味のパトロール<読者情報>

中西紫朗さん 「海南鶏飯食堂」代表

麻布十番商店街にある
一杯飲めるチーズ屋さん!

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 麻布十番駅から商店街を六本木ヒルズ方面へ向って進み、「更科堀井」の二軒隣に「フロマージュカフェ・フェルミエ」はあります。

 小さなテラス席もあるガラス張りの店の入口にはイラストレーター永井努さん自筆の可愛い牛やチーズの絵が描かれ、ショーケースにはフランスやイタリアの農家(フェルミエ)から直接仕入れた味わい深い美味なチーズが並べられています。新鮮でミルク感たっぷりな牛や水牛のモッツァレッラや、コンテをはじめとするハード系、白カビ・青カビ系といったあらゆるタイプのチーズが揃っているほか、店長が毎日焼き上げるデンマーク産フレッシュクリームチーズをふんだんに使用した自家製濃厚チーズケーキも大人気商品です。

 こちらの店ではチーズ販売に加え、店内での飲食が可能。一番人気のチーズ三種盛は破格の六百円。ジューシーなモッツァレッラと地元の老舗の八百屋から仕入れる秀逸トマトによるカプレーゼは、ブラータ・ブーファラ・ヴァッカの三種類。パルミジャーノ・レッジャーノやペコリーノを山盛り削って仕上げるボロネーゼや、紫蘇のパスタ。何故か一押しのコリアンダーサラダと玉子のピクルスなど、シンプルで美味しい料理が充実。さらに、グラス七百円前後のお手頃ワインから、セラーにはオールドヴィンテージのグランヴァンや希少シャンパーニュまで取り揃えているというデンジャラスさ! チーズの購入がてらお茶したり、ランチやちょい飲みに加え、持込ワインとチーズの会など、とても使い勝手の良い店です。

 ここは、愛宕に本社を構える言わずと知れた老舗チーズ卸会社「フェルミエ」の直営店であり、今年四月からこの店の統括責任者をされているのが私が敬愛する先輩小林弘尚さんです。某総合商社のご要職から何故か突然華麗なる転身をし(?)、本当にその会社で働いていたのかと疑問に思うほど慣れた手つきでチーズをカットし、鍋をふり、洗い物をし、ワインをサービスしている姿は、既にベテランの域に達しているかのようであります。

 テーブル六席、カウンター四席、テラス三席のとても優しい空気の流れる居心地のよい店です。是非一度訪問して、美味しいチーズとワインに元エリート商社マンの接待テクニックを学んで頂ければと思います。

フロマージュカフェ・フェルミエ
東京都港区元麻布3-11-3 センチュリー六本木101
TEL03(6721)1377

橋本 敦さん メリルリンチ日本証券(株)ヴァイスプレジデント

話題のアメリカハンバーガー
日本に上陸

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 国内海外問わず多くのハンバーガー店が出店している激戦区、青山・表参道エリアに、満を持して「UMAMI BURGER(R)」が今年三月に日本第一号店をオープンした。

「UMAMI BURGER(R)」とは、二〇〇九年にカリフォルニア州ロサンゼルスに一店舗目をオープン後、六年間で五つの州、計二十四店舗を展開するハンバーガーレストラン。UMAMIは日本の科学者が提唱した第五の味覚である「旨味」に由来しており、牛肉、チーズ、トマト、マッシュルームなどの多くの旨味が含まれる食材を最大限に引き出す調理法を取り入れている。また、牛肉には旨味を引き出す調味料として昆布や醤油、ホイセン、干しキノコなどを調合して作られたオリジナルソースが使用されるなど、日本人にも馴染みやすい味も魅力の一つ。

 パテは高級ステーキハウスで提供されるような良質な肉を、毎日店で独自にブレンドして粗挽きにし、手捏ねして焼いている。さらに、焼き加減のリクエストに対応してくれるなどの心遣いも嬉しい。旨味成分が豊富な牛乳を多く使用したバンズは少し甘みがあり、ふっくらモチモチで、女性や子供にも好まれているというのも頷ける。

