネ最新事情(2)
フランス料理
レストラン・アラジン
人々に愛され続ける、
季節の食材の魅力を引き出した力強い料理

 一九九三年開店以来、多くの人々に愛されてきたレストラン。季節の食材の魅力を素直に引き出した、川崎誠也シェフによる力強い料理がいただける。

 昼は、「Aコース」(前菜・主菜・デザート)三千六百円、「Bコース」(一皿目の前菜・二皿目の料理・主菜・デザート)五千円、「特別コース」七千円。AとBは、前菜・主菜・デザートが数種の中から選べる。

 前菜には、スペシャリテである「フォアグラとレンズ豆のマーブル仕立てテリーヌ」(プラス八百円)をぜひ。質の高いフォアグラで、丁寧に作られたテリーヌならではの、ねっとりとしたきめ細かい食感と、脂の甘い香りにレンズ豆の甘みが溶け込み、うっとりとなる一皿である。この他、ヤリイカの優しい食感を見事に引き出した「ヤリイカの詰め物、セート風煮込み」もいい。

 主菜は、「アンドゥイエットとブーダンノワール」はいかがか。豚の腸などを使ったソーセージと、豚の血のソーセージである。シェフが好きなゆえ作り続けている料理だという。様々な食感と、腸の脂のうま味や、血の鉄分の奥に潜む甘みなど、フランス料理好きにはたまらない一皿である。

 デザートは、爽やかな苦味が印象的な「グレープフルーツのカンパリ風味テリーヌ&ヨーグルトシャーベット」や、「リュバーブのコンポート入りクレームブリュレ」などがお薦めである。

 上品な年配客や外国人のお客さんが多く、この店が培ってきた信用がうかがえる。

東京都渋谷区恵比寿2-22-10 広尾リバーサイドG1階
電話=03(5420)0038
営業時間=12時〜14時(L.O.)、18時〜21時半(L.O.)
定休日=日曜日 
※ サービス料10%・消費税別途
デジュネ最新事情(2)
フランス料理
レストラン タテル ヨシノ 芝
大地の実りを盛り込んだ料理を
ホテルレストランでゆったりと

 十六年間オーナーシェフを務めたパリの「ステラマリス」で一つ星を獲得した、吉野建氏によるレストラン。
昼は、「メニューA」(前菜・魚料理または肉料理・デザート)四千二百円、「メニューB」(前菜・魚料理・肉料理・デザート)六千円、季節の食材を使った特別メニュー「メニュー・ドゥ・セゾン」九千円の三種類。AとBは数種の料理から選ぶことができる。

 ある日の「メニューB」は、まずアミューズとして、グジェールが登場し、続いて、上から生アスパラガスの薄切り、生帆立、ナッツ、カレー、白アスパラガスのムース フランボワーズジュレが重ねられた、カクテル仕立てが運ばれる。

前菜の「トーション仕立てのフォアグラとフォアグラのマリネ、フリュイセック添え」は、マデラ酒のゼリーを纏い、酒でマリネしたフレッシュのフォアグラと、黒胡椒などのスパイスで覆われたフォアグラのテリーヌの組み合わせ。フレッシュ・テリーヌ共に、フォアグラの脂の甘くしっとりとした妖艶な風味が引き出されている。

 魚料理では、スペシャリテの一つ、「軽くスモークしたサーモン ステラマリス」が素晴らしい。最上質のサーモンならではの脂のうま味と、軽い燻製香にうっとりとなる。

 肉料理は、「フランス産ウズラのフォアグラファルシー、エピス風味 様々なハーブのサラダ」がいい。精妙な火の通しによるウズラの滋味とフォアグラのうま味との共鳴は、フランス料理ならではの高揚がある。

 デザートは、「ベトラーブのジュレとアイスクリーム、赤いフルーツのマリネを添えて」。その後の小菓子も、マカロンショコラにカヌレと、存分に楽しむことができる。

東京都港区芝公園1-5-10 芝パークホテル別館1階
電話=03(5405)7800
営業時間=11時半〜14時(L.O.)、18時〜21時(L.O.)
定休日=月曜日 
※サービス料10%別途
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