味の見聞録

月間アーカイブ:2016年07月
話題の新店・肉料理編
フランス料理
Le Severo
パリで美食家達を唸らせてきた
熟成牛肉専門ビストロ

 パリで創業三十年の有名熟成牛肉専門ビストロの日本店が、今年四月にオープン。

 肉料理の中で一番の魅力はやはり、約一・二キロの塊のままじっくりと焼く、パリ本店のスペシャリテ「骨付きリブロース」二万二千円(二名分)。ある日は十勝産黒毛和種の経産牛、ある日は完全放牧野生牛と、多彩。信頼の高い肉屋が仕入れ熟成した肉を、店内で熟成仕上げし、その日最も程よい状態の肉を、柳瀬充シェフが、パリで培った熟練の技術で焼き上げ、提供する。

 噛めば、肉の濃いエキスと柔らかな甘みが舌に広がり、香りが膨らんで、喉に落ちていく。そこには「肉を食らっているぞ!」と、叫び出したくなるような興奮がある。

 添えられたフライドポテトは、雪室熟成越冬じゃがいも「北海こがね」を、グレープシードオイルと牛脂を混ぜた油で揚げたもので、これまた熟れた甘みがじっとりと広がって、幸せな気分となる。

 また、粗挽き熟成牛を円形にまとめてレアに焼き上げた、いわゆるハンバーグ状の料理「ステークアッシェ」三千五百円も、熟成肉の魅力を十二分に閉じ込めて登場する。ある日のそれは、六週間寝かせたランプ肉で、表裏をサッと焼き、しっかり色をつけて休ませ、肉の味がわかるように優しく火を入れたという。そのこげ茶色に焼かれた肉の表面にナイフを入れて切れば、一面ロゼ色の肉が現れ、甘い香りが立ち上る。齧り付けば、ランプ肉特有の旨味が舌に広がり、香りがさらに膨らんでいく。

 そのほか、「フランス産ブランド牛バザス 熟成牛ランプ」四千九百円、前菜では「〝クリスチャン・パラ〟のブーダンノワール」二千百円がおすすめ。

 ランチプレートは、四種ほど用意される肉料理から一品選び、パン・サラダ・フライドポテト・飲み物が付いて二千五百円。

東京都港区西麻布4-2-15 水野ビル1・2階 
電話=03(6427)1384
営業時間=12時~14時(LO)、18時~22時(LO) 
定休日=日曜日・祝日
話題の新店・肉料理編
イタリア料理
falo
カジュアルに楽しめる
炉端イタリアン

 自由が丘の名イタリアン「モンド」の宮木康彦シェフが、広尾「アクアパッツァ」で料理長を務めてきた樫村仁尊シェフを迎え、五月にオープンした、炭火焼き料理を中心とした店。気軽に飲んで食べられる居酒屋を目指すという。

 店内の中央に炭火台があり、それを囲むようにカウンター席が配されている。炭を積み上げ、その周囲に串に刺した肉を配置して、炉端焼きのように焼く炉があり、焼かれる肉を見ながらの食事は痛快。

 まず、小皿料理が何品か出され、これらを箸でつまみながらワインを飲み、メインを待つ楽しさがある。ある日は、「イカとウイキョウとオレンジのサラダ」、クミン風味の「キャベツのスパイシーマリネ」、「鶏胸肉とドライトマトのマリネ」、パンを利用したサラダ「パンツァネッラ」、そして「豆アジのエスカベッシュ」の五皿。また、これらとは別に「モツ煮込み」もぜひ。ギアラやハチノス、ミノが混ざった上等な煮込みで、深い旨味にワインが進む。

 主役の炭火焼きは、塊で焼く「ポルケッタ」二千五百円、「鴨胸肉」三千五百円、「中勢以熟成肉」八千円などがある。

 中でもおすすめは、「ポルケッタ」(豚肉に秘伝のスパイスで香りを付けて焼く)。肉は塊で焼かれ、分厚くカットされて登場する。豚脂の甘み、肉のエキス、香草の香り、肉が焼けた香ばしさなどが渾然一体となって舌に広がり、鼻に抜ける。肉を食べる醍醐味があって、数人でシェアしながら食べるといいだろう。

 そのほか、特製の七味をアクセントにしながら食べる「鴨胸肉」や、熟成香漂う「中勢以の和牛」なども、力強い野菜の炭火焼きと共に食べたい逸品。

 ガッツリと肉料理を食べるもよし、軽くつまんで飲むもよし、いろいろな使い方ができる。今後は様々な肉や魚に挑戦していくとのこと、目がはなせない店である。

東京都渋谷区代官山町14-10 LUZ代官山地下1階 
電話=03(6455)0206
営業時間=18時~23時半(LO) 
定休日=木曜日
話題の新店・肉料理編
イタリア料理
TACUBO
薪焼き料理ならではの味わいを
ワインと共に

 恵比寿のイタリアン 「アーリア・ディ・タクボ」の田窪大祐シェフが、心機一転、店名と場所を変えて、薪焼きを中心とした料理を目指し四月に開店。個室も用意されているが、少人数なら、ぜひ目の前に薪火の炉が見えるカウンターに陣取りたい。

 ある日の九千五百円(別途席料)のコースは、前菜が、鉄分の香りに富む「馬肉のタルタル」。続いて、セロリアック(セロリの一変種・根菜)の柔らかな甘みと、クミンの刺激的な香り、ラルド(豚の脂肪)のコクが穴子を持ち上げる「穴子のフリットとセロリアックのピュレ クミン風味」。

 パスタは、重なり合った魚介の深い旨味に、山菜の香りがアクセントを添える「セリと黄アラ(ハタ) アサリと米イカのスパゲッティ」。さらに、新玉葱の優しい甘みに思わず顔が崩れるトルテリーニに、生ハムやペコリーノ、トマトを合わせ、アマトリチャーナを再構築したという、「新玉葱のトルテリーニ」と続く。

 主役の肉の薪焼きは、愛媛のはなが牛のサーロイン。赤々と燃える熾火の上で焼かれた肉は、こげ茶色の表面が何とも香ばしく、ガリッと齧れば肉エキスがほとばしり、噛み締めれば脂の甘みが舌に流れていく。勇壮な気分にさせるビステッカである。

 なお、一万二千円のコースでは、よりサシの入った十勝田くぼ牛の用意もある。ドルチェも、ミルクの香りとエキゾチックな香りが交差する「パッションフルーツを添えたラッテ・イン・ピエーディ」ほか、秀逸な五種類の中から選択できる。

 また、コーヒー・紅茶共に厳選された品質の高いものが用意されており、コースの有終の美を飾る。

 ワインのペアリングは四千五百円より。

東京都渋谷区恵比寿西2-13-16 ラングス代官山1階 
電話=03(6455)3822
営業時間=12時~13時(LO)、18時~23時(LO)  
※ランチは水・土・祝のみ
定休日=日曜日(月曜祝日の場合、日曜営業、月曜休)
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