 サイドメニューにはサラダや、ポテトフライ・オニオンリング・手羽先唐揚げなどのアペタイザー、デザートにはカリッと焼いた小さめのバンズにアイスを挟んだ「アイススライダー」など、豊富に揃うのも魅力的だ。また、クラフトビールをはじめ、ハンバーガーに合うワインや特別なカクテルなど、ドリンクにも旨味に対するこだわりがうかがえる。

 ロサンゼルスの洗練された雰囲気そのままの店内には、ハンバーガー店には珍しく食後にお酒をゆっくり楽しめるバースペースもあり、さながら海外にいるような非日常的な時間が過ごせ、長居をしてしまうことも度々。着席型の広々とした店で、スタッフから心のこもったフルサービスで提供される新感覚のハンバーガーレストランは、「旨味」同様にサービスも日本文化を取り入れている創業者のアダム・フライシュマン氏の想いだという。アメリカのソウルフードと日本の旨味、そして想いが合致された唯一無二のレストランだと感銘を受けたのも私がお薦めする理由の一つだ。

「UMAMI BURGER(R)」が提案する新しいハンバーガーの楽しみ方を、家族や友人、恋人など、大切な人と是非体験して頂きたい。

UMAMI BURGER AOYAMA
東京都港区北青山3-15-5 Portofino内
TEL.03(6452)6951

宮崎麻梨江さん 

香港でインドカレーを

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 世界有数の金融街として名を馳せるアジアの国際都市、香港。 そのセントラル駅からすぐ、世界一長いと言われるミッドレベルエスカレーターを挟んで、坂道のグルメ街SOHOは広がる。「インディアンビレッジ」はその外れにある、テーブル席三つほどの小さな家族経営のインド料理店だ。

 店に近づくと大きなガラス戸から、太っちょの奥さんがニヤリと笑って迎えてくれる。古いけれども小ぎれいに整理された店内に入ると、奥の厨房からやはり少し太っちょのだんなさんが、よく来たねと優しいまなざしで顔を出す。

 ひとは、香港では世界中の一番おいしいものが食べられる、と言う。様々なジャンルの料理を食せることは確かだが、かなり香港風、もしくは個々人のアレンジが加わっているものも多く、求めている味にたどりつくのは至難の技ではないかと強く感じる。私は食べると疲れも悲しみも吹き飛んでいく気がしてカレーが大好きなのだが、タイのグリーンカレーは角切りパイナップル入りクリームシチュー仕立てであったり、インドカレーにはおそらく日本のカレールーが入っており、日本人の私には大変食べやすい一品になっているという具合だ。

 こちらインディアンビレッジは正統派。素材のままのおいしさが感じられる豊富なメニューが魅力だ。複数のベースを取り揃えるカレーだけをとっても、材料の味に忠実なことを想像させるさっぱりとしたトマト仕立て、濃厚なココナッツ仕立てなど、それぞれ全く違った風味を楽しむことができる。味付けはスパイスも塩加減も強すぎず、大盛りのカレーやビリヤニをたらふく平らげても、食後や翌日に口やお腹に残りすぎることがなく、胃にも優しく、お財布にも優しい。

 見つけづらい場所にも関わらず、国際色豊かなビジネスマンがテイクアウトを心待ちに絶えず訪れ、仕事帰りのカップルが金魚のように色鮮やかなサフランライスにそれぞれ好みのカレーを添えて夕暮れ時を楽しんでいる様子からは、隠れたファンが多いことがうかがえる。

 香港で疲れを吹き飛ばしたくなったら、是非インディアンビレッジへ。いつもニコニコのお父さんと、また近いうちに必ず来るようにと少しおせっかいなお母さんがおいしいカレーを作って待っている。

Indian Village
香港島半山摩羅廟街三十一の三十七號地下一號舖
TEL.+852 2525 5488