味の見聞録

月間アーカイブ:2014年07月
鰻屋
うなぎ
やしま
タレ、ご飯、肝吸い、鰻まで
丁寧な仕事が光る「うな重」

 小粋な佇まいを見せる「やしま」は、浅草の老舗鰻屋「初小川」出身のご主人が営む。テーブル席と小上がりが配された店内は清潔感に富み、ゆるりと鰻を楽しむことができる。

 「うな重」は、「上」二千九百円、「特上」三千五百円。「蒲焼」と「白焼き」は、「上」二千七百円、「特上」が肝吸いと新香付きで三千三百円。いずれも値段の違いは鰻の大きさの違いである。

 予約すれば時間に合わせて焼いてくれるが、もずくや板わさ、焼き鳥など、軽い肴(三百八十円?)でじっくり待つのもよい。

 この日は、うな重の「上」を注文。ふっくらとした身の厚い鰻で、焦げ一つない飴色の焼き色で登場する。脂の甘みがしっかりありながらくどくない、鰻のおいしさがある。やや甘めのタレの香りもいい。

 ご飯はほどよい硬さで、肝吸いは熱々で出され、肝はムースのようにやわらかく、おいしい。

 すべてにおいて、とても丁寧で律儀な仕事を感じさせる、鰻屋である。

東京都台東区小島2-18-19 八島ビル1階
電話=03(3851)2108
営業時間=11時半?13時15分(L.O.)、17時?19時15分(L.O.)
定休日=日曜日・祝日(土曜日不定休)
鰻屋
うなぎ
うな藤
稀少な幻のブランド鰻
「大井川共水うなぎ」使用

 青梅街道に面した小体な鰻屋さん。南アルプスの伏流水を使って養殖された、全国でも珍しい「大井川共水うなぎ」を使う。

 「うな重」は、「竹」二千五百九十二円から「藤」四千八百六十円まで四種類。「うなぎの出来上がりが四十分かかります」と、品書きの横に書かれているように、注文から捌き、焼き、蒸し、蒲焼にするので、急ぎの向きは予約の際にお願いするといいだろう。

 ただし、肴が充実しているので、じっくりと飲んでから鰻を食べるのも一興である。ある日の「お造り盛り合わせ」千二百九十六円は、平目、スミイカ、青柳で、いずれも質が高い。珍しいところでは「鰻肝天」三百二十四円はいかがか。サクッと揚げられた衣と、鰻肝のふんわりとした食感の対比が面白い。「やきとり」四百三十二円も、身が大きく肉汁のうま味に溢れている(※)。

 中がふんわりと焼かれた「白焼き」は、味にコクがあって、酒が進む。「うな重」は焦げ目なく、濃い飴色に焼かれている。脂の甘み、食感とも申し分なし。タレの甘さと辛さのバランスもいい。

 ご飯は硬め、肝吸いは熱々で出される。新香は、キャベツの浅漬けと、大根と茄子の糠漬け。いずれもおいしい。

※ 上記の一品料理のうち、夏期は取り扱いを休止しているものもあります。

東京都杉並区今川4-8-7 グリーンパレス1階
電話=03(3397)9174
営業時間=11時?13時(L.O.)、17時?20時(L.O.)
定休日=水曜日(7・8・12月を除く第3木曜日は連休)
鰻屋
うなぎ
稲毛屋
鰻と鶏料理と厳選した地酒
選べる多彩なメニュー

 昭和二年創業。昼は鰻屋、夜は、鰻と鶏料理、地酒を揃えた気さくな居酒屋として、人気を呼んでいる。

 鰻は、蒸す江戸前と、蒸さない関西風から選べるのが面白い。

 蒲焼は、飴色濃くしっかりと焼き上げられた鰻と、やや甘めのタレとが非常に相性がいい。関西風はカリッと焼かれ、香りがいい。

 「鰻重」は、「梅」千九百円(吸物・新香付き)、「松」二千八百円、「特」三千七百円(「松」「特」は、肝吸い・新香付き)の三種類。「鰻ひつまぶし」も江戸前と関西風が選べ、三千二百円(肝吸い付き)。

 その他、鰻重にこんにゃく田楽や茶碗蒸しなどが付いた「鰻御膳」二千三百円?、蒲焼と炒り玉子をのせた「鰻そぼろ重」二千四百円、浅葱と海苔をたっぷりとかけた「和風うな丼」や、塩焼きにした鰻をのせた「鰻塩丼」や「白焼き丼」(丼はいずれも二千円~)など、食事メニューが多く、選べるのがうれしい。

 また、早い時間に売り切れるが、鰻の肝、ヒレ、レバー、小骨といった、串焼きもおいしい(いずれも一本三百二十円)。

 日本酒だけでなく焼酎の揃えも豊富なので、鶏串や鰻串で一杯やってから鰻重などの食事を楽しむのもいいだろう。

東京都文京区千駄木3-49-4
電話=03(3822)3495
営業時間=11時半?13時半(L.O.)、17時?20時45分(L.O.)
定休日=水曜日
鰻屋
うなぎ
うなぎ はいばら
ボリューム満点
お値打ちの「うな重」

 築地場外の人気店。安価で鰻が食べられるとあって、連日盛況、近隣のサラリーマンや観光客で昼時には列もできる。活鰻の小売と卸を手がける「榛原鰻販売株式会社」の直営店である。

 四十年以上の経験を積んだ職人が串打ちした鰻を白焼きにし、注文が入ってから蒸し上げ、タレをつけて本焼きする。

 「うな重」は、「梅」二千百円(吸物・新香付き)、「竹」二千六百円、「松」三千二百円(「竹」「松」は、肝吸い・新香・肝焼き付き)の三種類。お米は山形の「つや姫」を使用。

 なかでも、二匹分の鰻と肝焼きがのった「松」はボリューム満点、お値打ちで一番人気。ビールや、山形の「上喜元」や「秀鳳」の冷酒を頼み、肝焼きで一杯やってから鰻を食べるもよし。肝を串から抜き、山椒を多めにかけて、ご飯と混ぜて食べるも一興。さまざまな楽しみ方ができる。

 なお、築地本願寺近くに持ち帰り専用の1号店があり、こちらも人気。出前もあり(前日昼までの要予約。配達エリア限定)。

うなぎ はいばら築地1号店(販売店) 
東京都中央区築地4-8-2
電話=03(3541)9713
営業時間=6時半~14時
定休日=築地場外市場休市

うなぎ はいばら築地2号店(食事処) 
東京都中央区築地4-13-16 
電話=03(3546)6669
営業時間=10時半~14時(L.O.)
定休日=日曜日・祝日
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